施工管理の派遣で働くメリットや評判、給料などをご紹介します。
- 「派遣は不安定なんじゃないの?」
- 「派遣は給料が低いんじゃないの?」
- 「正社員の方が将来も安心なんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
施工管理職は人材不足のため、派遣でも安定して仕事があります。
給料も正社員並みにもらえる仕事もあります。
派遣会社に給料・勤務地・業務内容などを伝えれば、あなたの希望に近い派遣先を紹介してくれる可能性もあります。
また、派遣先で気に入られるとゼネコンなど大手建設会社に正社員で転職できることもあります。
派遣ですからサービス残業や過度な長時間労働はありません。
この記事では、
- 施工管理の派遣で働くメリット
- 派遣会社を選ぶ際の注意点
などをご紹介します。
あなたの働き方の参考になればうれしいです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
施工管理の派遣は不安定でもないし給料も低くない
「派遣」というと不安定で給料が低いイメージがありますが、それは施工管理のような技術職の派遣ではなく、事務職や販売職などの一般派遣のことです。
2008年のリーマンショックのころに「派遣切り」という言葉がメディアで使われたり、2007年にはテレビドラマ「ハケンの品格」などが放送されていましたね。
「派遣」という働き方にネガティブなイメージを持つ人も多いと思いますが、施工管理職の派遣は安定しており給料も高いです。
施工管理の派遣職には月給50万円以上の仕事もあり、決して給料が低いわけではありません。
※もちろん、本人のスキルや保有資格によりますが。
なぜ施工管理は派遣でも給料が高いのか?
派遣でも施工管理職の給料は高くなる理由は「人材不足」です。
平成28年に国土交通省が発表した「建設産業の現状と課題」によると、建設業界の就業者数は平成9年をピークに減少し続けています。
また、建設業界の就業者の高齢化も進んでおり、約330万人の就業者のうち78万人(約24%)が60歳以上のため、あと10年もすれば78万人もの就業者が引退してしまいます。
一方、10代~20代の若手の就業者数は約36万人(約11%)しかいません。
現在も人材不足ですが、10年後以降はさらなる人材不足問題が発生するでしょう。
特に、施工管理職は貴重な存在であり人材不足が深刻です。
「貴重な存在」ということは希少価値が高いということですので、労働単価は当然上昇していきます。
そのため、施工管理は派遣でも給料が高いのです。
派遣の施工管理は将来性もある
将来、建設人材が減少していくということは1人当たりの労働単価は上がっていくということです。
上記の「10年後以降は高齢の技術者がたくさん引退する」ということを踏まえると「派遣の施工管理の仕事がなくなる」というのは考えにくいですよね。
ですので、「派遣だと将来仕事がなくなるんじゃないか?」と心配しなくても大丈夫です。
事実、60代で施工管理の派遣で働く人もたくさんいます。
国土交通省では「2025年には建設人材が47万人~93万人不足する」と発表しています。
施工管理職は今後さらに「貴重な存在」になるため、将来的にも仕事が安定しているでしょう。
「2020年の東京オリンピックが終わったら仕事が減るのでは?」と考える人もいますが、
- 2027年開業予定のリニア新幹線の関連工事
- 非住宅の老朽化のための改修工事
- インフラの老朽化対策の公共工事
- オフィスビルやマンション、住宅の耐震工事
- 集合住宅やビルの大規模修繕工事
など、東京オリンピック後も仕事は豊富です。
派遣であっても施工管理の需要は今後も続くでしょう。
働きぶりが良ければ「〇〇さん、また来てほしいんだけど…」と、派遣先企業から指名がかかることもあります。
派遣は、まじめに働けば将来性がある雇用体系です。
万が一、今後建設人材が増えすぎて人材が不要になったとしても、クビになるかもしれないリスクは派遣も一社専属の正社員も一緒です。
派遣であろうが、一社専属の正社員であろうが、業務スキルの高い人は生き残れます。
派遣の施工管理で働くメリット
派遣の施工管理職で働くメリットをご紹介します。
あなたにとって利点になる部分があれば、派遣という働き方を検討してみても良いかもしれませんね。
派遣といっても正社員
「派遣」というとどうしても「アルバイト」「契約社員」のようなイメージがありますが、あくまでも派遣元会社の正社員として雇用されます。
アルバイターやフリーターなどとは全く違い、きちんとした正社員として働くことができます。
正社員ですので社会保険にも加入できますし、会社の福利厚生も利用できます。
「正社員としての籍を派遣元会社に置き、働くのは派遣先の現場」という意味です。
ハローワークや求人誌・求人サイトにない求人もある
転職活動をするときの基本は、
- ハローワークに行く
- 求人誌・求人サイトで仕事を探す
です。
多くの情報を見ることができるため、大変有効な転職活動方法です。
