建設業の新入社員研修資料の作り方完全ガイド|資料の入手ルートも解説

建設業の新入社員研修資料の作り方完全ガイド 資料の入手ルートも解説

「新入社員研修の資料をどうやって準備すればいいの?」

「現場ごとに指導内容がバラバラになっている…」

このような悩みを抱える建設会社の教育担当者様に役立つ記事です。

この記事でわかること

  • 建設業の新入社員研修資料の設計フレーム
  • 建設業の新入社員研修資料の入手ルート
  • 建設業の新入社員研修資料の運用方法

建設業の新入社員研修では、資料の整備が不可欠です。

質の高い研修資料が新入社員の理解度の向上・早期のスキル習得につながります。

「でも、どうやって研修資料を整備すればいいのかわからない…」と思いますよね?

この記事では、研修資料の作成に役立つ様々な入手ルートを解説します。

記事を読めば、自社に合った研修資料の入手方法が見えてくるでしょう。

質の高い研修資料を通じて新入社員の育成を強化したい方は、最後まで読んでみてください。

建設業の新入社員研修の資料準備に役立つツール

建設業の新入社員研修で資料を準備する際には、私たちワット・コンサルティングが提供する「Construction Boarding」が便利です。

3分程度の短時間で学べるeラーニング形式で、忙しい現場でも効率的に基礎から専門的なスキルまで習得できます。

実際の現場映像やイラストを豊富に使用しており、経験の浅い新入社員でもわかりやすく学べるでしょう。

無料で2週間のトライアルができるので、若手の早期戦力化を実現したい建設会社様は試してみてください。

目次

建設業における新入社員研修の成果は、使用する「資料」の質に左右されます。質の高い研修資料は、新入社員の理解度を深め、安全意識の向上や早期のスキル習得を促すものです。

注意

もし資料がわかりにくかったり、情報が不足していたりすると、研修効果が薄れ、新入社員の不安を増大させる恐れすらあります。

そのため、研修資料の整備は、新入社員育成における優先度の高い課題です。整った資料は、教育担当者の負担軽減にもつながります。

研修の整備は事故率・離職率・生産性に直結する

研修を整備することで、建設現場の事故率の低減、新入社員の離職率の抑制、そして生産性の向上に繋がります。質の高い研修資料を通じて、業務知識や安全に関する決まりごとを初期段階で徹底するためです。

具体的には、以下のような効果が期待できるでしょう。

項目期待できる効果・内容
事故率の低減KYK事例集、保護具の図解資料による安全意識向上
離職率の抑制企業理念・キャリアパス共有による定着促進
生産性の向上標準手順書・マニュアル活用による手戻り削減

ヒューマンエラーに起因する労働災害の発生リスクを抑え、新入社員が抱えがちな業務への不安や企業とのミスマッチを和らげ、早期離職を防ぎます。

現場や教育担当の負担を減らしつつ早期戦力化する必要性

現場や教育担当者の負担を軽減しながら、新入社員を早期に戦力として育成するには、質の高い研修資料が必要です。標準化されたわかりやすい資料が用意されていれば、教育担当者は指導にかける時間や労力を削減できて、新入社員は自律的に学習を進めやすくなります。

特に建設業界では、専門知識や安全管理の習得が必須であり、これらを効率的に伝える資料が求められるでしょう。

研修資料を整備すると、以下の課題解決に役立ちます。

現場や教育担当者の課題研修資料による解決策・メリット
新人への同じ説明の繰り返しFAQ資料・用語集配布による自己学習促進
指導者による教育内容・質のばらつき標準テキスト・動画マニュアルによる教育の均質化
新人の手順習得に時間がかかり、指導者の拘束チェックリスト手順書・短時間動画教材の用意
専門用語が多く、新人が理解しにくいイラスト・図解を多用したわかりやすい用語解説資料の提供

効果的な研修資料を準備し運用する体制は、教育の質を保ちつつ新人の早期活躍を促し、組織全体の業務効率アップにつながります。

建設業の新入社員研修の内容

建設業の新入社員研修で学ぶ内容は、社会人としての基礎から専門知識まで多岐にわたります。これらの研修を通じて、新入社員は建設業界で活躍するための土台を築いていくものです。

建設業の新入社員研修で学ぶ主な内容

  • オリエンテーション
  • 法令やコンプライアンス
  • ビジネスマナー
  • コミュニケーション
  • 基礎的な技術
  • 安全衛生教育
  • 現場OJT
  • 定期的な勉強会

これらの項目を学ぶことで、新入社員は自信をもって現場での第一歩を踏み出せるようになるでしょう。各研修内容について、具体的に見ていきます。

オリエンテーション

まずはオリエンテーションから始めましょう。会社の理念や事業内容を解説し、働く上での心構えを身につけてもらいます。

具体的には、以下のような内容を伝えてみてください。

ポイント

  • 会社概要と沿革の共有
  • 経営理念やビジョンの説明
  • 事業内容と組織体制の理解
  • 就業規則や福利厚生の説明
  • キャリアパスと人事制度の紹介

