近年は東京オリンピックなど大型の工事案件が多く、建設業界は好景気です。
ですが、案件が増えたことで人材不足が深刻になっています。
「AIが人の代わりに働く」ということが現実味を帯びていますが、建設業界でもAI開発が進んでいます。
AIやロボットが人に変わって仕事をしてくれることで、人材不足を解消できるかもしれません。
この記事では、
- 建設業界の人材不足問題
- 国が進めるi-Construction
- AIが建設業界でできること
- 建設会社のAI活用事例
- AIが人の仕事を奪うことにならないのか!?
などをご紹介します。
今後の建設業界の姿が見えてきますよ(^^)
それでは、さっそく見ていきましょう!
目次
建設業界の人材不足問題
前述のとおり、建設業界では好景気が続いています。
- 東京オリンピック
- リニア新幹線
- 災害復旧工事
- 橋や道路など大型インフラの補修工事
- 新築減少に伴う大規模修繕工事などリニューアル工事の増加
などで、仕事がたくさんあります。
しかし、工事案件の増加とともに人材不足が問題になっています。
- 1980年代の建設業界冬の時代に採用人数を減らした建設会社が多かった
- リーマンショック後に建設不況が来て多くの職人が業界を去ったまま戻ってこなかった
- 「3K」に代表されるように建設業界のイメージが悪いことで若者が入ってこない
などの理由で人材不足と高齢化が進んでいます。
ご存知かと思いますが建設業界では、週休2日制や「月45時間・年間360時間」の36協定がまだ徹底されていませんので、若者が建設業界で働くのを渋る理由もわかります。
また、人材不足は「技術者不足」と直結しています。
技術者や資格保有者の減少は、工事自体を受注できないことにもなり、仕事はあるのに人材不足で事業縮小を余儀なくされる会社も出ています。
2025年には建設人材は47万~93万人が不足するとも言われています。
建設業界の就労者は3割が55歳以上、29歳以下は約1割しかいません。
約10年後には3割の就労者が引退するのに対して、若手人材の確保ができない問題を抱えています。
建設業界は所定外労働時間が平均160時間となっているため、ワークライフバランスを気にする若者になかなか注目されないという現実があります。
参考:国土交通省「建設産業の現状と課題」
ちなみに、建設業界の人材不足については、
施工管理が人手不足の3つの理由【ホワイト企業は離職率が高くない】にもまとめているので、読んでみてください(^^)
国が進めるi-Construction
建設業界の人材不足問題を重く見た政府は「i-Construction」や「ICT」を掲げています。
ものすごーく簡単にいうと、建設業界にIT技術やAI技術を導入することで、AIやロボットが人に変わって仕事をします。
正確なデータと正確な作業が求められる建設業は、AIとの相性が良いです。
i-Constructionを進めることで、
- AIやロボットが働くことで人材不足の解消
- 建設業界の働き方改革
- 生産性の向上
- 今まで建設業界で働いていなかった人でも建設業界に参入しやすくする
- 現場作業はAIやロボットが行うことで現場作業以外の仕事も増えるため、女性や高齢者の参入もしやすくなる
- 安全性の向上
などにつながります。
出典:国土交通省「i-Construction」
ICTは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称です。
ICTはITとほぼ同じ意味です。
建設業界のICTで期待されていることは、
- AI開発
- AIドローンで3D測量や3D設計、建物管理を行う
- BIMやCIMの活用
- 無人施工ロボットの開発
などがあります。
現段階で建設のICTは土木に使う事例が多いようです。
今まで人が歩いて行っていた測量をドローンが空撮して3D測量データとして取り込むことができます。
従来、3人で2週間かかっていた測量が、ドローンを使うと1日で終わります。
取り込んだ3Dデータを共有でき、CIMの設計を行うこともできます。
※CIMは土木設計ソフトです。
また、ドローンで建築物の空撮をすることで建物点検をすることができます。
従来であれば足場を組んで点検をしなければならなかった箇所も、ドローンを飛ばすことで簡単に点検できます。
また、ドローンで空撮した建物を3Dデータで取り込み、BIMに取り込むこともできます。
ドローンとAIが融合すると、人間がドローンを操縦する必要もありません。
ちょうど自動掃除機の「ルンバ」のように、自動で動き出し測量や点検を行ってくれます。
人間によるドローン操作ミスや墜落事故もなくなるでしょう。
AIが発達することで、
- 人間がやらなくてもいい仕事をAIが代わりにやってくれる
- 人間がやると時間がかかる作業をAIが短時間で行ってくれる
というメリットがあります。
政府はi-ConstructionやICTによって、2025年までに生鮮歳を2割上げることが目標としています。
BIMとCIMとは?
