アメリカのAUTODESK社は、2021年6月6日から「AutoCAD LT」の新規契約の受付を終了することを発表しました。
代わりに、従来のAutoCAD LTの価格でAutoCADを使用できるようになります。
今回の変更により、より安価でAutoCADを使えるようになったため、Jw_cad・BricsCAD・Vectorworks・ZWCADなどのユーザーがAutoCADに乗り換える可能性もあるでしょう。
この記事では、2021年6月からの新しいAutoCADについて解説します。
参考記事:AUTODESK社「新規 AutoCAD 提供製品の発売に関するよくあるご質問 (FAQ)」
目次
AutoCADの変更点
2021年6月からのAutoCADの主な変更点は下記の3つです。
- AutoCAD LTは廃盤
- 従来のAutoCAD LTの価格でAutoCADを利用可能
- 新プラン「AutoCAD Plus」でツールセットを利用できる
1つずつ解説します。
AutoCAD LTは廃盤
従来のAutoCAD LTは廃盤になりました。
2021年6月以降も、期間満了まではAutoCAD LTを利用できますが、期間満了後は新しいAutoCADの購入が必要です。
従来のAutoCAD LTは、自動的にAutoCADに移行されるわけではないので注意してください。
従来のAutoCAD LTの価格でAutoCADを利用可能
新しいAutoCADを、従来のAutoCAD LTの価格で利用できるようになりました。
AutoCADの変更点は下記の表のとおりです。
変更前 | 変更後 | |
価格 | 199800円/年 | 71500円/年 |
機能 | 専門分野のツールセットあり | 専門分野のツールセットなし
下記の新機能が追加↓ トレース 共有 カウント パフォーマンスの改善 Autodesk Docsにプッシュ フローティングウィンドウ |
ちなみに、下記の機能は従来と同様に使えます。
- 2D作図
- ドキュメント作成
- APIのカスタマイズ
- Express Tools
- 3Dモデリング
- ビジュアライゼーション
- AutoCADモバイルアプリ
- AutoCAD Webアプリ
AutoCADの価格が大きく下がったのはメリットですが、反対に、専門分野のツールセットが使えなくなっています。
専門分野のツールセットを使う場合は、次に紹介する新プラン「AutoCAD Plus」がおすすめです。
※AutoCADのサブスクリプションメンバーは、Autodesk App Storeから追加料金なしでCALS Toolsをダウンロード可能。
新プラン「AutoCAD Plus」でツールセットを利用できる
AutoCADの機能に加えて、下記の専門分野のツールセットを使える新プランです。
- Mechanicalツールセット
- Architectureツールセット
- Electricalツールセット
- Map3Dツールセット
- MEPツールセット
- Plant3Dツールセット
- Raster Designツールセット
価格は231000円/年となっています。
AutoCADと他社の比較
AutoCADが改定されたことで、他のCADソフトとの比較が気になるところだと思います。
ここでは、下記の5種類を比較してみました。
- AutoCAD
- Jw_cad
- BricsCAD
- Vectorworks
- ZWCAD
価格 | 機能 | |
AutoCAD | 71500円/年 | 3D対応 |
Jw_cad | 無料 | 2D |
BricsCAD | Lite(2D)75900円
Pro(3D)104500円 永久ライセンス |
AutoCADとほぼ一緒 |
Vectorworks | Fundamentals:335500円
Spotlight:457600円 Landmark:457600円 Architect:457600円 Designer:579700円 永久ライセンス |
デザイン系に強い |
ZWCAD | Stdソフトウェア認証(2D):96800円
Stdハードウェア認証(2D):101200円 Proソフトウェア認証(3D):129800円 Proハードウェア認証(3D):134200円 永久ライセンス |
AutoCADとほぼ一緒 |
用途にもよりますが、AutoCADは内容の割に安価だと言えます。
しいて言えば、AutoCADは永久ライセンスではないところが料金的なデメリットですが、安価で導入のしやすいのは大きなメリットかと。
AutoCADは高機能で多彩な連携が可能なので、AutoCADに乗り換えを考えていた人には良い機会になるかもしれません。
参考にしていただければ幸いです。
AutoCADのトレーニングブック
ちなみに、弊社では「実務につなぐAutoCAD トレーニングブック」を作成しました。
- AutoCADの操作をもっと学びたい
- 別ソフトからAutoCADに乗り換えるので操作が不安
という人のお役に立てば幸いです。