これらの情報提供を通じて、新入社員は自社への理解を深め、帰属意識を高めます。また、同期との顔合わせや自己紹介の時間も設け、連帯感を育むのがおすすめです。

法令やコンプライアンス

建設業で働く上で、法令やコンプライアンスの遵守は欠かせないため、研修の初期段階で教育します。基本方針や、法令遵守が企業存続の基盤であることを共有しましょう。

建設業においては、特に以下の法律が業務に関わってきます。

法令名称内容
建築基準法・建物の敷地、構造、設備等の最低基準
・耐震、防火規定など安全性の確保
建設業法・適正な施工体制の確保
・建設業の許可制度
・主任技術者、監理技術者の配置など
下請法・元請、下請間の公正な取引
・不当な減額の禁止、支払遅延の防止など
労働安全衛生法・労働者の安全と健康の確保
・職場環境の整備

また、コンプライアンスに関する具体的な知識を深めてもらいましょう。

コンプライアンスの階層(例)

  • 法律違反をしない
  • 社内規則に違反しない
  • 社会常識に反する行為をしない

建設業特有の課題として、談合や下請法違反などの事例を挙げ、それらを防ぐ手立てについて考えさせます。「もし不正を目撃した場合の対処」といった問いかけも有効です。

また、情報管理やSNSの適切な利用方法、サイバーセキュリティの基礎も教えて、情報漏洩リスクへの意識を高めます。

ビジネスマナー

社内外の人と円滑な関係を築き、信頼を得るためにもビジネスマナー研修を実施しましょう。建設業界において、お客様や協力会社、地域社会との関わりは多く、適切なマナーの実践が求められます。

具体的には、以下のような項目を学んでもらうのがおすすめです。

ビジネスマナー研修の内容例

  • 挨拶と正しい言葉遣い
  • 名刺交換の手順
  • 電話応対の基本
  • ビジネス文書の作成
  • 身だしなみ

これらのマナーは、一度学べば終わりではなく、日々の業務の中で意識して実践することで身についていくものです。ロールプレイングなどを取り入れ、実践的なスキル習得を目指します。

コミュニケーション

建設業の仕事を進める上でも、コミュニケーション能力が必要です。

特に、報連相(報告・連絡・相談)を徹底させましょう。適切なタイミングで、正確な情報を共有することが、ミスの防止や問題の早期発見・解決につながります。

ポイント

研修では、いつ・誰に・何を伝えるべきか、具体的な場面を想定して練習するのがおすすめです。

また、朝礼やKY活動(危険予知活動)での積極的な発言、先輩や職人さんとの指示の受け方・伝え方など、建設現場特有のコミュニケーションも学びます。

基礎的な技術

新入社員研修では、現場で求められる基礎的な技術の習得も図りましょう。座学で理論を学び、その後のOJTで実践力を養うための土台を作ります。

研修でカバーしておきたい基礎技術の例

  • 施工管理の基本フロー
  • 図面の種類と読解方法
  • 主要な建設機械・工具の名称と用途
  • 測量の基礎知識
  • 品質管理・安全管理の基本

専門用語はわかりやすい解説を心がけ、新入社員が現場での会話や指示をスムーズに理解できるように配慮します。

基礎的な技術を教えられるおすすめのeラーニング

基礎的な技術を効率よく教えるには、Construction Boardingがおすすめです。

建設業界の知識を体系的に学べるeラーニングで、図面の読み方から測量の基礎まで、新入社員が現場で必要なスキルを包括的にカバーしています。

Construction Boardingの特徴

実際の現場映像とわかりやすいイラストで学習できるため、知識が定着しやすいです。

また、解度テストで知識が定着するのもメリットです。

無料トライアルがあるため、まずは試しながら検討してみてください。

安全衛生教育

働く人々の安全と健康を守るために、安全衛生教育も実施する必要があります。

まず、労働安全衛生法などの関連法令の基礎を教えましょう。事業者や労働者の義務、雇入れ時教育の必須項目を具体例と共に説明し、法令遵守を理解してもらいます。

また、職場で実践する安全文化や社内ルールを教育します。

職場の安全文化・基本ルールの例

  • 安全ミーティング(朝礼・KY活動)の実施
  • ヒヤリハット(未遂事故)の報告と共有
  • 保護具の正しい着用と立入禁止区域の厳守
  • 指差呼称による安全確認の習慣化
  • 安全のための声かけ・報連相

さらに、安全装備の正しい使い方や、現場で目にする安全標識の意味を、実物やイラスト、写真を用いて視覚的に学習してもらいます。危険予知(KY)トレーニングも実施して、作業に潜む危険を予測する力を身につけてもらいましょう。

過去の事故事例から教訓を学び、ヒューマンエラーとその防止策を共有することも有効です。

最後に、万一の事故発生に備えた緊急時対応や、夏場の熱中症対策についても訓練します。体験型の学習を取り入れ、実践的な対応力を身につけさせるのが望ましいです。

安全衛生教育の詳しい内容は、建設業の安全教育ネタ47選|マンネリを解消する事例完全ガイドも参考にしてみてください。

現場OJT

現場OJT(On-the-Job Training)は、座学で得た知識を実際の業務を通じて深め、実践的なスキルを習得する研修段階です。

OJTでは、経験豊富な先輩社員がトレーナーとなり、マンツーマンに近い形で指導にあたるのが一般的です。新入社員は、まず先輩の作業を見て学び、次に簡単な作業からやってみて、フィードバックを受けるサイクルでスキルを定着させていきます。