ちなみに、BIMやCIMは3D設計が可能な設計ソフトです。
BIMは「Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」の略称です。
主に建築分野での設計に使われます。
CIMは「Construction Information Modeling(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)」の略称です。
主に土木分野の設計の道路・水道・電力・ガスなどインフラ設計に使われます。
3DCADとよく比較されますが、3DCADとの違いは、
- 建物に関する情報を一元管理することができる
- 最初から3Dで設計できる
- 3Dで部材・材質・性能・家具・設備なども設計できること
- 1つの作業がすべての設計図に反映されるため業務が効率的
などです。
また、BIMやCIMのメリットは、
- 設計者・施工業者・施主の意思共有ができることで、業務の効率化・コスト削減ができる
- 設計ミスをソフトが教えてくれるため、設計ミスを防げる
- 設計変更がCADの約半分の時間でできる
- 設計図に人を入れて動かすこともでき、動線や使い勝手を事前にシミュレーションできる
- クライアントに完成形をわかりやすい3Dで見せられるため、イメージがわきやすい、合意形成が早い
- 設計・生産・施工・メンテナンスまで一貫して情報管理ができる
- 施工にかかるコスト情報もBIM内で共有できる
- メンテナンスや維持管理・点検・保守管理の数値化・見える化をすることができる
などがあげられます。
設計データを一元管理できるため、CADよりも工程が少なくなるのは大きなメリットですね。
ちなみに、BIMとCIMについては、
「BIMやCIMソフトの建築や土木の設計のメリット」にもまとめているので、読んでみてください(^^)
引用元:youtube「i-ConstructionによるドローンとCIMの活用概論」
そもそもAIにできることは何?
AIにできることをまとめてみました(^^)
また、AIにできることが建設業界にどう役に立つのかもご紹介します。
学習できる
AI最大の特徴は「自分で学習できること」です。
人間は最低限の情報や方向性を示してあげれば、指定されたことに関して24時間学習します。
例えば、過去の工事の情報を学習させることで最適な提案を現場監督に教えてくれます。
人間が膨大な過去の工事情報を調べて覚えることは不可能ですよね(^^;
AIは「忘れる」ということがありませんので、一度学習したデータは完璧に使いこなすことができます。
認識できる
AIは学習した内容から、目の前の状況を認識することができます。
例えば、AIに正常箇所と異常箇所を学習させてから建物点検を行わせることができます。
人間のベテラン技術者レベルで正常箇所と異常箇所を判別することができます。
学習が進めば人間よりも正確な判別ができるようになりますし、人間が作業を行う必要がないため人材不足対策にもなります。
掃除機のルンバは「ゴミ」を認識して移動していますよね(^^)
建設現場でもAIの認識機能は活用できます。
会話できる
AIは人間と会話することもできます。
- スマホのSiri
- Google Home
- アレクサ
- Pepperくん
など、人間の言葉を認識して会話できるAIロボットはすでに存在しています。
事実、鹿島建設や大成建設では現場説明をPepperくんが担当しています。
例えば、ドローンが建設現場を飛び回り、作業員に話しかけたり指示を出すこともできます。
プログラムされた言葉しか話せないシステムとは違い、AIは人間との会話も学習していきます。
予測できる
学習したAIは、学習データの中から結果を予測して指示を出せます。
AIは過去の工事データや統計値を持っているため、人間が調べるよりも圧倒的な短時間で解決策を提案してくれます。
もちろん、危険予測もできます。
過去の事故データからどういう状況で事故が起きやすいかや、事故が起きないためにどうすればいいかも教えてくれます。
学習データの中から何十万・何百万通りのケースを想定して計算できるため、とても人間にできる技ではありませんよね。
短時間で予測できることで、作業効率の向上につながります。
行動する
学習データから予測して自分で行動することもできます。
AIと言えば、将棋の学習をしたAIが将棋のプロ棋士に勝ってしまったのは衝撃でしたよね。
