将来、建築士になりたいんだけど、そもそもどんな仕事してるの?
仕事の手順を知ってイメージしたい。
あと、建築士になるにはどうすればいいの?
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 建築設計の手順がわかる
- 建築士になる方法がわかる
私たち「ワット・コンサルティング」は、建築設計の技術者派遣などを行う会社です。
この記事では、建築設計の手順を解説します。
また、記事の後半で「建築士になる方法」も解説しますね。
将来、建築士になりたい人は、将来の仕事のイメージになると思うので、最後まで読んでみてください。
建築設計の手順12ステップ【仕事内容がわかる】
結論、建築設計の手順は下記の12ステップです。
- 施主のヒアリング
- 建築予定地の調査
- 企画設計
- 設計の契約
- 基本設計
- 実施設計
- 工事業者の選定
- 地鎮祭
- 工事監理
- 上棟式や竣工式
- 施主に引き渡し
- アフターフォロー
1ステップずつ解説します。
①施主のヒアリング
まずは施主(依頼主)のヒアリングです。
施主の要望を聞かないと、どんな設計をすればいいかわからないので。
ただし、施主が建築設計に詳しいとは限りません。
例えば、注文住宅を建てたい人だと、漠然としたイメージしかないでしょう。
まずは「漠然とでも、どんな家にしたいですか?」と聞いたのちに、下記などを聞いてみるイメージです。
- お子さんは何人か
- 何か趣味はあるか
- どんなキッチンにしたいか
- どんなバスルームにしたいか
- 車庫は必要か、何台分が必要か
- リビングの広さはどれくらいがいいか
- お子さんが独立した後もこの家に住む予定か・・・
ヒアリングしながら、おおまかなイメージを膨らませていきます。
②建築予定地の調査
次に、建築予定地を調査しましょう。
具体的には、下記などを見ます。
- 敷地の広さ
- 道路の広さ
- 地盤調査
- 日当たり
- 電柱の位置
- ガス管の位置
- 上下水道管の位置
- 周辺の建物・環境など
また、建築予定地をみることで、建築面積や床面積もある程度わかります。
建築面積の計算方法は、建築面積の計算方法を解説【建ぺい率・延べ面積・容積率の計算式】も参考にどうぞ。
不明点があれば、役所にいって必要なデータを調べましょう。
③企画設計【おおまかなプランを作る】
次に「企画設計」といって、おおまかな設計プランを作っていきましょう。
模型なども使って、完成図のイメージをまとめます。
また、この企画設計で、おおよその予算も計算しておく感じです。
施主と打ち合わせをしながら、完成形を決めていきましょう。
企画設計の期間は3ヶ月くらいです。
④設計の契約
企画設計がまとまったら、施主と契約します。
これ以降は細かい設計が必要になり、多くの労力がかかるから。
もちろん、今後の段階で設計の修正を行うこともありますが、「あなたに設計をお願いします」という契約をもらうイメージです。
⑤基本設計【数字に落とし込んでいく】
次に「基本設計」といって、完成形のイメージを数字に落とし込んでいく作業に入ります。
先ほどの企画設計が「簡単な設計」なら、基本設計は「詳細な設計」というイメージ。
具体的には、下記なども決めていきます。
- 建物の広さ・高さ
- 建築物に使う素材
- 電気・ガス・水道・空調・建具などの設備
基本設計も、施主と打ち合わせながら進めていきます。
基本設計の期間は3ヶ月くらいです。
⑥実施設計【さらに詳細な図面を作成する】
基本設計が終わったら、さらに詳細な図面を作るために「実施設計」を行います。
実施設計の目的は、主に下記の2つ。
- 建築確認申請を通すため
- 工事業者に見積もりを作ってもらうため
具体的には、下記のような資料を作っていきます。
- 平面図
- 立面図
- 配置図
- 断面図
- 展開図
- 構造図
- 外構図
- 天井伏図
- 設備設計図
- 仕上げ表
- 建具リスト
- キープラン
- かなばかり図
- 各種詳細図