建設現場でのOJTの具体例

  • 測量作業の補助
  • 施工図面に基づいた資材の数量拾い出し
  • 安全パトロールへの同行
  • 朝礼でのスピーチ
  • 協力会社への指示伝達の練習など

いきなり難しい業務を任せるのではなく、段階的にステップアップできるよう配慮します。OJTの詳細は、建設業OJTを始める前にやるべき準備と8つのテクニックを完全解説を参考にしてみてください。

定期的な勉強会

新入社員研修後も、継続的な学習のために、定期的な勉強会を開催しましょう。建設技術や関連法規は進化しており、一度学んだ知識をアップデートする必要があります。

定期的な勉強会は、新入社員のスキルアップだけでなく、知識の定着や疑問点の解消、さらには同期や先輩社員とのコミュニケーション促進にも繋がります。

勉強会の例

  • 最新の建設技術・工法の紹介
  • 法改正や新基準の情報共有
  • 最近の事事故例とその対策
  • 資格取得に向けた学習サポート
  • 若手社員による業務改善提案発表

勉強会を通じて、新入社員が常に学び続ける姿勢を維持し、専門性を高めていけます。

建設業の新入社員研修資料の設計フレーム

効果的な新入社員研修を実施するには、しっかりとした資料の設計フレームが必要です。ここでは、研修資料をどの枠組みで設計すべきか、その基本を紹介します。

建設業の新入社員研修資料の設計フレーム

  • 業界や企業について伝える資料
  • 現場の安全教育資料
  • 作業マニュアル
  • 各職種向けの資料

これらのフレームに基づいて資料を準備することで、新入社員が必要な知識やスキルを体系的に学べるようになります。それぞれの資料について、具体的に見ていきましょう。

業界や企業について伝える資料

まずは、新入社員が自社のことや建設業界全体を理解するための資料を準備します。業界の現状や将来性、その中での自社の立ち位置を知ることで、働く上での目的意識や帰属意識を高めてもらうのが狙いです。

具体的には、以下のような情報を盛り込むと良いでしょう。

業界・企業理解のための資料内容例

  • 建設業界の概要と社会的な役割
  • 自社の創業経緯と企業理念
  • 主な事業分野と代表的な施工実績
  • 組織図と各部門の機能紹介
  • 新入社員向けのキャリアステップ例

これらの資料を通じて、新入社員が「この会社で頑張ろう」という意欲をもち、安心して業務に取り組めるようにサポートします。

現場の安全教育資料

建設現場における安全は何よりも優先されます。そのため、現場の安全教育資料は特に充実させる必要があります。

ポイント

資料には、KY活動(危険予知活動)の具体的な進め方や、過去のヒヤリハット事例を基にした危険箇所の解説を盛り込みます。

また、リスクアセスメントの考え方や手順を理解してもらうことで、潜在的な危険源を自ら見つけ出す訓練も可能です。

文字だけでなく、実際の事故事例や正しい保護具の装着方法などを解説した安全動画も効果的です。安全パトロールで確認すべきチェックポイントをまとめた資料も、現場での実践に役立つでしょう。

参考記事:建設業の安全教育ネタ47選|マンネリを解消する事例完全ガイド

作業マニュアル

次に、具体的な作業手順を標準化し、誰でも一定の品質で安全に作業を進められるようにするための作業マニュアルを整備します。作業マニュアルには、以下のような種類が考えられます。

マニュアルの種類内容
基本作業手順書・各作業の段取り
・使用工具
・安全上の注意点
・品質基準
機械操作マニュアル・主要建設機械の操作方法
・始業前点検項目
・トラブル対処法
品質管理マニュアル・各工程での検査項目
・管理基準値
・記録方法
・チェックシート
安全作業基準書・高所作業
・重機作業等
・特に危険性の高い作業の安全対策
緊急時対応手順書・事故発生時
・自然災害時の連絡体制
・避難経路
・応急処置

これらのマニュアルを活用することで、新入社員の不安を軽減し、早期の戦力化を促します。また、作業の効率化やヒューマンエラーの防止にもつながるでしょう。

各職種向けの資料

配属される職種に応じた専門性を深めるための資料も必要です。それぞれの専門分野で求められる知識やスキルを習得することで、新入社員がスムーズに業務に慣れ、活躍できます。

職種別に特化した資料の例は、以下のとおりです。

対象職種資料の例
施工管理職・施工計画立案の手引き
・工程管理表の作成方法
・品質、出来形管理の要点
設計職・CADソフトの基本操作
・建築法規の解説
・構造力学の基礎知識
土木技術職・測量機器の取り扱い
・土質調査データの見方
・コンクリートの試験方法
建築技術職・建築構造の種類と特徴
・各種仕上げ材の知識
・建築積算の基本
事務・管理部門・建設業会計の基礎
・契約書関連の知識
・人事労務管理システムの操作方法

