施工管理職は激務でブラックというイメージがある人も多いでしょう。
ですが、事実ホワイトな環境で働いている施工管理の人もいるのです。
ホワイトな職場環境で働くにはどうすればいいのかをまとめてみました。
ホワイトな環境で働きたいあなたの参考になればうれしいです。
目次
建設業界の休みは少ない・労働時間が長い?
「建設業界は休みが少ない」「建設業界は労働時間が長い」と言われています。
国土交通省が発表している「建設業における働き方改革」では、2016年度の建設業・製造業・産業計の年間実労働時間と年間出勤日数が発表されています。
2016年度データ | 年間実労働時間 | 年間出勤日数 |
建設業 | 2056時間 | 251日 |
製造業 | 1951時間 | 234日 |
調査産業計 | 1720時間 | 222日 |
製造業や産業計と比較すると、建設業界は労働時間と年間出勤日数が多いことがわかります。
また、同じく国土交通省の調査による「建設業界で4週間で何日休みがあるか」を見てみましょう。
4週8休 | 4週4休 | |
建設工事全体 | 5.7% | 52.8% |
建築工事 | 2.8% | 59.8% |
土木工事 | 5.6% | 49% |
建設業界では約半数が4週4休(週休1日)であり、確かに休日が少ない業界といえます。
施工管理は忙しい仕事
施工管理の仕事内容は、
- 工程管理:工事のスケジュール確認と、進捗の管理
- 安全管理:作業員や職人さんが安全に働ける環境づくり
- 原価管理:工事が予算範囲内で進んでいるか、会社に利益を出せるかの管理
- 品質管理:施主が望む品質を達成できるか、部材の品質が合っているかなどの管理
などがあります。
昼間は現場の管理をして、作業員さんや職人さんが帰った後に事務所で事務作業をするという施工管理職が多いです。
施工管理の仕事内容の詳細は、施工管理(現場監督)の13の仕事内容【あなたに向いてるかも診断】にまとめています。
どんなに完璧な工事スケジュールを組んでも、天候やトラブルなどでスケジュールはズレるものです。
工事スケジュールがタイトになってくれば工事を急がなければいけませんが、スケジュールをタイトに組みすぎると、
- 手抜き工事による施工ミス
- 現場作業員の事故
につながるリスクがあります。
施工ミスや事故が起きると責任問題に発展するため、絶対に避けなければいけません。
施工ミスは建設会社が潰れるリスクもあります。
工事スケジュールをタイトにしすぎて作業員さんや職人さんが手抜き工事を絶対にやらないようにスケジュールを組まなければいけません。
施工管理の仕事は忙しくなることが多いです。
ちなみに、施工管理の労働時間については、施工管理は残業がつきもの【でも今後は働き方改革で減る予定】にまとめています。
施工管理の残業や労働時間についてと、今後の働き方改革で労働時間がどうなるか解説しています。
建設業では働き方改革が進んでいる
前述のとおり、国土交通省では建設業の働き方改革を進めています。
- 休日を増やす
- 労働時間を減らす
という動きを国が主導で進めています。
休日が少なくて労働時間が長いと、若い人材が建設業界に入ってこなくなってしまいます。
建設業は日本においてとても大きな産業であるため、人材不足は致命的なのです。
若者が「建設業で働きたい!」と思えるような体制づくりを、国が主導で本気でしていこうということです。
平成29年3月28日に決まった国土交通省の「働き方改革実行計画」によると、労働時間に上限を設け、違反した場合は建設会社に罰則を設けるようです。
※罰則は公共工事を請けにくくなるなど。
ご存知の通り、建設業には36協定がありませんが、今後は労働基準法改正で労働時間の上限が設けられます。
原則、月の残業時間の上限は45時間、年間360時間とします。
さらに、原則を上回る残業をする場合でも年間720時間(月平均60時間)を上限とします。
年間720時間の上限を一時的に上回る場合であっても、
- 2~6ヶ月の平均でいずれも80時間以内に抑えなければならない
- 単月で残業を100時間未満にすること
- 原則である月45時間残業を上回る月は年6回まで
という上限が設けられます。
※ただし、①と②は災害復旧時には適用されません。
上記の新制度施行後5年間は現行制度のままですが、5年以降は新制度に切り替わります。
建設業界の働き方改革をするには「発注者の理解」も重要ですよね。
発注者の理解を深めるために、国も協力していく流れです。
また、建設業界のICT化(IT化)を進めていくことで、今まで人が行っていた作業を機械やコンピュータに行わせることで労働時間の短縮化も図ります。
建設業界のICT化やi-Constructionが進んでいます。
詳しくは、下記の記事も参考にどうぞ。
労働時間の短縮や週休2日制を建設業でも当たり前にするための制度改革といえるでしょう。
また、一般社団法人日本建設業連合会では大手ゼネコンが主体となって「週休二日推進本部」が設置されました。
大手ゼネコンが週休2日制を導入していけば、中小建設会社にも普及していくことでしょう。
建設業界をホワイト化する具体的な動きが次々と始まっています。
ちなみに、建設業界の働き方改革については、施工管理が人手不足の3つの理由【ホワイト企業は離職率が高くない】に詳しくまとめています。
日当で働く人は週休2日制になったら給料が減る?
