建設業の現場監督の派遣は、正社員なのか?アルバイトなのか?
お給料はどれくらいもらえて、どんなメリットがあるのかをご紹介します。
「現場監督の派遣?」と、イメージがわきにくい人もいると思うので。
この記事では下記を解説します。
- 現場監督の派遣は正社員?アルバイト?
- 現場監督の派遣の給料はどれくらい?
- 現場監督の派遣で働くメリット
- 派遣の現場監督の仕事内容
- 良い派遣会社の選び方
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
現場監督の派遣は正社員?アルバイト?
現場監督の派遣は、正社員です。
「派遣」というとアルバイトに聞こえるかもしれませんが、正社員雇用です。
現場監督の派遣は、正確には「技術者派遣」といいます。
技術者派遣の会社の正社員として雇用されて、働く現場が他の建設会社の現場ということです。
正社員なので、社会保険・年金・福利厚生はきちんとしています。
アルバイトの派遣は「一般派遣」といい、技術者派遣とはまったく意味が違います。
一般派遣は非正規雇用のアルバイトです。
「現場監督の派遣で働くって、アルバイトなの?」と思うかもしれませんが、正社員採用なので安心してください。
なんで現場監督の派遣があるの?
本来は建設会社の社員が現場監督をすべきなのですが、現場監督が足りないので派遣をつかっているのです。
厚生労働省が発表した、平成27年5月の建設・土木・測量技術者の有効求人倍率は6.53倍でした。
つまり、1人に対して6.53件の求人があるということです。
現場監督をはじめ、建設人材が不足しているのです。
建設技術者の人数は、平成9年の455万人から、平成26年には341万人に減少しています。
建設業界に新卒で就職するのは、年間で約41000人です。
そのうち、3年以内で退職する人の割合は下記のとおり。
- 大卒で就職して3年以内に辞める割合:29.2%
- 高卒で就職して3年以内に辞める割合:48.5%
「そもそも、なんで人が足りなくなったのか?」を解説します。
2000年代は「建設業界冬の時代」といわれていました。
工事受注高が落ち込んで不景気になったため、若手の採用を控えていたのです。
ところが、2010年代に入ると、下記などで建設ラッシュになったのです。
- 2011年の東日本大震災の復旧工事
- 都市部のビル・マンションの建築
- 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの工事開始
「2000年代に人を採用してこなかったツケが回ってきた」ということです。
大手ゼネコンでも人材不足が問題になり、派遣の現場監督をつかうようになったということです。
参考:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
現場監督の派遣は今後も安定しているの?
未来は誰にもわかりませんが、派遣の現場監督は今後も仕事が安定しているでしょう。
理由は、今後予測される人材不足で、建設会社は今よりも派遣に頼らなければいけない可能性が高いからです。
国土交通省の「建設産業の現状と課題」の調査結果によると、建設人材の約3割は55歳以上のベテランです。
反対に、29歳以下の若手は約1割しかいません。
10年後には、約3割のベテラン組が退職します。
若手人材が不足しているので、今より人材不足が深刻になります。
国道交通省では、「2025年に47~93万人の建設就業者が不足する」と発表しています。
参考:国土交通省「建設産業の現状と課題」
今より人手不足になれば、正社員であろうが派遣であろうが、貴重な人材を欲しがる建設会社がもっと増えるでしょう。
つまり、派遣の現場監督であっても、今後の仕事は安定していることが予測されます。
現場監督の派遣の給料はどれくらい?