実施設計が終わったら、図面を複数の工事業者に見てもらいましょう。
⑦工事業者の選定
工事業者に見積もりを出してもらって、どこに工事をお願いするか絞っていきます。
予算内で納まっていることはもちろん、適正な工事金額かもチェックしましょう。
※工事金額が安すぎると、手抜き工事されるリスクがあるため。
また、どうしても予算内に納まらなければ、設計内容を修正します。
工事業者の選定や見積もりも、施主と話し合いながら進めていきます。
⑧地鎮祭【工事を始める前に実施】
工事が決まったら、施主と工事関係者が集まって、建築地で地鎮祭を行います。
「地鎮祭」とは、土地の神様に工事の安全を祈願する儀式です。
ただし、地鎮祭を実施するかは施主に判断によります。
※近年は地鎮祭をやらない施主もいます。
⑨工事監理【図面どおりに工事が進んでいるかチェック】
いよいよ工事がスタートです。
建築士は工事現場に出向き、図面どおりに工事が進んでいるかチェックします。
これを「工事監理」といいます。
現場監督や職人さんと話しながら、ミスがないように工事を管理するイメージ。
建築工事は後戻りが難しいため、途中の工程もしっかりチェックしておきましょう。
また、工事の状況を施主に報告するのも建築士の仕事です。
⑩上棟式や竣工式
施主によっては「上棟式」を行うことがあります。
上棟式とは、建物の骨組みが完成した時点で、無事に工事が進んだ感謝と、今後の工事の安全を祈願する儀式です。
また、「竣工式」は、建物が完成したときに行います。
無事に工事が終わったことを神様に感謝する儀式ですね。
上棟式・竣工式には、建築士も出席します。
⑪施主に引き渡し
建築物が完成したら、いよいよ施主に引き渡しです。
場合によっては、建築物の使い方や、建物を長持ちさせるコツなどもアドバイスしましょう。
⑫アフターフォロー
建築物を引き渡した後は、アフターフォローを行います。
いざ建物を使ってみると、思わぬトラブルが起きることもあるから。
例えば、下記のようなトラブルが起きたときは、ただちに対応が必要です。
- ドアが閉まらない
- 水漏れしてしまう
- 雨漏りしてしまう
おおよそ1年くらいのアフターフォロー期間を設けている会社が多いです。
建築設計の仕事をするなら建築士資格を取得しよう
実際に建築設計の仕事をするには、どうすればいいの?
建築設計の仕事をするなら、建築士の資格を取得しましょう。
建築士の資格は下記があります。
- 木造建築士
- 二級建築士
- 一級建築士
- 構造設計一級建築士
- 設備設計一級建築士
結論、二級建築士から取得していけばOK。
木造建築士だと木造建築設計しかできないので、二級建築士の方がおすすめです。
二級建築士を取得する方法
二級建築士を受験するには、大学・短大・高専・専門学校・高校などで建築系の学科を卒業する必要があります。
そして、試験に合格後、2~4年の実務経験を積むと二級建築士になれます。
実務経験の年数は、卒業した学校の種類によって変わります。
建築学科が強い大学は、建築学科が強い大学をまとめてみた【夢を叶えるために情報収集】にまとめたので参考にしてみてください。
また、建築系の学科を出ていない人は、7年以上の実務経験を積むと二級建築士を受験できます。
詳しい受験資格や、試験の難易度については、二級建築士の難易度!合格率や受験資格から分析してみたを参考にどうぞ。
まとめ【建築設計の手順は12ステップ。二級建築士を目指してみよう】
最後にもう一度、建築設計の手順をまとめておきます。
- 施主のヒアリング
- 建築予定地の調査
- 企画設計
- 設計の契約
- 基本設計
- 実施設計
- 工事業者の選定
- 地鎮祭
- 工事監理
- 上棟式や竣工式
- 施主に引き渡し
- アフターフォロー
建築設計の仕事のイメージになればうれしいです。
実際に建築設計の仕事に就くなら、二級建築士から目指してみましょう。
二級建築士を取得するコツは、二級建築士の難易度!合格率や受験資格から分析してみたにまとめています。
あなたの仕事選びの参考になればうれしいです!