正直、ちょっと給料が減ってもいいから、もう少し休みたいなぁ。
でも、極端に給料が減ったらどうしよう…
本当に週休2日なんて、実現できるんだろうか?
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- 建設業界の週休2日制は2024年スタートが目標
- 建設業界で週休2日を導入した方がいい3つの理由
- 建設業界で週休2日制は無理といわれる6つの理由
- 建設業界が週休2日制を実現するためにやるべき5つのこと
- 建設業の週休2日制の成功事例7選
- 週休2日の求人を探す方法
私たち「ワット・コンサルティング」は、施工管理の転職サポートを行うです。
週休2日の施工管理の求人を紹介しています。
2024年から、建設業界でも週休2日をスタートさせる目標です。
うまくいけば、今より休みが増えて働きやすくなるでしょう。
ただし、週休2日を実現するにはいくつかの課題があります。
「本当に週休2日は実現するのか?」も含めて解説していきます。
今より休みを増やしたい人は、今後の勤務先選びの参考に最後まで読んでみてください!
目次
建設業界の週休2日制は2024年スタートが目標【国土交通省も推奨】
結論、建設業界は週休2日に向けて動いています。
国土交通省では「令和6年4月から、建設業においても罰則付きの時間外労働規制が適用されることを踏まえ、直轄工事(公共工事)で計画的に週休2日を推進する」と発表しています。
※「罰則付きの時間外労働規制」については、2024年に建設業でも36協定が適用され残業規制【給料は減るのか】で解説しています。
まずは公共工事で週休2日を実現し、その後、民間工事にも週休2日を浸透させていく狙いです。
少しずつ週休2日制の会社は増えています。
各建設団体でも週休2日の実施が進んでいます。
出典:国土交通省「週休2日対象工事」
しかし実際は今でも週休1日の会社が多い
しかし、実際に週休2日を導入している会社は全体の2割程度です。
出典:国土交通省「建設業の働き方改革の現状と課題」
まだまだ週休2日を実現できていない状態です。
建設業界で週休2日制は無理といわれる6つの理由
結論、下記の6つの理由で「週休2日は無理」という声があるからです。
- 日当で働く人の給料が減るから
- 工事日が減ってスケジュールがきついから
- 協力会社も週休2日でないとうまく機能しないから
- 経費が増加して経営を圧迫するから
- 週休2日は法律で義務化されてないし罰則もないから
- 民間工事を受注しにくくなるから
理由を1つずつ解説します。
【理由1】日当で働く人の給料が減るから
週休2日になると、日当で働く技術者の給料が減ってしまいます。
- 週6日→週5日勤務になると月給は約17%下落
- 月30万円を稼ぐ人なら、月給が5万円も減る
月給が5万円も減ってしまうと、生活できなくなる人もいるでしょう。
※事実、週休2日に反対する人もいます。
給料が上がれば問題ありませんが、すべての会社が給料アップを実現できるとは限りません。
以上のことから「週休2日は無理」という声があります。
【理由2】工事日が減ってスケジュールがきついから
週休2日になると工事日が減るので、スケジュールがきつくなります。
工期を延ばせればいいですが、民間工事だとそれが難しい場合があるでしょう。
天候不良が続けば、さらにスケジュールが厳しくなります。
結果「形だけの週休2日」になり、今までと変わらないかもしれません。
【理由3】協力会社も週休2日でないとうまく機能しないから
自分の会社が週休2日になっても、協力会社が週休1日だと現場がうまく機能しないこともあるでしょう。
建設業界は多層構造になっているため、1社だけ週休2日だと連携をとりにくくなります。
【理由4】経費が増加して経営を圧迫するから
週休2日にすると工期が長くなり、経費が増えます。
特に下記の経費が増えるでしょう。
- 人件費
- リース代
経営が厳しい会社には辛いところです。
【理由5】週休2日は法律で義務化されてないし罰則もないから
週休2日は建設業の働き方改革の1つに挙げられていますが、義務ではありません。
もちろん罰則もないので、実施しない会社も多いでしょう。
労働基準法第35条1項では、下記のように定められています。
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
週休2日は義務ではないため「浸透しないのでは?」という声も多いです。
【理由6】民間工事を受注しにくくなるから【ダンピングが起きるかも】
くりかえしですが、週休2日にすると完成まで時間がかかり、人件費やリース代で工事費が高くなります。
そのため、民間工事を受注しにくくなるでしょう。
中には「うちは週休1日で頑張りますよ!その分、早く完成するし工事にも安く済みますよ!」とダンピングする会社があるかもしれません。
価格競争が発生すると、週休2日を実現しにくいです。
建設業界で週休2日を導入した方がいい3つの理由
それでも、建設業界は週休2日を導入していった方が良いでしょう。
主な理由は下記の3つです。
- 人手不足を解消するため