「派遣だと、建設会社の正社員より給料低そう…」と思うかもしれませんが、
結論は、『派遣も、建設会社の正社員も給料はあまり変わらない』です。
「派遣は給料が低そう…」というのは、一般派遣(非正規雇用のアルバイト)のイメージがあるからだと思います。
前述のとおり、現場監督の派遣は一般派遣ではなく技術者派遣で、雇用形態は正社員です。
なので、派遣といっても給料が低いわけではありません。
なぜ派遣と、建設会社の正社員の給料があまり変わらないのかというと、残業代が関係しています。
派遣の現場監督は、派遣会社と派遣先の建設会社との契約で、きっちり残業代をもらえます。
サービス残業は一切なく、残業代で稼ぐこともできます。
建設会社の正社員は、サービス残業の会社もあり、残業しても給料が増えないところもあるのです。
※あくまでも、建設会社によります。残業代を満額支給する建設会社もあります。
なので、派遣と建設会社の正社員の給料は、あまり変わらないのです。
※もちろん、現場・本人のスキル・保有資格によって変わりますが。
場合によっては、派遣の方が正社員より稼いでいることもあります。
派遣の現場監督の中には、年収1000万円以上稼ぐ人もいます。
「派遣は稼げない…」というわけではないのです。
ちなみに、具体的にどれくらい稼げるのかの目安を知りたい人は、『施工管理(現場監督)の平均年収や給料を徹底分析【資格で収入アップ】』を参考にどうぞ。
※「施工管理」とは現場監督のことです。
施工管理技士など資格を取得すれば、派遣の現場監督も給料アップ
施工管理技士などの国家資格を取得すれば、派遣の現場監督であっても昇給・資格手当などで給料が上がります。
国家資格を取得しておけば、さらに重宝される人材になるため、転職にも有利です。
施工管理技士などの国家資格は、一度取得してしまえば一生ものなので、キャリアップしたい人は挑戦してみましょう。
現場監督のキャリアアップに有効な国家資格については、施工管理技士の資格の種類や試験の難易度を参考にどうぞ。
現場監督の派遣で働くメリット
現場監督の派遣で働くメリットは、下記のとおりです。
- 正社員雇用
- ハローワークや求人誌・求人サイトにない求人もある
- サービス残業やサービス休日出勤がない
- ホワイトな環境で働ける
- 会社のしがらみから解放される
- ある程度は仕事を選べる
- 人脈が広がる
- ゼネコンに引き抜きされる人もいる
- あなたの知らなかった強みを発見できる
- 40代・50代・60代も活躍できる
- フリーランスの現場監督のような働き方ができる
- 未経験からでも働ける
近年は、労働条件の改善、ホワイトな現場で働きたいなどの理由で、派遣で働く人が増えています。
上記のメリットについては、『施工管理の派遣で働くメリットは?』で詳しく解説しています。
派遣の現場監督の仕事内容
派遣の現場監督の仕事内容は、建設業界の正社員の現場監督と一緒です。
- 工程管理:施主との契約に合った工事ができているか、スケジュール管理
- 安全管理:現場作業員の安全を守るための管理
- 品質管理:部材の規格や寸法の管理、建設物の品質の管理
- 原価管理:工事の原価計算をして利益を管理
- 出来形管理:施主の希望する規格基準に限りなく近い精度で完成させるための管理
- 行政への申請書類の作成
現場の職人さんに指示を出したり、現場の写真をとったり、現場の掃除をしたりと、建設会社の正社員現場監督と業務は変わりません。
派遣といっても責任ある仕事を任されます。
現場監督の仕事内容の詳細は、施工管理(現場監督)の13の仕事内容【あなたに向いてるかも診断】にまとめています。
良い派遣会社の選び方
現場監督の派遣で働くときに重要なのは、「どの派遣会社で働くか?」です。
派遣会社によって、下記が違います。
- 派遣先の数、種類
- 給料
- 研修制度
- 福利厚生
「派遣会社はどこも一緒」ではないので、あなたに合う派遣会社を選びましょう。
特に、派遣の現場監督として即戦力になれるか不安な人は、研修制度がしっかりしている派遣会社を選んでください。
派遣される前にしっかりと業務知識を身につけると、安心して働くことができます。
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転職の情報収集にチェックしてみてください。
まとめ【現場監督の派遣は正社員】
この記事の内容をまとめます。
- 現場監督の派遣は正社員雇用
- 派遣の現場監督でも、今後の仕事は安定している可能性が高い
- 派遣と建設会社の正社員の給料は、あまり変わらない
- 現場監督の派遣で働くメリットは多い
- 派遣と建設会社の正社員の仕事内容は、ほとんど同じ
- 現場監督の派遣で働くときは、派遣会社選びが大切
もし、施工管理の派遣で働いてみたいなら、さっそく転職活動を始めてみましょう。
行動しないと何も始まらないので。
できることからでいいので、まずは行動あるのみです。
とりあえず、求人情報などを眺めてみましょう。
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ちなみに、現場監督で転職を考えてるなら、施工管理(現場監督)の転職先の会社選びのコツ【転職活動方法も解説】を参考にどうぞ。
- あなたに合う会社を選ぶ方法
- ブラック企業を避ける方法
などを解説しているので、転職活動を始める前に読んでおきましょう。
うっかりブラック企業に転職しちゃうと、マズイですからね(^^;
あなたの働き方の参考になればうれしいです!