建設工事の自動化ロボットの開発が進んでいます

鉄筋結束

建設工事を自動でやってくれるロボットの開発が進んでいます。

建設業界では「人材不足」が叫ばれていますが「ロボットができる作業はロボットにやってもらおう」という動きも進んでいます。

大手ゼネコンや大学が建設工事用のロボット開発を進めています。

今後は少ない人員でも工事が進められる時代になっていくでしょう。

建設業界の工事用ロボットについて見ていきましょう(^^)

鹿島建設の溶接ロボット

溶接

鹿島建設では汎用可搬型溶接ロボットをすでに現場で使っています。

ご存知の人もいると思いますが、溶接は高度な技術が必要であり、今後の人材不足が懸念されている仕事です。

溶接ロボットの腐朽が進むと、人材不足に大きく貢献しますね(^^)

大林組のひび割れ自動検出ロボット

ひび割れ

大林組では、AIを活用してコンクリートのひび割れを自動検出するロボットを開発しました。

富士フイルムのインフラ画像診断サービスを使って開発したそうです。

従来は人の目で点検をしていたコンクリートのひびをAIが見つけてくれるため、見落としも減るでしょう。

また、高所での点検作業の必要もなくなるため、大幅な業務効率アップにつながります。

清水建設のロボット開発

ロボット

清水建設では、

  • 資材の水平搬送ロボット「Robo-Carrier」
  • 鉄骨柱の溶接ロボット「Robo-Welder」
  • 天井や床材を施工する多能工ロボット「Robo-Buddy」
  • 鉄筋を運ぶアシストロボット「アクティブリンク、エスシー・マシーナリ」
  • 外壁の診断ロボット「ウォールドクター」

を開発しています。

大和ハウス工業のロボットスーツ

大和ハウス工業の事業範囲は広く、ロボットスーツも開発しています。

人間の関節や腰の動作を補助するものですが、建設現場作業員も使っています。

どうしても腰が痛くなりやすい現場作業員さんにうれしいロボットスーツですね(^^)

もちろん、介護現場などでもロボットスーツは活躍しています。

参考:大和ハウス工業「ロボットスーツHAL

大成建設と千葉工大の鉄筋の結束ロボット

鉄筋結束

鉄筋コンクリート工事工程の約2割を占める鉄筋の結束作業は、単純作業の繰り返しで、鉄筋を結束する施工方法は長く変わっていません。

作業をロボットに任せられると考え、大成建設が千葉工大にロボット開発を依頼したという流れです。

中腰になって作業する、床スラブの鉄筋結束作業をロボットに任せられる時代がやってきたというわけです(^^)

ロボットの名前は「T-iROBO Rebar(ティーアイロボ・リバー)」といいます。

youtubeの動画がもっともわかりやすいです。

引用元:youtube「千葉工大・大成建設 鉄筋結束ロボット「T-iROBO Rebar」(上から)

「人がやった方が早いよ!」と思う人もいるかもしれませんが、ロボットは休憩なし休日なしで夜間も作業可能です。

※電源は市販のリチウムイオンバッテリーで、現段階での連続使用は5時間くらいですが。

今後のロボット開発によっては結束のスピードや連続稼働時間が上がるかもしれませんね。

鉄筋の上をレールのように利用して自律移動しながら、鉄筋の交差部分を見つけてワイヤーで結束していきます。

また、鉄筋上に障害物があった場合は避けて進むこともできます。

1~2割くらい、鉄筋工事の作業効率が上がるようです。

3DスキャンができるiPadアプリのCanvas

3D設計

iPadアプリ「Canvas」は、iPadのカメラで部屋の中を撮影するだけで、部屋の中すべてを3Dスキャンできるアプリです。

アメリカのベンチャー企業「Occipital社」が開発しました。

まずは見てもらう方がわかりやすいので、youtubeをご覧ください。

引用元:youtube「Canvas: Create A 3D Model Of Your Home In Minutes

とても簡単に空間や物体を3Dスキャンすることができます。

Canvasをダウンロードして、外付けの「Structure Sensor」という赤外線センサーと送信機が内蔵された3DスキャナーをiPadに取り付けて使用します。

Structure Sensorは380$のため、購入しやすい価格帯です。※アプリは無料です。

上記の動画の通り、スキャンし終わったところは色が変わり、まだスキャンできていない部分もわかりやすく表示してくれます。

もう、物差しを使って部屋中を図って、図面にメモする必要がありません。

スキャンしたデータの2地点をタップすれば、2地点の距離も教えてくれます。

また、Canvasは3Dスキャンだけでなく、撮影した物体を3Dプリントしたり、Occipital社のBridgeエンジンを使って、拡張現実(AR)を作成することもできます。

例えば、8つの部屋がある家だと、Structure Sensorを使えば約30分でスキャンは終了します。

手動で図ると7時間はかかるそうです。

参考:CANVAS

例えば、リフォームをする際の施工計画の作成には、とても有効ですね。

リフォーム前の部屋の中を3Dスキャンしておくことで、設計作業の効率は大幅に向上します。

建設ロボットがもたらすメリットは?

建設人材

鉄筋施工工事の生産性の向上や、現場の人材不足の解消を狙っています。

国土交通省でも、建設業界の人材不足を報告しています。

参考:国土交通省「建設産業の現状と課題

建設ロボットの開発が進むと「人が必要なくなるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、現実的には人の仕事なくして建設作業は無理でしょう。

単純作業はどんどんロボットに任せて、複雑な作業を人が対応するという「人とロボットが一緒に作業する工事現場」になっていくのでしょう。

すすむi-Construction

AI

国土交通省は2015年に「i-Construction」を発表してします。

「i-Construction」とは、簡単に言うと建設とITの融合です。

参考:国土交通省「i-Construction

建設業界はIT化が遅れていた業界でしたが、近年は建設用のIT開発が急速に進んでいます。

など、今後もITやAIを活用した技術開発が進むでしょう。

「i-Construction」の目的は、

  1. 生産性の向上
  2. 建設業界で働く人の賃金水準の向上
  3. 建設業界で働く人の休日の増加
  4. 人の安全性の向上
  5. 建設業界のイメージチェンジ

などの目的があります。

「ロボットができる作業はロボットが行い、人にしかできない仕事は人が行う」という仕組みができることで、生産性が向上します。

それによって、建設業界で働く人の賃金の向上や、休日の確保につながります。

危険作業をロボットが行うことで、安全性が向上します。

そして、i-Constructionが進むことで働き方改革が進み、若い人材が建設業界に良いイメージを持って入ってきてくれることにもつながるでしょう。

i-Constructionは日本の建設業界を大きく左右する重要なテーマです。

まとめ

建設現場

建設ロボット開発は、

  1. 安全性の向上
  2. 業務効率化
  3. 人材不足解消

に大きく役立ちます。

どんどん、人が働きやすくなっていくことを期待したいですね。

建設業界は3K(きつい・汚い・危険)と言われていますが、今後はもっときれいでクリエイティブなモノづくりの仕事になっていくかもしれませんね(^^)

新卒生や若者に人気の職種になる可能性もあるでしょう(^^)

ちなみに、ご紹介してきた通り、AI開発も進んでいます。

建設業界のAI活用の詳細は、

建設業界が現場にAIを導入!AIは人間の仕事を奪うのか?にまとめているので、読んでみてください(^^)

各社とも、どんどんAIを取り入れていますよ!

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