AIは人間が一生で体験できない圧倒的な対局経験を積むことができることや、何十手・何百手先のパターンもすべて計算して最適な一手を打てるため、人間には勝てないかもしれません。
建設現場では、学習した内容から最良の手を導き出し、自分で行動して工事することもできます。
自分で判断して建設機械を運転することもできます。
現状ではまだ技術開発段階ですが、技術が進むと人間は設計をするだけで、あとはAIが自動施工してくれる日がくるかもしれませんね。
ディープラーニング
前述の「学習する」と似ていますが、AIは「ディープラーニング」という学習ができます。
膨大なビッグデータから自動で学習していくことです。
ディープラーニングを簡単に説明すると、人間が「これについて勉強しておいて」と指示を出すと、世の中にある膨大な情報の中から関連性のあることを学習していきます。
人間がすべての具体的なデータを提示しなくても自分で勝手に学習していくのです。
ディープラーニングをしたAIは、いつの間にか人間より専門家になっているということです。
AIは人間をほろぼすの?
AIが将棋のプロ棋士に勝ってしまうことや、ディープラーニングができるとなると「AIが人間を超えて、人間を滅ぼすのでは?」とも思いますよね(^^;
「2045年にはAIが人間を超える」と言われており、危惧する人がいるのも事実です。
映画「ターミネーター」を見たことがありますか?
ターミネーターはまさにAIロボットそのもので、自分の意思をもったターミネーターが人間に攻撃を始めるという映画でしたよね。
AIの脅威については様々な議論がされています。
ホーキング博士は「完全な人工知能の開発は人類の終わりを意味しかねない」と警告しています。
ただし、人類を脅かすほどのAIの登場はまだまだ先です。
AIはまだ「自分で考える」ということができないためです。
前述の「予測する」というのは、人間の「想像」とは違います。
学習したデータの中から理論的に結論を出すことができるだけで、人間のような想像ができるわけではありません。
つまり、まだAIは「意思を持っていない」とも言えます。
人間のように「こうしたい」「こうなりたい」とは思わないようです。
AIの役割は「人間の役にたつこと」と定義づける開発が重要そうですね。
facebookのマークザッカーバーグ氏は、AIが人間を滅ぼすということを否定しています。
建設業界のAI活用事例
建設業界ではすでにAIの活用事例があります。
大手ゼネコンを中心に、AI開発が進んでいます。
今後の建設工事の効率化や人材不足に対応するための準備は進んでいます。
各社のAI活用事例・開発事例をご紹介します(^^)
大成建設のAI無人化施工システム
大成建設が開発を進めている、人工知能(AI)を活用した無人化施工システムは、建設機械を自律走行できるようにする制御システムが搭載されます。
GPSや各種センサーを搭載することで、位置確認や動作制御を行うことができます。
また、作業員との接触を防止する検知システムの技術開発にも着手しているそうです。
研究開発が進めば、無人で建設作業を進めることができるようになるため、生産性の向上や、作業員の危険防止に大きく貢献します。
熟練作業員が実際に操作する動きなどの情報をAIが取得していきます。
その後、シミュレーターを活用して、様々な現場の状況でどのように作業するかを、AIにさらに学習させてシステムを構築します。
作業員を検知するシステムは、建設機械にカメラを取り付けて、AIを活用して画像データから人か障害物かを検知できるようになっています。
体が向いている方向から、作業員が移動する方向を予測することもできます。
建設作業現場で、建設機械と作業員の接触事故の危険回避に活用できる見通しです。
清水建設のAI開発
清水建設のAI開発は、
- 資材の水平搬送ロボット「Robo-Carrier」
- 鉄骨柱の溶接ロボット「Robo-Welder」
- 天井や床材を施工する多能工ロボット「Robo-Buddy」
- 水平スライドクレーン「Exter」
- トンネルのシールド掘進計画支援システム
をなどがあります。
「Robo-Carrier」「Robo-Welder」「Robo-Buddy」「Exter」にはAIが使われています。
タブレット操作が可能です。
清水建設はロボットの実験棟を持っており、研究開発が進められています。
トンネルのシールド掘進計画支援システムは、清水建設と名古屋工業大学が共同で開発しました。
