どれくらいの面積をとっていいんだろう?
あと、できるだけ建築面積を広くとる方法を知りたいな。
こういった疑問に答える記事です。
本記事でわかることは下記のとおり。
- 建築面積の計算方法がわかる
- 建築面積をできるだけ広くとる方法がわかる
土地に対して、どれくらいの建築面積をとっていいかを解説します。
建築面積をオーバーすると、建築確認申請が通らないので注意しましょう。
また、できるだけ建築面積を広くとる方法も紹介しますね。
設計の参考にしてください。
目次
建築面積の計算方法を解説【建ぺい率・延べ面積・容積率の計算式】
建築面積の計算式は下記のとおり。
「建ぺい率」とは、土地に対してどれくらいの面積の建物を建てていいかの割合です。
例えば、
- 土地の面積:100㎡
- 建ぺい率:50%
なら、建物面積は50㎡です。
建ぺい率は自治体によって違うので、必ず事前に確認しましょう。
なんで建ぺい率なんてものがあるのか?【火災防止のため】
建ぺい率100%なら広い建物を造れるのに、どうして建ぺい率なんてもので狭くしないといけないのか?
その理由は、火災を防止するためです。
例えば、住宅が密集している地域で建ぺい率100%の家を建ててしまうと、隣の家の壁とギリギリになりますよね。
もし火災が起きると、あっという間に燃え広がってしまいます。
建物と建物の間に空間をとり、燃え広がるのを防ぐために、建ぺい率が定められています。
2階が飛び出してる場合の建築面積【2階の面積=建築面積】
建物によっては、1階より2階の方が面積が広いものもありますよね。
この場合は、2階の面積=建築面積になります。
簡単にいうと、建物を上から見たときの面積=建築面積って感じです。
建築面積に含まれないもの【計算式に入れなくてOK】
ちなみに、建築面積に含まれないものは下記のとおりです。
- ひさし(飛び出してる部分が1m以下の場合)
- バルコニー(飛び出してる部分が1m以下の場合)
- 出窓(飛び出してる部分が50cm以下の場合)
- 中庭
- カーポート(一部は含まれます)
ひさしやバルコニーが1m以上飛び出してる場合は、飛び出してる部分の先端から1m後退させた部分までが建築面積に含まれます。
※ただし、バルコニーの側面に壁があったり、バルコニーの下に柱があると建築面積に含まれるので注意してください。
また、壁がないカーポートは建築面積が一部免除されます。
詳しくは、カーポートの建ぺい率の計算方法【緩和条件や容積率の計算も紹介】にまとめてます。
【ちなみに】建ぺい率が拡大されることもあります
建ぺい率は、下記の条件に当てはまると拡大されます。
- 角地:+10%
- 防火地域で耐火建築物:+10%
例えば、もともと建ぺい率が50%でも、上記に該当すれば70%までOKです。
この辺も自治体に確認してみましょう。
「本当はもっと広い建物にできたのに!」と、後でトラブルになると大変ですよ。
建築面積と延べ面積の違いと計算方法
建築面積と似た言葉で「延べ面積」がありますが、簡単にいうと建物の床面積の合計です。
例えば、
- 1階:50㎡
- 2階:50㎡
なら、延べ面積は100㎡です。
※建築面積は50㎡
ちなみに、建物を建てるときは「容積率」も上限があります。
容積率とは、土地の面積に対して造っていい建物の床面積の割合です。
例えば容積率80%で、土地面積100㎡の場合は、床面積の合計は80㎡以下にしないといけません。
- 1階50㎡+2階30㎡=80㎡→OK
- 1階50㎡+2階40㎡=90㎡→NG
という感じですね。
建ぺい率と容積率の計算例
例えば、下記の条件で計算してみましょう。
- 土地の面積:100㎡
- 建ぺい率:60%
- 容積率:100%
これだと、下記がOKですね。
- 建築面積:60㎡まで
- 延べ面積:100㎡まで
なので例えば、
- 1階:60㎡
- 2階:40㎡
ならOKです。
くどいようですが、建ぺい率と容積率は自治体によって違うので必ず確認してください。
建築面積を広くとる方法【できるだけ広い建物を建てる】
という人は、建築面積を広くとる方法を知っておきましょう。
具体的には下記の3つです。
- 地下室を作る
- ロフトを造る
- 屋根裏を造る
設計上可能なら、検討してみてください。
①地下室を作る
延べ面積の1/3以下なら、地下室を造ることができます。
例えば、
- 土地の面積:100㎡
- 建ぺい率:60%
- 容積率:100%
- 1階:60㎡
- 2階:40㎡
- 延べ面積:100㎡
なら、床面積33㎡までの地下室を造ることができます。
本来の延べ面積は133㎡で100㎡をオーバーしてますが、地下室ならOKです。
【需要はなさそうですが】地下室でこんなこともできます
- 土地の面積:100㎡
- 建ぺい率:60%
- 容積率:60%
- 1階:60㎡
- 延べ面積:60㎡
この場合、地下室は建築面積に含まれないので、1階より広くしてもかまいません。
例えば、地下室だけ100㎡とか。
この方法を使う場合は、地下室は完全に地中に埋めてください。
地下室が地中1m以上の高さにはみ出してると認められません。
※この方法、隣の土地にはみ出してしまうことが多く、需要があるかわかりませんが念のため。
【ただし】地下は居室禁止です
居室とは、
- リビング
- 居間
- 寝室
- 書斎
- 仕事部屋
など、人が長時間いる空間のことです。
火災や換気の問題から、地下室は居室にできません。
もし地下室にするなら、空間を造って窓を造るなど換気できる設備が必要です。
②ロフトを造る
ロフトを造る階の1/2までなら、建築面積に入れなくてOKです。
例えば、
- 2階の床面積:40㎡
- ロフト:20㎡
ならOKです。
③屋根裏を造る
ロフト同様、屋根裏を造る階の1/2までなら、建築面積に入れなくてOKです。
1/2を超えてしまうと建築面積が増えてしまい、建築確認申請が通らないリスクがあるので注意です。
まとめ【建築面積を正しく計算して良い建物を建てましょう】
この記事をまとめます。
- 建築面積=土地の面積×建ぺい率
- ひさし、バルコニー、出窓、中庭、カーポートは建築面積に含まれないものがある
- 建ぺい率以外に容積率も決まっているので、延べ面積の上限がある
- 角地、防火地域、耐火建築物だと、建築面積がプラスされる
- 地下室、ロフト、屋根裏を活用すると面積を増やせる
設計の参考になればうれしいです。
上限を守った上で、最良の建築面積を目指しましょう。
その他、設計に役立ちそうな記事を下記にまとめたので、参考にどうぞ。