ハローワーク・求人誌・求人サイトに載っている求人には特徴があります。
- ハローワークと求人誌は地元の中小の建設会社が多い
- 求人サイトには公開求人だけが掲載されている
です。
特徴を知った上で利用すると転職活動に大変有効です。
一方、派遣のメリットは、
- 大手企業の仕事もある
- 非公開求人もある
です。
派遣だと大手ゼネコンの仕事に派遣されることもあります。
「大手ゼネコンの仕事をやってみたい」という人は、大手ゼネコンに入社しなくても派遣されて業務を行うことができます。
「非公開求人」とは、簡単にいうと「掘り出し物求人」のようなものです。
人材を欲している企業側が「うちの会社にピッタリな人が1人だけほしい」「採用情報を他社に公開したくない」などの理由から非公開求人を出しています。
派遣会社には非公開求人の情報もあり、条件がマッチすれば非公開求人を紹介してくれることもあります。
サービス残業やサービス休日出勤はない
派遣である以上、派遣元と派遣先企業がきちんと契約を交わしているため、サービス残業やサービス休日出勤はありません。
派遣先が派遣社員にサービス残業やサービス休日出勤をさせたら契約違反になってしまいます。
一社専属の正社員さんだと、どうしてもサービス残業やサービス休日出勤を容認しなければいけないことがあるでしょう。
ですが、派遣社員は派遣先の社員ではなく「派遣元企業から派遣されてきた人」ですから残業代や休日出勤のお給料は必ずもらえます。
労働時間も36協定できちんと決められているため、過度な長時間労働はありません。
※過度な長時間労働をさせた場合、派遣元企業が派遣を取りやめることがあります。
そのため、派遣で働く以上ブラックな現場はないのです。
派遣は意外にも「きちんと守られた存在」ともいえますね。
自分が働いた分のお給料はすべてきちんともらえて、労働時間の上限があるのも派遣のメリットです。
会社のしがらみからの解放
一社専属の建設会社の正社員である以上、業務以外にもやらなければいけないことがあります。
- 社内の人間関係
- 定例飲み会への参加
- 組合活動
- 先輩との上下関係・つきあい
など、業務以外のこともありますよね。
派遣のメリットは、そうした正社員独特の業務以外にやらなければいけないことから解放されることです。
派遣先にもよりますが、派遣社員に優しい会社も多いです。
変に会社のつきあいに派遣社員を巻き込んで、派遣社員に嫌われても困るからです。
純粋に施工管理の仕事に集中したい人には良い働き方です。
仕事を選べる
派遣会社に正社員で入社すると、希望の仕事の条件を聞かれます。
- 「転勤はできるだけない方がいい」
- 「休日出勤は少ない方がいい」
- 「過度な残業は避けたい」
- 「残業は多くてもいいから稼ぎたい」
など、自分の希望条件を派遣元に伝えることで、可能な限り自分の希望に近い派遣先を紹介してくれます。
※もちろん限度はありますが。
自分の希望の働き方に近づけられるのは大きなメリットですね。
「前職までは建設会社の施工管理だったが、激務で疲れてしまったので、派遣で無理なく働きたい」という理由で派遣会社に転職する人も多いです。
ただし、あまり条件を出しすぎると紹介してくれる派遣先の候補が減ってしまうので、ある程度の譲歩も必要です。
人脈が広がる
派遣で働くと現場が定期的に変わり、様々な建設会社や業者の人と関わることになります。
良好なコミュニケーションをとれば、一社専属の建設会社で働く人に比べて人脈ができやすいメリットがあります。
良い人脈を構築しておけば、先々困ったときに力を貸してくれることもあります。
また、意気投合した会社があれば転職のチャンスも広がります。
ゼネコンに転職する人もいる
派遣先での働きぶりが良いと「うちにこない?」と声がかかることもあります。
まじめに働いているとスカウトされることもあるのです。
実際に、派遣先のゼネコンから声がかかってゼネコンに転職した人もいます。
スカウトする側の企業も今まで派遣として働いてもらっていたため、あなたがどんな仕事をする人か知っている安心感があります。
また、派遣社員側もその会社の現場をすでに体験しているわけですから、転職するイメージがわきやすいですよね。
派遣という働き方を選ぶ人の中には「自分に合う会社を探したい」という人もいます。
特定の建設会社に正社員として就職すると、その会社の業務しかできません。
派遣であれば様々な建設会社の仕事に触れることができ、その中から自分に合う建設会社を見つけて転職していく人もいます。
ちょっと軽い言い方かもしれませんが「おためしで色々な会社の仕事ができる」というのは派遣の大きなメリットです。
自分の知らなかった強みを発見できる
派遣で働くと様々な現場を体験できます。
今まで知らなかった自分の強みを発見することがあります。
それが人生の転機になる人もいるくらいです。
派遣元の会社も自分のスキルや資格を客観的に見てくれて「こんな現場があるんだけど、やってみない?」と勧めてくれます。
短期間で多くの経験ができるのも派遣のメリットです。
建設会社に転職を繰り返しながら様々な業務を経験するのは無理があります。