新入社員がそれぞれの分野でのプロフェッショナルを目指せるように、資料でサポートします。

施工管理やCADオペレーター研修におすすめのeラーニング

施工管理やCADオペレーター研修に特におすすめなのが「Construction Boarding」です。

特に施工管理職では、複雑な専門業務も動画とイラストを使った視覚的な学習で理解しやすくなっています。

実際の現場事例を使った実践的な内容で、座学だけでは得られない現場感覚も身につけられるでしょう。

進捗管理機能により個人の成長を可視化できるため、OJTとの組み合わせで理論と実践の両面からスキルアップを図れます。

また、人材開発支援助成金の対象になるeラーニングです。

無料から始められるので、チェックしてみてください。

新入社員研修の準備では、質の高い資料を集める必要があります。ここでは、研修資料作成に役立つ様々な入手ルートを紹介します。

建設業の新入社員研修資料の入手ルート

  • 厚生労働省・国土交通省のPDF・パワーポイント・エクセルをダウンロード
  • eラーニング
  • 建設業振興基金など業界団体テキスト
  • ベテラン社員へのヒアリング
  • 元請け・協力会社からの共有資料
  • メーカー提供の施工手順動画
  • 専門誌・学会論文の図表引用

これらのルートを上手に活用して、自社の研修内容に合った資料を揃えていきましょう。それぞれの入手ルートについて、詳しく見ていきます。

厚生労働省・国土交通省のPDF・パワーポイント・エクセルをダウンロード

まずは、厚生労働省や国土交通省などの公的機関が提供している資料を活用しましょう。建設業向けの安全衛生教育テキストや、法令遵守に関するガイドラインなどが、PDFやパワーポイント形式で無料公開されている場合があります。

公的機関が提供する資料の例

例えば、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では、建設現場全般の安全対策に加え、型枠施工や鉄筋施工といった専門作業別の教材も見つかります。国土交通省のガイドラインは、建設業法の基本的なコンプライアンス教育に役立つでしょう。

これらの資料は信頼性が高く、研修資料のベースとして有効です。自社の状況に合わせて内容を補足・修正して活用することをおすすめします。

eラーニング

時間や場所を選ばずに学習できるeラーニングも、新入社員研修の資料として有効です。特に建設業界に特化したeラーニングは、専門知識や最新の技術動向を手軽に学べるメリットがあります。

ポイント

eラーニングは、新入社員が自分のペースで学習を進められるほか、教育担当者が進捗状況を把握しやすい点も特徴です。動画やイラストを多用した教材は、複雑な内容も理解しやすいでしょう。

例えば、ワット・コンサルティングが提供する「Construction Boarding」のような建設人材教育に特化したeラーニングサービスでは、施工管理の基礎知識から実践的なスキルまで、体系的に学べます。

このようなツールは、OJTの補完教材としても活用できます。

建設業振興基金など業界団体テキスト

建設業振興基金をはじめとする業界団体が発行するテキストや資料も、専門性が高く信頼できる情報源です。これらの団体は、建設業界の発展や人材育成を目的としており、質の高い教材を提供しています。

具体的には、以下のような団体からテキストや資料を入手できます。

団体名入手できるテキスト・資料の例
建設業振興基金・建設業の基礎知識
・技術者向け専門テキスト
・各種講習会資料
建設業労働災害防止協会(建災防)・安全衛生教育テキスト
・労働災害事例集
・安全ポスター、リーフレット
全国建設業協会(全建)・経営関連情報
・技術研修資料
・建設業法などの法令解説
日本建設業連合会(日建連)・高度な専門技術資料
・環境、安全マネジメントに関するガイドラインなど

これらの団体のウェブサイトを確認したり、講習会に参加したりすると、最新の情報を盛り込んだ研修資料を作成するためのヒントが得られます。

ベテラン社員へのヒアリング

社内にいるベテラン社員の経験や知識は、新入社員にとって貴重な学びの情報源です。ヒアリングを通じて、教科書だけでは得られない実践的なノウハウや自社特有の事例を収集し、研修資料に反映させましょう。

ヒアリングで引き出したい内容例

  • 過去の大きな成功体験とその要因
  • 直面した困難とそれを乗り越えた工夫
  • 現場で培った独自の作業のコツ
  • 顧客や協力会社との折衝で心がけている点
  • 新人時代に「知っておきたかった」情報

ヒアリングで得た情報は、具体的なエピソードとして盛り込むことで、新入社員の共感を呼び、内容の理解を深める効果が期待できます。また、ベテラン社員の経験を形式知として共有することは、組織全体の知識レベル向上にもつながります。

元請け・協力会社からの共有資料

日頃から連携している元請け企業や協力会社から、研修に活用できる資料を提供してもらえる場合があります。良好なパートナーシップを活かして、情報共有を依頼してみましょう。

現場共通で使われる安全衛生ルールブックや、新規入場者向けの教育資料などは、研修の参考にできるでしょう。

また、特定の工法に関する標準的な施工要領書や、品質管理基準の一部、過去に発生した災害事例とその対策をまとめた資料なども、共有してもらえる場合があります。

特に安全に関する資料や、共通のルールをまとめたものは、現場での認識統一に役立ちます。他社の事例やノウハウを取り入れることで、自社の研修資料をより実践的で質の高いものに改善できるでしょう。

メーカー提供の施工手順動画

建設資材や工具のメーカーは、自社製品の正しい使い方や施工手順を解説した動画や技術資料を提供している場合が多いです。専門的な知識や技術を視覚的にわかりやすく伝える上で、研修資料として有効です。