- 企業イメージが向上して人材を採用しやすくなるから
- 従業員のモチベーションアップに有効だから
こちらも1つずつ解説していきます。
人手不足を解消するため
建設業界では人手不足が深刻化しています。
出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」
週休2日を実現しないと、下記のようなデメリットがあるでしょう。
- 離職率が上がる
- 健康被害が出やすくなる
- 3Kのイメージがさらに強くなり就職する人が増えない
建設業界は高齢化も進んでいるので、いつか週6稼働は難しくなるかもしれません。
企業イメージが向上して人材を採用しやすくなるから
まだ週休2日を実施している会社が少ないからこそ、週休2日を実施すれば印象が良いでしょう。
就職先を比較されたときに、週休2日であれば最後に選ばれやすくなります。
若い人材を採用したい会社ほど、週休2日を導入したいところです。
従業員のモチベーションアップに有効だから
週休2日であれば従業員がリフレッシュできて、モチベーションアップにつながるでしょう。
結果、良い仕事につながり、施主や協力会社からの評価も上がっていきます。
経営にも良い影響があるため、週休2日の導入は有効です。
建設業界が週休2日制を実現するためにやるべき5つのこと
結論、下記の5つが必要です。
- 週休2日を見越した工期を設定する
- 週休2日で工事費用を計算する
- 発注者に工期の理解を得る
- 日給制→月給制に変更
- ICT導入で業務を効率化する
1つずつ具体的に解説していきます。
①週休2日を見越した工期を設定する
最初から週休2日を見越した工期を設定する必要があります。
そうすれば、余裕をもったスケジュールが可能です。
工期の設定には、下記のシステムが参考になるでしょう。
また、国土交通省では土木公共工事の工期設定指針を発表しています。
出典:国土交通省「直轄土木工事における適正な工期設定指針」
②週休2日で工事費用を計算する
工事を受注する際は、最初から週休2日の費用を計算して受注しましょう。
公共工事では、必要経費を計上できる補正係数が設定されています。
出典:国土交通省「週休2日対象工事」
週休2日で人件費やリース代を計算しておけば大丈夫です。
③発注者に工期の理解を得る
発注者に週休2日で工事する旨を伝えて、了承を得れば問題ありません。
この辺は営業努力も必要になるでしょう。
ちなみに令和2年10月に施行された改正建設業法では、著しく短い工期で依頼した発注者も国土交通大臣等による勧告・公表されることになりました。
発注者は社名を公表されることで、企業イメージを損なうデメリットがあります。
④日給制→月給制に変更
日当制を月給制に変更していきましょう。
週休2日にして給料が減ってしまうなら、月給制にして従業員の収入が下がらないようにしなければいけません。
ちなみに日本建設業連合会では、会員企業や協力会社組織を通じて、日当労働者を月給の社員にするまでの間の賃金補填も検討しています。
参考:一般社団法人日本建設業連合会「建設業の週休二日を実現します」
⑤ICT導入で業務を効率化する
ICTツールを導入して、従業員の業務を減らしましょう。
業務量が減れば、週休2日を実現しやすくなります。
具体的には、下記のようなICTツールがおすすめです。
- AIツール
- ドローン
- ICT建機
- BIM/CIM
- 施工管理アプリ
- プレキャスト工法
詳しくは下記の記事にまとめています。
これらの対策を実施していけば、週休2日を実現できるでしょう。
建設業の週休2日制の成功事例7選
週休2日を実現した会社って、どんな感じなの?
実際に週休2日を実現した会社の事例を7つ紹介します。
具体的な施策は社名をクリックするとわかるので、参考にしてみてください。
週休2日の求人を探す方法
僕も週休2日で働きたい!
転職サイトなどを見るとわかりますが、週休2日の求人が増えてきました。
なので、きちんと探せば週休2日の会社を見つけることができます。
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【ちなみに】公共工事は週休2日が多い
公共工事をメインで受注している企業は、週休2日を実現していることが多いです。
なぜなら、公共工事は週休2日が主流になっているから。
そもそも国が「週休2日を推進する」といっているのに、公共工事が週休1日ではおかしいですよね。
そのため、公共工事が多い企業の求人を見てみるのもおすすめです。
まとめ:建設業の週休2日制の実現は難しさもあるがやった方がいい
最後にもう一度、週休2日制を実現するためにやるべきことをまとめておきます。
- 週休2日を見越した工期を設定する
- 週休2日で工事費用を計算する
- 発注者に工期の理解を得る
- 日給制→月給制に変更
- ICT導入で業務を効率化する
難しさはあると思いますが、長期的に見ると週休2日を実現した方が良いでしょう。
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あなたの働き方の参考になればうれしいです!