
どれくらいマズいのかな?
あと、若者離れを改善する方法があるのかな?
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- 【悲報】建設業の若者離れが進んでます
- 建設業の若者離れが進む3つの理由
- 建設業に若者を呼び込む2つの打開策
建設業界の人材不足が深刻な問題になっています。
一番の問題は、若者が建設業に入ってこないこと。
3Kなどイメージの悪さがあるためです。
現在、国が先導して改革を進めている最中です。
若者離れの実態と、その解決策として動いているものを解説します。
目次
【悲報】建設業の若者離れが進んでます
建設業の若者離れが進んでいる理由は、下記の2つ。
- 建設業界に就職する若者の減少
- 離職率の増加
国が発表したグラフを見ても、若者離れは明らかですね。
出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」
出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
それでは、建設業の若者離れを深掘りしていきます。
①建設業の就職する若者の減少
新卒者の建設業への就職状況は、あまりよくありません。
グラフを見てもらうとわかりますが、平成7年をピークに大きく減少しています。
出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
平成22年から上昇に転じていますが、平成7年以前と比べるとかなり少ないですね。
②離職率の増加
新卒の離職率も上がっています。
新卒者の離職率の高さは業界問わず言われていますが、建設業は高い方です。
出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
特に、高卒者の離職率は48.5%とかなり高めです。
ちなみに建設業界の離職率については、施工管理や建設業の離職率は?ブラックな職場を回避する方法にもまとめています。
建設業の若者離れが進む3つの理由
では、建設業の若者離れが進む理由は何なのでしょうか?
主な理由は下記の3つです。
- 3Kのイメージ
- 週休1日
- 長時間労働
1つずつ解説しますね。
【理由①】3Kのイメージ
やはり3Kのイメージは根強いですね。
ちなみに3Kとは、下記のことです。
- きつい
- 汚い
- 危険
最近では「新3K」という言葉も生まれて、
- きつい・厳しい・帰れない
- きつい・帰れない・給料安い
などと言われています。
厚生労働省の「建設労働者を取り巻く状況について」のデータによれば、若者が建設業を辞めた理由は下記のとおりです。
- 作業がきつい
- 現場での人間関係が厳しい
- 労働に対して賃金が低い
- 休みが取りづらい
- 定着しないのグラフ
出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
イメージと実態が同じであるのは、大きな要因です。
ガテン系の人は怖いと思われてる
若者の多くは「ガテン系=怖い」とも思っています。
一昔前の体育会系な感じが通用した時代とは違い、若者は怖い大人と関わりたくないと思っています。※本当は怖くなくても。
今の若者が嫌うのは、
- オラオラ系
- 根性論
- 精神論
- 体育会系
なので、ガテン系のイメージが悪いようです。
【理由②】週休1日
週休1日は早急に改善しなければいけない問題です。
今の若者は、仕事とプライベートのバランスを重視するからです。
事実、約5割の会社が4週4休以下です。
出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」
今の若者は、決して仕事のやる気がないんじゃありません。
仕事は仕事、休みは休みでキチンと分けたいだけなんです。
繁忙期になると休みがないこともある建設業は、「わざわざ選ばなくてもいい職業」と言えます。
出勤日数の多さも、他の業界よりかなり多いです。
出典:国土交通省「建設業における働き方改革」
【理由③】長時間労働【時給換算すると薄給】
長時間労働であることも、若者から不人気の理由です。
週休1日で長時間労働=若者のニーズを満たしていないからです。
36協定が適用されない業界のため、残業が青天井なのも懸念点です。
年収自体は悪くないのですが、時給換算すると薄給になってしまいます。
出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
固定残業代やサービス残業の会社だと、働くほど損ということに。
この辺はググればすぐにわかってしまうので、若者に毛嫌いされる原因になっています。
建設業に若者を呼び込む2つの打開策
若者離れが進む建設業界ですが、若者を呼び込むための施策として注目されているのが、下記の2つ。
- 働き方改革
- ICT(建設のIT化)
1つずつ解説します。
建設業の働き方改革
国主導で進んでいる働き方改革の内容は、下記のとおりです。
- 36協定の適用業種になり、残業時間の上限を設ける
- 週休2日の実施
- 社会保険の加入率アップ
- ICT化
特に、36協定と週休2日は革命的ですね。
正直、賛否あります。
特に週休2日は「無理なのでは?」という声もあります。
ですが、このまま若者が入ってこないと、仕事が回らなくなってしまいます。
できるできないではなく、やらなければいけない改革といえます。
建設業界の働き方改革は、2024年に始まる建設業界の働き方改革12選!無理といわれる理由にまとめたので、読んでみてください。
ICT(建設のIT化)
簡単にいうと、ロボットに施工してもらう感じです。
ロボットが施工してくれるメリットは、下記の3つ。
- 人が少なくても工事できる
- 若者に「建設かっこいい」というイメージをもってもらう
- 3Kから脱却(3K作業はロボットがやるから)
建設業界は他業界に比べてIT化がかなり遅れてるので、この辺も若者に嫌われる要因。
なので、キチンとIT化していく必要があります。
若者からすると、今だに紙を使ってるのも信じられないことです。
スマホもタブレットもあるのに「データ管理が書類」というのは、若者からするとビックリ。
ICTについては、ICTが建設業界で進んでます【機械の事例やメリットと課題も解説】にまとめています。
まとめ【建設業の若者離れ対策は働き方改革とICT】
この記事をまとめます。
- 就職者の減少と離職率の増加で、建設業の若者離れが進んでいる
- 3K・週休1日・長時間労働が、若者を遠ざけている
- 働き方改革では、36協定と週休2日を目指している
- ICTで3Kから脱却を目指す
- 体制づくりとイメージづくりが、若者を呼び込むカギ
以上、建設業の若者離れの実態と、解決策を紹介しました。
ちなみに、働き方改革の最大の争点である「週休2日導入」については、建設業の週休2日は2024年から実施予定【ただし義務化ではない】にもまとめています。
あなたの参考になればうれしいです!