メーカー提供資料の例

  • 新建材の標準的な施工方法解説動画
  • 特殊工具・機械の操作・保守デモ
  • 防水材・シーリング材の施工手順ビデオ
  • 設備機器の設置マニュアル動画
  • 製品カタログと技術データシート(PDF)

メーカーのウェブサイトやYouTubeチャンネルを確認したり、営業担当者に問い合わせたりして、研修に活用できる動画や資料がないか探してみましょう。最新の製品情報や施工技術を学ぶ良い機会にもなります。

専門誌・学会論文の図表引用

建設関連の専門誌や学会が発行する論文には、最新技術や研究成果に関する質の高い情報が掲載されています。これらの図表を研修資料に引用すると、内容の信頼性や専門性が高まります。

新しい工法のメカニズムを示した模式図、建設業界の動向を示す統計データ、特定の材料に関する試験結果をまとめたグラフなどは、理解をしやすいでしょう。

ただし、専門誌や学会論文の図表を引用する際は、著作権の確認が必須です。無断での転載は著作権侵害にあたる恐れがあります。

必ず出典を明記し、必要に応じて発行元や著者に許諾を得てください。

建設業の新入社員研修資料の運用方法

作成した新入社員研修資料を最大限に活かすには、運用方法も知っておきましょう。研修資料の価値を高めるための運用上の工夫を紹介します。

建設業の新入社員研修資料の運用方法

  • 目的・到達目標を言語化し学習ゴールを明確化
  • 現場写真や動画の活用
  • 多様化する人材に対応
  • 働き方改革下でも学習時間を確保するスケジュール
  • ペーパーレス化
  • 受講後アンケートで改善
  • テスト結果を可視化

それぞれ詳しく解説していきます。

目的・到達目標を言語化し学習ゴールを明確化

研修資料を運用するにあたり、研修の目的と目標を言語化し、学習ゴールを明確にしましょう。具体例は以下のとおりです。

目的の例到達目標の例
・安全意識の徹底・労働災害の未然防止安全標識の意味を理解する
・現場基本ルールの理解・円滑なコミュニケーション報連相の基本や手順を理解する
・施工管理基礎知識の習得・OJTへの円滑な移行・専門用語の理解
・先輩指示の的確な把握

学習ゴールを具体的に設定することで、新入社員は学習の方向性を理解しやすくなり、モチベーションの維持にもつながります。また、研修の成果測定や資料改善の基準としても役立つでしょう。

現場写真や動画の活用

現場の状況や作業手順を伝える際には、文字情報だけでなく、現場で撮影した写真や動画を活用するのがコツです。視覚的な情報は、新入社員の理解を助け、記憶にも残りやすくなります。

写真や動画の具体例は以下のとおりです。

活用メディア具体的な活用例
写真・安全設備の良否比較
・工具の名称と持ち方
・現場の危険箇所
動画・基本作業の流れ
・機械の安全操作
・ベテラン技術
・ヒヤリハット事例

例えば、ワット・コンサルティングが提供する「Construction Boarding」のような建設業特化型のeラーニングでは、実際の現場映像で学習できます。複雑な作業も直感的に理解しやすいでしょう。

写真や動画を効果的に使うことで、より実践的でわかりやすい研修資料を作成できます。

多様化する人材に対応

近年、建設業界でも文系出身者や外国人労働者など、多様な人材が増えています。研修資料を作成・運用する際には、これらの人材がスムーズに理解できるよう配慮しましょう。

具体例は以下のとおりです。

対象者資料作成における対応例
文系出身者・業界未経験者・専門用語解説集の作成
・業界や仕事の流れの図解
・基礎知識の補足資料
外国人社員・母国語翻訳版の用意
・専門用語へのルビ振り
・イラスト、動画の多用
・現場習慣の解説

きめ細やかな対応が、人材の定着にもつながるでしょう。

働き方改革下でも学習時間を確保するスケジュール

働き方改革が進む中で、新入社員研修に割ける時間は限られてきています。そのため、短時間でも効率的に学習が進むよう、資料の内容や量、研修スケジュールを工夫する必要があります。

ポイント

資料は情報を詰め込みすぎず、本当に必要な内容に絞り込みましょう。1つのテーマを短時間で学べるように細分化するのも有効です。

また、集合研修の時間が十分に取れない場合には、eラーニングの活用もおすすめです。

先ほども紹介したワット・コンサルティングの「Construction Boarding」は、スマートフォンやタブレットで学べる短時間のコンテンツが充実しています。

移動中や休憩時間といった隙間時間を有効に活用して学習できます。計画的な資料運用と学習ツールの組み合わせで、時間制約の中でも効果的な研修を実現してみてください。

ペーパーレス化

効率的に学習するためにも、研修資料のペーパーレス化がおすすめです。印刷コストの削減や資料配布の手間軽減はもちろん、情報の更新や共有が容易になります。

ペーパーレス化を進める具体的な方法は以下のとおりです。

ペーパーレス化の具体的な方法例

  • 研修資料をPDF化しクラウドで共有
  • 研修時にタブレット端末を貸与
  • eラーニングシステムを導入
  • デジタル形式のマニュアルを作成・配信
  • オンラインでテストやアンケートを実施

