2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた建設工事は、どんどん進んでいます。
築地市場の豊洲移転問題が終息に向かったことで、都心から豊洲・有明方面への道路工事が進んでいます。
都心から豊洲・有明方面の道路工事は、今後どのように進むのかをご紹介します。
築地市場の豊洲移転問題の解消後の道路工事
都心から豊洲・有明方面に対するアクセスが改善し始めました。
多くの問題を抱えていた築地市場の豊洲への移転問題ですが、2017年11月に小池都知事が豊洲市場への移転時期を2018年10月中旬とすることで市場関係者と合意したのをきっかけに、混乱は終息に向かいました。
2018年10月11日、東京都の豊洲市場(東京都中央卸売市場・江東区)が開場しています。
方針が定まらず、開通・開業に遅れの生じていた東京都関連の重要インフラ・施設に関しては、ようやく動き出しました。
東京五輪の道路工事計画
2018年3月10日に首都高速道路晴海線の晴海~豊洲間が開通します。
参考:首都高速道路株式会社「晴海線開通」
同年12月には、都道環状2号の新橋~豊洲間が開通する予定です。
2020年夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックの関連施設の建設や、都道環状2号の整備、築地から豊洲への市場移転は、各種報道の通り難航していました。
すでに隅田川には橋が架かっており、新橋側の工事も完了している状況ですが、築地市場があるために500mくらいの道路工事に着手できないままでした。
ですが、事態が終息に向かったことで、工事は本格的に動き出しました。
東京都は都道環状2号の新橋~豊洲間を、当初の予定よりも約2年遅れた2018年12月中旬に暫定開通させる予定です。
※2017年12月5日に開いた市場移転に関する関係局長会議で決められました。
環状2号は都心部と臨海部の東京オリンピック・パラリンピック関連施設を結ぶ主要道路の機能を担っています。
参考:新橋ねっと「イナセくんと行く、新橋さんぽ」
今後開通する新橋~豊洲間で構造物の新設が必要となるのは、主に築地市場(中央区)の跡地を経由する区間となります。
東京都はまず、築地市場跡の西端の築地川沿いに仮設の迂回路を設けて、第1次の暫定開通を2018年12月中旬に実現させるそうです。
その後、築地市場跡の中心部に本設の地上部道路を造り、2020年3月末に第2次の開通を予定しています。
ただし、地下区間を含む全通は東京オリンピック・パラリンピック後となる予定です。
環状2号線開通が遅れたことで影響が出たのは、BRTというバス高速輸送システムの計画です。
バスの専用道路を造り、都心と臨海副都心を結ぶ新路線として注目されていました。
バスを2台つなげた長いバスにする予定で、乗客数も多くできます。
新橋駅から環状2号線を通って、豊海から豊洲と有明方面へのバス路線が計画されていました。
現在この区間は公共交通機関が乏しく、近くて遠い場所という感じです。
新バス路線BRTの開通を見込んでマンション建設も進んでいるのですが、このBRTが2020年東京五輪に間に合わない可能性が出てきました。
都民ファーストの会の「都民ファーストでつくる『新しい東京』~2020年に向けた実行プラン~」にBRTのことが書かれていて、もともとは2019年の開業予定でしたが、2019年開業の文字が消されています。
参考:東京都政策企画局「冊子・計画内容(Plan)」
小池都知事自身も、BRTは東京五輪後の可能性を発言しています。
「BRTの話はなくなるんじゃないか?」という声もあるくらいです。
BRTを見込んでマンションを購入してしまった人も多く、交通の便が悪いところに分譲マンションを買ってしまった人たちの移動手段は厳しいままになる可能性もあります。
まとめ
世間を騒がせた築地市場の移転問題が足を引っ張り、東京オリンピック・パラリンピックの道路工事は延期されてきましたが、ようやく本格的に動き出したというところです。
今後、東京五輪関連の工事は大詰めを迎えます。
多くの建設人材が必要になり、人件費も高騰することでしょう。
これからが本当の忙しさになるでしょう。
「東京オリンピック・パラリンピック後の建設業界の仕事はどうなの?給料は下がらないの?」と不安に思う人もいますが、大丈夫です。
東京五輪後に工期をずらした大型の工事も多いため、東京オリンピック後も豊富に仕事はあります。
詳しくは「東京オリンピック後の建設業界の動向」を読んでみてください。