AIを活用してシールド工事のトンネル掘進計画を最適化するシステムです。
従来は、シールド機の形状やトンネルの曲線半径などで、三角関数を用いた理論計算で算出していましたが、こうした作業をAIがが行うシステムです。
シールド掘進をゲームに見立てたAIシミュレーションプログラムです。
AIが試行錯誤しながら自己学習することで最適な方法を導く強化学習手法が採用されており、トンネル線形に応じてシールド機の操作の計画値やセグメントの配置計画を自動で導き出すことができます。
AIに直近の掘進状況を反映させた計画修正案を可視化することで、現場技術者の労働時間の削減につながります。
清水建設では、ベテランのシールド操作オペレーターの行動をAIに学習させて、シールド機の自動掘進技術の開発も進めています。
最終的には、都市部の地下トンネル工事を無人で掘削するソフトを開発する予定だそうです。
竹中工務店のAIの構造設計
2018年にAIを活用した将棋ゲームである「将棋ウォーズ」のHEROZ株式会社が、大手ゼネコンである竹中工務店とAIを活用した構造設計の開発に着手しました。
近年、AIと将棋の関係は話題になっていますが、構造設計と将棋が似ていることにHEROZと竹中工務店が注目し、実現したものです。
構造設計は、多くの情報や条件の組み合わせから最適な設計方法を選ぶという点では、将棋に似ている部分があります。
膨大な設計情報をAIに学習させて、決められた条件の中で機能性・デザイン性・安全性・強度など総合的に最適な設計を短時間で行うことができるようになるでしょう。
鹿島建設のAI活用事例
鹿島建設はコマツと共同で、AIによる建設機械の自動運転システム「クワッドアクセル」を開発しています。
1人の現場作業員がタブレット1台で複数の建機を管理することができます。
まさに指1本で工事ができているというわけです(^^)
また、鹿島建設と三菱総合研究所が、AIがBIMを使って複数の施工パターンを設計するシステムを開発しています。
複数の施工パターンをAIが提示し、人間が選ぶという流れです。
人間が日数をかけて行う3D設計を、AIが短時間で行います。
AIが施工パターンを作れるようになっているのは驚きですよね(^^)
鹿島建設はBIMの専門会社も設立しています。
大林組のAI開発
大林組はAIを活用したスマートビルマネジメントシステム「WellnessBOX」を開発しています。
- ビルの環境
- 人感センサー
- 位置情報
- 利用者の申告データ
- 不審者検知
などをAIが管理して快適で安心なビル環境を作り出す仕組みです。
個人がもつスマートフォンから室温や照明を調節できたり、トイレの空き状況がわかるのも大きな特徴です。
AIは蓄積されていくデータから、より快適な環境を作り出してくれます。
また、BIMを活用してビル管理を見える化することで、ビル管理者にわかりやすい情報の提供が可能です。
引用元:youtube『IoT・AIを活用したビル管理システム「WellnessBOX」と情報プラットフォーム「BIMWill」』
大林組はAIの研究開発に積極的で、
- 工事現場での重機と現場作業員の接触事故を防止する安全装置「クアトロアイズ」
- AIがコンクリートのひび割れを自動検出する手法の確立
- 集合住宅の内装工事の「工程認識AI」
- 工程管理のAI
などが進んでいます。
③「工程認識AI」はディープラーニングが使われており、現場の写真を学習していきます。
ドローンが工事現場の写真を撮り、工程の進捗度合いを確認します。
点検作業もAIドローンが行うため、人の手をかけずに点検することができます。
NTTコムウェアのAIを活用した路面調査システム
NTTコムウェアは、AIが道路の不具合を検出するシステムを開発しました。
道路面のひび割れや、穴が開いている状態「ポットホール」を放置しておくと、交通事故になる危険性が高まります。
舗装面のひび割れやポットホールがあると、
- タイヤのパンク
- 二輪車の転倒事故
などにつながりやすくなります。
ポットホールは今まで人による目視で道路面の調査・点検をしていましたが、時間と労力がかかり、道路の不具合を見落とすこともありました。
従来の路面調査・道路管理の問題点をクリアにしてくれる新システムが、NTTコムウェアの「AIを活用した路面調査システム」です。
NTTコムウェアのAI路面調査システムのメリットは、
- 市販のビデオカメラで撮影した動画でOK