すべての資料を一度にペーパーレス化するのが難しい場合は、一部の資料から段階的に進めていくのも良いでしょう。

受講後アンケートで改善

研修を受けた新入社員の意見を反映させて、研修資料の質を継続的に高めることも必要です。受講後にアンケートを実施し、資料のわかりやすさや改善点についてフィードバックをもらいましょう。

アンケート項目の例

  • 資料全体のわかりやすさ(5段階評価など)
  • 各章・項目の情報量は適切だったか
  • もっと詳しく知りたかった内容は何か
  • 理解しにくかった専門用語や表現
  • 研修資料のデザインやレイアウトの見やすさ

この改善サイクルを回すことで、研修資料は価値の高いものへ進化していきます。

テスト結果を可視化

研修で実施するテストの結果を可視化し、分析することで、資料のどの部分に改善の余地があるかを探りましょう。さらに資料がわかりやすくなるきっかけになります。

テスト結果を可視化し分析する際のポイントと、具体的なアクションの例は以下のとおりです。

可視化・分析のポイント具体的なアクション・改善点の探り方
問題別正答率・低正答率問題の特定
・設問、資料の見直し
低理解度項目資料の解説方法、情報量の再検討
全体傾向の経年比較平均点、点数分布比較での効果把握
グループ別傾向分析・特定層の弱点把握
・補足資料、個別フォロー検討

例えば、特定の専門用語に関する問題の正答率が低い場合、資料での解説が不十分である可能性が考えられます。データに基づいた客観的な分析を通じて、研修資料の改善点を具体的に把握し、改訂していきましょう。

建設業の新入社員研修の実践モデル

新入社員を効果的に育成するためには、段階を踏んだ研修モデルが求められます。ここからは、一般的な建設業の新入社員研修の実践モデルを紹介します。

建設業の新入社員研修の実践モデル

  • 導入期:座学+動画で基礎知識をインプット
  • 実地期:現場同行でスキル定着
  • 定着期:振り返りテスト+フォロー面談で成果測定

このモデルはあくまで一例です。自社の状況に合わせて内容を調整し、研修プログラムを構築していきましょう。各段階について詳しく解説していきます。

導入期:座学+動画で基礎知識をインプット

新入社員研修の導入期では、社会人としての基礎や建設業界特有の知識を座学や動画教材を中心にインプットしてもらいます。この時期は、今後の業務に必要な土台を築く期間です。

具体例は以下のとおりです。

研修内容のカテゴリ具体的な学習項目例
社会人基礎力・ビジネスマナー(挨拶、言葉遣い、名刺交換等)
・会社の就業規則
・コンプライアンス
業界・企業理解・建設産業の役割と魅力
・自社の歴史、事業内容
・組織体制と各部門の役割
安全衛生・労働安全衛生法の基本
・労働災害の事例と防止策
・保護具の正しい使い方
専門基礎知識・主要な建設専門用語の解説
・図面の基本的な読み方
・測量の基礎
その他・社内で使用するITツールやシステムの基本操作
・情報セキュリティ意識

導入期に基礎知識を身につけてもらうことで、次の実地研修へとスムーズに移行できるようになります。

動画学習におすすめのeラーニング

導入期の動画学習を効果的に進めるのも、Construction Boardingがおすすめです。

実際の建設現場で撮影された映像を使用しており、文字や図解だけでは伝えにくい作業手順や安全対策を直感的に理解できます。

3分程度の短時間動画で構成されているため、集中力を維持しながら学習を進められます。

ポイント

スマートフォンからの視聴にも対応しており、移動中や休憩時間などの隙間時間を有効活用できるでしょう。

繰り返し再生機能により、理解が難しい部分は何度でも確認できます。

無料から始められるので、試しながら検討してみてください。

実地期:現場同行でスキル定着

導入期でインプットした基礎知識を、実際の現場で体験し、使えるスキルとして定着させるのが実地期です。この段階では、OJT(On-the-Job Training)が中心となり、先輩社員の指導のもとで業務を覚えていきます。

活動カテゴリ具体的なOJT活動例
現場見学・業務補助・先輩社員に同行し、工事の進捗状況や一日の流れを把握
・簡単な作業の手伝い
基本作業の体験・指導を受けながら、測量機器の操作補助、資材の数量確認や整理
・安全設備の点検など
書類作成サポート・現場日報や安全書類の作成補助
・施工写真の整理
・簡単な図面の修正作業
コミュニケーション実践・朝礼やKY活動(危険予知活動)への参加と発言
・協力会社の職人さんとの挨拶や簡単な会話
安全衛生活動への参加・定期的な安全パトロールへの同行
・現場内のヒヤリハット事例の収集と報告

実際に目で見て、手を動かし、現場の空気を感じることで、座学だけでは得られない実践的な感覚や対応力が養われます。

定着期:振り返りテスト+フォロー面談で成果測定

導入期・実地期を経て学んだ知識やスキルが定着したかを確認し、個々の課題を明確にしてさらなる成長を促すのが定着期です。この段階では、定期的な成果測定とフォローアップが求められます。