国が建設業界を週休2日にしようと動くことに素直に喜べない人たちもいます。
中小の建設会社で日当で働いている人たちです。
週休1日(4週1休)が週休2日(4週2休)なってしまったら、給料が減ってしまいます。
単純計算ですが1ヶ月を30日として、稼働日が26日→22日に減ります。
月の給料が約15%減ってしまう計算です。
月15%減ですから、
- 月給40万円→34万円
- 月給30万円→26万円
- 月給20万円→17万円
に給料が減少する計算です。
建設業界には「休みはいらない、お金を稼ぎたい」という人も多いため、週休2日の導入は複雑な人もいるのも事実です。
ですが、建設業界が週休2日になっても、稼げる方法があります。(後述します)
施工管理職がホワイトな環境で働く方法
施工管理職でもホワイトな環境で働いている人はいます。
「ホワイト施工管理」になるポイントをご紹介します。
地方で働く
首都圏の現場はどうしても忙しくなりがちです。
地方の現場の中には首都圏よりも忙しくない現場もあります。
「地方で働きたい」「地方の実家に戻りたい」という人は検討してみても良いかもしれませんね。
規模の小さい現場で働く
すべてとは言いませんが、規模の小さい現場の中にはそこまで忙しくないところもあります。
工期にも余裕をもって取り組める現場もあるため、労働時間の短縮化や休日の確保には有効でしょう。
メチャクチャ頑張って仕事をできる人材になってから会社に交渉
若い人はすぐにはできない方法ですが、まずは会社に必要不可欠な人材になることを目指してメチャクチャ仕事をします。
メチャクチャ仕事をすることで早く仕事を覚えたり、施工管理技士など会社が喜ぶ資格を取得するなど頑張ります。
会社にとって必要不可欠な人材になってから、会社に就労条件の交渉を行います。
ちょっと荒っぽいやり方ですが、ようは「私の条件をのんでくれないなら転職します!」ということです。
会社側としても優秀な人材を手放したくないですから、交渉に応じてくれる可能性もあります。※会社によりますが。
ただし、あくまでも「仕事ができるようになってから」「会社に必要不可欠な人材になってから」というのが条件です。
1年目や2年目で「休みを増やしたい」「残業を減らしてほしい」というのはマナー違反ですのでやめましょう。
派遣で働く
施工管理の働き方は1つの会社に所属して働くだけではありません。
施工管理の派遣会社に所属して、様々な建設会社の仕事をする働き方もあります。
派遣会社といってもアルバイトの派遣ではなく、派遣会社の正社員として雇用されます。
正社員ですので、社会保険や年金もしっかりしています。
派遣会社の正社員の施工管理として働くメリットは、
- 自分の希望の働き方に近い現場を紹介してくれる
- 残業代がしっかり支給されるためサービス残業がない
の2点です。
①「自分の希望の働き方に近い現場を紹介してくれる」があるので、
- 休みがしっかりしている現場で働きたい
- 残業が少なめの現場で働きたい
- 転勤がない現場で働きたい
など、あなたの希望にできるだけ近い現場で働くことができます。
※もちろん、自分の希望に100%合う現場はなかなかありませんが、希望に近い現場で働ける可能性があります。
「激務の現場は嫌だ」という人は派遣会社の正社員で働くことがおすすめです。
また、②「残業代がしっかり支給されるためサービス残業がない」ですが、派遣先建設会社と派遣会社の契約で仕事をするためサービス残業はありません。
1つの建設会社の正社員として働くと、会社によってはどうしてもサービス残業が発生してしまうことがありますが、派遣である以上は残業代は100%支給されます。
ですので、前述の「日当で働いている人が週休2日制になったら給料が減る」という問題については、派遣で働くことで解消されるケースが考えられます。
中小の建設会社でサービス残業で働いているという人は、派遣で働くことで残業代が100%支給になるため、週休2日でも稼げるケースがあります。
残業代は1時間当たり1.25倍になることが労働基準法で定められています。
また、月60時間を超えると1.5倍になります。
つまり、派遣で働くことで残業代でけっこう稼げる現場があるということです。
「派遣」というとどうしても「アルバイト」というイメージを持ってしまうかもしれませんが、前述のとおり正社員ですし、しっかり稼げます。
事実、派遣の施工管理職でも年収1000万円以上稼ぐ人もいます。
派遣という働き方をすることで、激務ではない現場で働いたり、サービス残業がなくなったりと、ホワイトな環境で仕事をすることができます。
もちろん「週休1日でもいいから稼げる現場で働きたい」という場合は、週休1日の現場でも働けます。
週休1日で残業代もしっかり支給されれば、年収は高くなります。
派遣という働き方はこれからもっと一般的になっていくでしょう。
ちなみに、施工管理の派遣については、施工管理の派遣で働くメリットは?にも詳しくまとめています。
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まとめ【施工管理でもブラックじゃない職場環境はある】
結論、施工管理でもホワイトな環境で働くことはできます。
現在、激務でブラックな環境で働いている人は、働き方を変えることを検討しても良いでしょう。
最後に一言、体はこわさないでくださいね。
どんな仕事でも体が資本です。
体をこわしてしまうと負の連鎖が始まってしまいます。
「元気に働く」ということがもっとも大切なことです。
施工管理職は元気に働ければキャリアアップが望めて、大きく稼げる仕事です。
そして、50代でも60代でも必要とされる素晴らしい仕事です。
ブラックじゃない施工管理で働きたい人は、さっそく転職活動を始めてみましょう。
正直、良い求人ほど他の人にどんどんとられていくので、早く行動しないと良い求人が減ります。
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また、お伝えしてきたとおり、施工管理の働く環境がホワイトになるかブラックになるかは、会社選びでほとんど決まります。
会社選びを間違えると、ブラックな環境になるので危険。
すべて会社選びにかかっています。
あなたに合う会社を選ぶコツを、施工管理(現場監督)の転職先の会社選びのコツ【転職活動方法も解説】にまとめています。
あなたの転職の参考になればうれしいです!