- 市販のビデオカメラで撮影できるので、一般車で撮影可能
- ベテランの道路管理者の目視のレベルに近い精度
- AIが自分で学習するため、前例のない不具合も検知できる
- GPS機能があるので、ネット地図で不具合箇所を管理できる
- 4K画像にも対応しているため、画像が鮮明
- 従来のレーザー・センサー機器と比較して1~2ケタのコストダウンができる
などがあります。
NTTコムウェアの画像解析や不具合検出にはAIの「ディープラーニング技術」が使われています。
ベテランの道路管理者が目視で確認した「正常な路面」と「不具合のある路面」の画像をAIに1000枚ほど読み込ませます。
あとはAIが自分で学習を続けるため、人が教えることはもうありません。
また、AIによって発見された不具合箇所を自治体の道路台帳システムと連携させれば、不具合箇所と過去の補修履歴を一緒に確認することができます。
不具合を見つけたあとの補修計画の立案や道路維持管理の業務効率化になります。
参考:NTTコムウェア「道路不具合検出システムをAI技術で実現─専用機材不要で人の目視確認に近い道路不具合検出が可能─」
福田道路とNECのAIを活用した舗装損傷診断システム
福田道路とNECはAIを活用して、道路のわだち割れとひび割れを同時に検出する舗装損傷診断システムを開発しています。
ディープラーニング技術が使われているため、道路状況をどんどん学習していきます。
一般的なビデオカメラで撮影が可能なため、コストも抑えられます。
参考:NEC「福田道路とNEC、AI技術を活用した舗装損傷診断システムを開発」
じゃあAIにできないことは何なの?人間にしかできないことは何?
AIの技術開発が進んでくると「AIにできなくて、人間にできることは何なの?」と思います。
私もこの記事を書くリサーチしていてそう思いました。
2015年に野村総合研究所が「AIにとって代わられる職業」を発表しています。
●人工知能やロボット等による代替可能性が高い 100 種の職業(50 音順、並びは代替可能性確率とは無関係)
※職業名は、労働政策研究・研修機構「職務構造に関する研究」に対応
IC生産オペレーター 一般事務員 鋳物工 医療事務員 受付係 AV・通信機器組立・修理工 駅務員 NC研削盤工 NC旋盤工 会計監査係員 加工紙製造工 貸付係事務員 学校事務員 カメラ組立工 機械木工 寄宿舎・寮・マンション管理人 CADオペレーター 給食調理人 教育・研修事務員 行政事務員(国) 行政事務員(県市町村) 銀行窓口係 金属加工・金属製品検査工 金属研磨工 金属材料製造検査工 金属熱処理工 金属プレス工 クリーニング取次店員 計器組立工 警備員 経理事務員 検収・検品係員 検針員 建設作業員 ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く) こん包工 サッシ工 産業廃棄物収集運搬作業員 紙器製造工 自動車組立工 自動車塗装工 出荷・発送係員 じんかい収集作業員 人事係事務員 新聞配達員 診療情報管理士 水産ねり製品製造工 スーパー店員 生産現場事務員 製パン工 製粉工 製本作業員 清涼飲料ルートセールス員 石油精製オペレーター セメント生産オペレーター 繊維製品検査工 倉庫作業員 惣菜製造工 測量士 宝くじ販売人 タクシー運転者 宅配便配達員 鍛造工 駐車場管理人 通関士 通信販売受付事務員 積卸作業員 データ入力係 電気通信技術者 電算写植オペレーター 電子計算機保守員(IT保守員) 電子部品製造工 電車運転士 道路パトロール隊員 日用品修理ショップ店員 バイク便配達員 発電員 非破壊検査員 ビル施設管理技術者 ビル清掃員 物品購買事務員 プラスチック製品成形工 プロセス製版オペレーター ボイラーオペレーター 貿易事務員 包装作業員 保管・管理係員 保険事務員 ホテル客室係 マシニングセンター・オペレーター ミシン縫製工 めっき工 めん類製造工 郵便外務員 郵便事務員 有料道路料金収受員 レジ係 列車清掃員 レンタカー営業所員 路線バス運転者
引用元:日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~
見てみると、建設業の仕事が少ないことがわかります。
ということは、建設業は人が行う仕事が多いと言えます。
たしかにAIの開発が進んでいますが、建設業で完全無人化の工事はもう少し先になりそうですね。
AIにできなくて、人間にできることは何でしょうか?