取り組みカテゴリ具体的な内容・方法例
理解度の確認・定期的な知識確認テスト(安全衛生、専門用語等)
・簡単な実技チェック
・レポート提出
個別フォローアップ・上司や教育担当者との定期的な面談(月1回など)
・進捗状況の確認
・悩みや課題のヒアリング
課題解決のサポート・理解が不十分な点に関する補習や追加指導
・メンター制度による精神的なサポートの提供
次のステップへの準備・OJT計画の進捗に合わせた見直し
・次の具体的な業務目標の設定
・資格取得への動機付け
成功体験の共有・小さな業務改善や目標達成事例の発表会
・先輩社員からのアドバイスや激励の言葉

定着期の振り返りとフォローを通じて、新入社員の習熟度に合わせてサポートします。きめ細やかな対応が、早期戦力化はもちろん、会社への定着率向上にもつながります。

質の高い新入社員研修は、社員の育成だけでなく、企業の採用活動を強化する上でも有効な手段です。研修制度を活かして採用力を高めるための具体的な方法を紹介します。

建設業者が新入社員研修を活かして採用を強化する方法

  • 採用サイトやSNSで「教育の充実」を訴求する
  • 研修修了バッジや社内認定制度で見える化して応募率UP
  • 研修投資のROIを示すデータを提示して経営層に投資してもらう

自社の魅力を効果的に伝え、優秀な人材の獲得につなげていきましょう。それぞれの方法について、詳しく見ていきます。

採用サイトやSNSで「教育の充実」を訴求する

自社の採用サイトやSNSは、求職者に対して「教育が充実している企業」というイメージを直接伝えられます。入社後の成長を期待する求職者にとって、教育制度の充実は企業選びの判断材料です。

採用サイトやSNSでの訴求ポイント例

  • 新入社員研修の年間スケジュールやカリキュラム概要
  • 実際の研修風景を撮影した写真やショート動画の公開
  • 研修を終えた先輩社員の体験談や成長エピソード
  • 研修担当者や経営層からの教育にかける想い
  • 資格取得支援制度やスキルアップ研修の紹介

例えば、研修中の新入社員の真剣な眼差しや、和気あいあいとしたグループワークの様子を定期的に発信してみてください。

ハッシュタグを活用して「#建設業研修」「#新人教育」などで検索した求職者の目に触れる機会を増やすのも効果的です。オンライン会社説明会で研修内容を説明することも、教育熱心な企業の姿勢をアピールしましょう。

研修修了バッジや社内認定制度で見える化して応募率UP

研修修了バッジや社内認定制度は、社外に対しても「人を育てる文化がある企業」というメッセージを発信する効果があります。具体的な「見える化」のアイデアは以下のとおりです。

見える化の手法具体例
研修修了バッジ・基礎研修、安全衛生教育など段階的なバッジ授与
・デジタルバッジ化とSNS共有
社内認定制度・「○○施工技術者(初級)」等の独自名称設定
・名刺への記載、社内イントラでの表彰
スキルマップ活用・習得スキルの一覧化
・成長の軌跡を可視化

これらの制度を採用サイトなどで公開することで「入社後に身につくスキルや成」を具体的にイメージさせます。明確な成長ステップの提示は、意欲の高い求職者の応募を促すことにつながるでしょう。

研修投資のROIを示すデータを提示して経営層に投資してもらう

魅力的な新入社員研修制度を構築・維持し、それを採用力強化につなげるためには、経営層の理解と継続的な投資が不可欠です。そのためには、研修への投資が「採用面でどう効果を生むのか」をROI(Return on Investment:投資対効果)という客観的な指標で示し、必要性を説明しましょう。

ROIの計算式

ROI(%)=(研修による効果額ー研修投資額)÷研修投資額×100

例えば、研修投資額が300万円で、それによる採用コスト削減や応募者増による効果額が500万円だった場合の計算は、以下のとおりです。

ROIの計算例

(研修による効果額500万円ー研修投資額300万円)÷研修投資額300万円×100=ROI約66.7%

研修投資額と、それによって得られる「採用面での効果額」を算出するために考慮する指標の例を以下に示します。

ROI算出の要素採用強化につながる効果・考慮する指標の例
投資研修プログラム開発費講師謝金教材費会場費受講者の人件費採用サイト等での研修内容PR費用など
効果・教育制度の魅力向上による応募者数増加
・入社後のミスマッチ減少による早期離職率低下
・採用、再教育コストの削減額など

経営層へ具体的な数値を用いて採用面でのメリットを説明する際の提示例は、以下の表のとおりです。

施策(投資内容)得られた採用面の効果(具体例)
研修プログラムの魅力向上と採用広報強化に年間500万円を投資した結果応募者数が前年比で20%増加
採用単価を一人あたり10万円抑制
入社後1年以内の離職率が15%から10%に改善(5ポイント改善)
結果として再採用コストを年間約300万円削減(見込み)

研修投資が採用競争力の向上や採用コストの最適化につながるかをデータで示すことは、経営層の理解を得て、継続的な投資を促す上で有効です。

最後に、建設業の新入社員研修の資料でよくある質問に答えていきます。

資料が多すぎて受講者が消化できない場合の対処法は?