転職回数も増えて転職に不利になってしまいます。
派遣であれば転職回数を増やさずに経験値だけ上げることができます。
派遣先企業にもメリットがある
派遣は派遣社員だけにメリットがあるのではなく、派遣先企業にもメリットがあります。
- 必要なときだけ人材を補てんできる(正社員で自社雇用しなくていい)
- 社会保険料は派遣元企業が払うため人材経費の削減になる
- 派遣料金には消費税が含まれているため消費税を削減できる
というメリットがあります。
派遣先企業にもメリットがあるため、派遣社員は歓迎される立場なのです。
40代・50代・60代も活躍できる
施工管理のスキルがあれば40代・50代・60代でも派遣で活躍できます。
前述のとおり、施工管理の人材不足もありますし、経験値の高い施工管理を求めている建設会社が多いのです。
ですから、ベテランさんでも派遣で活躍できるのです。
- 定年退職したけどまだ働きたい
- 一社専属の正社員に疲れてしまった。もっと自由に働きたい
- 体力的にもう少し軽めの仕事をしたい
- まだ知らない業務を体験してみたい
- あまり転勤しない働き方をしたい
など、40代・50代・60代の人の派遣のニーズはあります。
前述のとおり、時代は変化しています。
40代以降のベテランさんが活躍できる働き方が進化しているのです。
フリーランスの施工管理のような働き方
派遣という働き方は自分のスキルを活かして稼ぐ「フリーランス」のような生き方とも言えます。
「特定の企業に属さずに、自分の腕を活かして、現場を転々として仕事をしていく働き方っていいなぁ…」と思う人は派遣が向いているかもしれません(^^)
今は働き方が多様化している時代です。
「派遣」にネガティブなイメージを持つ時代はすでに終わり、新しい「働き方改革」として派遣が注目されているのです。
大切なのは派遣会社選び
派遣で働くときにもっとも大切なのは派遣会社選びです。
派遣会社によって、
- 派遣先の数
- 給料
- 研修制度
- 福利厚生
などが違います。
「派遣会社どこも一緒」ではないのです。
自分に合う派遣会社を選ぶことが大切です。
まだ施工管理として経験が浅く自信がない場合は、研修制度がしっかりしている派遣会社を選びましょう。
派遣される前にしっかりと業務知識をつけることができます。
派遣先の選択肢を重視したい場合は、派遣先の数が多い派遣会社を選びましょう。
施工管理の未経験者は研修重視
施工管理の未経験者は派遣から始めることをおすすめします。
上記のように、派遣は様々な仕事の選択肢があるため、自分に合う現場を紹介してもらってスタートする方が転職失敗のリスクが低いからです。
施工管理の未経験者は研修を重視している派遣会社を選びましょう。
なんせ未経験ですから、きちんと勉強しておかないと現場で困ってしまいます。
研修を受けても、現実的には最初は現場の所長さんについて仕事を覚えることになります。
ですが、基礎が身についていないと所長さんが言っていることすら理解できません。
未経験者は研修がしっかりしている派遣会社を選びましょう。
派遣でも資格があれば有利?
施工管理技士などの資格があれば派遣でも有利です。
事実、資格がなければできない現場もあります。
ただし、現場では資格よりもスキルが重視されます。
資格だけ持っていて仕事があまりできないとなかなか続かないでしょう。
やはり基本は「スキルを高めること」です。
※派遣でも一社専属の正社員でも同じことです。
まとめ【施工管理の派遣で働くメリットはけっこうある】
いかがでしたか?
派遣の施工管理で働くのも多くのメリットがあるのです。
まとめると、派遣で働くことで、
- 自由度の高さ
- 選択肢の多さ
- 今後の可能性の広がり
があることがわかります。
施工管理のような技術職でスキルがあれば、派遣であっても稼げますし、将来性もあります。
自分のスキルで食べていく「自由な一匹狼」のようなフリーランスの働き方としても注目されています。
40代以降で派遣に転向する人も多いです。
また、施工管理の未経験者も派遣からスタートすることで無理なくスタートすることもできます。
派遣で働く際にもっとも重要なのは派遣会社選びです。
派遣会社によって規模感が違いますので、あなたの希望の仕事を紹介してくれるかどうかが変わります。
あなたに合う派遣会社を選びましょう。
また、本気で良い転職をしたいなら、さっそく転職活動を始めましょう。
忙しいのはわかりますが、「明日でいいや」だとたぶん明日も何もしないでしょう。
結果、人生が変わりません。
本気で良い転職をしたいなら、今日から動くのが正解です。
行動して、あなたに合う会社に転職すればOK。
転職=情報戦なので、まずは求人情報の収集が命。
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転職の情報収集にチェックしてみてください。
ちなみに施工管理の転職のコツについては、施工管理(現場監督)の転職先の会社選びのコツ【転職活動方法も解説】にまとめてます。
あなたの転職活動の参考になればうれしいです!