それは「人を感動させること」です。
「この建物はこんな風に使ってほしい、喜んでほしい」
「この家に住む家族に喜んでほしい」
「この橋をかけることで多くの人の生活の役に立てる」
「このトンネルを通すことで、多くの人の役に立てる」
「この道路を整備することで多くの人の安全を守れる」
という想いは人間しか持てないのです。
建設物を使った人が「造った人の想い」を知ったとき、人は感動するのです。
例えば、注文住宅を建てるときに設計者が家族のことを思って設計するものですよね。
現場監督でも家族のことを思って仕事をする人もいるでしょう。
「この家族の女の子はピアノを習っているから、ピアノを思い切り弾ける部屋にしてあげたい」
「この家族のおばあちゃんは足が悪いから、バリアフリー設計にしてあげたい」
「お母さんが料理好きだから、広々したキッチンを造ってあげたい」
「子供たちが思春期を迎えたときのためにそれぞれの子供部屋を造りつつ、家族が集まりたくなるリビングを造ってあげたい」
などの想いを込めて建物を造り、その思いを知った時にこの家族は感動してくれます。
人が考えてくれた想いだからこそ、人は感動します。
「どうしたら使う人が喜んでくれるかな?」と想像することは人間にしかできないのです。
AIは学習したデータから最善策を提示することはできますが「どういう想いでこうしたのですか?」と聞いても答えられません。
また、現段階でのAIはドラえもんや鉄腕アトムのように人間に近い行動や思考をすることはできません。
- 会話ロボット
- 工事用ロボット
- 設計ロボット
- AIドローン
- 点検ロボット
など、何か1つのことに特化した行動しかできません。
総合的に考えるということはまだ人間にしかできないのです。
想いを持って想像することが建設業における人間の仕事と言っても良いでしょう。
また、困難にぶちあたったときに想像的なアイデアを出せることや、ピンチをチャンスに変えられるのも人間だけです。
現場の状況に応じた臨機応変な対応はまだAIにはできないのです。
建設現場には人間の力が必要です。
AIをうまく活用することで人間が働きやすい環境を作れるのは大きなメリットです。
まとめ
建設業界のAI開発はどんどん進んでいます。
AI開発は建設業界の働き方改革を大きく進めることになるでしょう。
3Kのイメージを払しょくするにもAIが役に立つでしょう。
生産性が向上し、過剰な残業がなくなるかもしれません。
今まで人がやってきた仕事をAIロボットが行うことで、建設業の人間の仕事はかなりクリエイティブになる可能性もあります。
「クリエイティブなものづくりの仕事」になれば、若者に人気の仕事になる可能性も高いでしょう。
想像力を働かせて人を感動させるアイデアを生み出せるのは人間だけです。
AIは人間の仕事を奪うのではなく「人間の仕事を手伝う存在」になっていくでしょう。
国のi-Constructionも進んでいるため、建設業界の大変革は時代の波に乗っていると言えるでしょう。
今後も各社からAIの新技術がどんどん出てくるでしょう。
建設業がどんどん働きやすくてなって、安全な仕事になっていくことを期待したいですね(^^)
ちなみに、建設工事のロボット開発について、
建設工事の自動化ロボットの開発が進んでいますにもまとめているので、読んでみてください(^^)