まず情報の優先順位を見直しましょう。一度にすべての情報を詰め込むのではなく、段階的に提供すると効果的です。

情報を「必ず覚えるべき必須知識」と「補足的な参考情報」に分類し、優先順位を明確にすると良いでしょう。

また、研修を複数回に分けて実施し、各回の間に復習期間を設けるのも有効です。

受講者の負担を考慮し、無理なく知識が定着するような資料構成と提供方法を検討しましょう。

ベテランが研修に協力してくれない場合の巻き込み方は?

ベテラン社員が研修に協力的でない場合、その知識や経験が新入社員にとって有益であることを伝え、協力するメリットを感じてもらうアプローチが有効です。

以下のような方法を試してみてください。

ベテラン社員を研修に巻き込む方法例

  • 研修の目的とベテランの経験の価値を説明する
  • 講師役やOJT指導役として正式に依頼する
  • 過去の成功談や失敗談の共有を依頼する
  • 若手からの質問に答える時間への参加を促す
  • 協力への感謝を伝え、表彰制度などを設ける

例えば「若手がつまずきやすいポイントについて、先輩の経験からアドバイスをいただきたい」と具体的な協力を依頼すると良いでしょう。

現場が忙しく座学時間が取れないときの対処法は?

時間や場所を選ばずに学べるeラーニングの活用がおすすめです。eラーニングは、スマートフォンやタブレットからもアクセスできるものが多く、移動中や休憩時間などのスキマ時間に学習できます。

おすすめのeラーニング

ワット・コンサルティングの「Construction Boarding」は、3分程度の短時間で学べるコンテンツで、忙しい現場でも無理なく学習できます。

eラーニング柔軟な学習スタイルを導入することで、時間的な制約の中でも研修が可能になります。

若手が安全意識を持続できない場合は?

一過性の教育で終わらせず、継続的に安全意識を刺激する働きかけが必要です。座学だけでなく、体験を通じて危険を実感できるような研修が良いでしょう。

若手社員にも定期的な安全パトロールへ積極的に参加してもらい、危険箇所を自分の目で確認してもらいます。

最近では、VR技術などを活用してリアルな危険を疑似体験できる研修も導入されており、座学だけでは得られない危機感を醸成します。

施工管理の新人研修の内容は?

施工管理の新人研修では、現場を円滑に進めるための多岐にわたる知識とスキルをバランス良く教える必要があります。座学での基礎知識の習得と、OJTによる実践経験の組み合わせが基本となるでしょう。

施工管理の新人研修で学ぶ主な内容例

  • 建設業法、労働安全衛生法など関連法規の理解
  • 施工計画の基本的な考え方、測量、図面の見方
  • 品質管理(検査基準、材料管理、写真管理など)
  • 工程管理(作業の段取り、進捗管理、手配業務)
  • 原価管理(実行予算の理解、コスト意識の醸成)
  • 安全管理(危険予知活動、安全書類作成、安全巡視)
  • 関係者とのコミュニケーション(協力会社、施主など)

詳しくは、施工管理の新人教育は何する?研修内容や効果的な育成方法を解説を参考にしてみてください。

安全教育のネタはどうやって見つける?

安全教育のネタを見つける具体的な方法は、以下のとおりです。

情報収集先の種類具体的な探し方・ネタの例
公的機関のウェブサイト・厚生労働省「職場のあんぜんサイト
国土交通省の事故事例データベース
・建設業労働災害防止協会の教材・資料
業界団体・関連団体・建設業振興基金や各種専門工事業団体発行のテキスト
・講習会資料
・安全衛生推進大会での発表事例
・機関誌
社内(自社・他社事例)・過去のヒヤリハット報告書
・労働災害事例の記録
・ベテラン社員からの体験談
・安全パトロールでの指摘事項と改善事例
メーカー・専門業者・建設資材、工具メーカー提供の安全な使用方法に関する動画や資料
・足場など仮設機材メーカーの安全講習資料
メディア・専門情報・建設専門誌の事故事例記事
・業界ニュースサイトの安全関連トピックス
・YouTube等の安全啓発動画
・安全教育関連書籍

これらの情報源を定期的にチェックし、自社の状況に合わせてアレンジすることで、マンネリ化を防ぎ、常に新しい視点での安全教育を展開できるでしょう。

参考記事:建設業の安全教育ネタ47選|マンネリを解消する事例完全ガイド

建設業の新入社員研修を成功させるには、質の高い資料を集めることが不可欠です。

最後にもう一度、新入研修資料の入手ルートをまとめておきます。

建設業の新入社員研修資料の入手ルート

  • 厚生労働省・国土交通省のPDF・パワーポイント・エクセルをダウンロード
  • eラーニング
  • 建設業振興基金など業界団体テキスト
  • ベテラン社員へのヒアリング
  • 元請け・協力会社からの共有資料
  • メーカー提供の施工手順動画
  • 専門誌・学会論文の図表引用

新入社員研修を実施する際には「Construction Boarding」のようなeラーニングツールがおすすめです。

スマートフォンやタブレットからアクセスでき、1本3分程度の短編動画で効率的に学習できるため、新入社員の早期戦力化に役立つでしょう。

無料で2週間のトライアルができ、人材開発支援助成金の対象となるため、導入コストを抑えながら質の高い研修を実施できます。

まずは無料トライアルで実際の使い勝手を確かめてみてください。

貴社の人材育成の参考になれば幸いです。

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