日商簿記とかと比べても難しいのかな?
あと、独学でも合格できるのかな?
どれくらい勉強すればいいのかな?
こういった疑問に答える記事です。
本記事の内容は下記のとおり。
- 建設業経理士2級の難易度を過去問や合格率から分析してみた
- 建設業経理士2級の独学の勉強方法【おすすめのテキストや問題集も紹介】
建設業独特の経理・会計知識を証明するのが「建設業経理士」です。
2級をもっていれば、就職・転職が有利になります。
いきなり1級を受験するよりは、2級から取得するのがおすすめ。
この記事では、建設業経理士2級の難易度をまとめました。
また、合格するための勉強方法もまとめています。
試験勉強の参考にしてみてください。
建設業経理士2級の難易度を過去問や合格率から分析してみた
建設業経理士2級の難易度を、
- 合格率
- 過去問
- 合格基準
- 受験資格
から分析しました。
建設業経理士の受験のイメージにどうぞ。
建設業経理士2級の合格率からみる難易度
建設業経理士試験を主催する一般財団法人建設業振興基金によると、近年の2級の合格率は下記のとおり。
試験時期 | 合格率 |
令和元年9月 | 41.4% |
平成31年3月 | 30.8% |
平成30年9月 | 33.7% |
平成30年3月 | 44.7% |
平成29年9月 | 37.2% |
過去5回の平均合格率 | 37.5% |
参考:一般財団法人建設業振興基金「建設業経理検定」
簡単にいうと、10人中3~4人は合格するので、そんなに難しい試験ではないですね。
ちなみに、日商簿記の合格率は下記のとおり。
- 日商簿記1級:約10%
- 日商簿記2級:約40%
建設業経理士2級と日商簿記2級を合格率だけで比較すると、日商簿記2級の方が合格率は上。
ただし、試験問題の難易度は、建設業経理士2級の方がカンタンです。
難しい順に並べるとこんな感じですね。
- 日商簿記2級
- 建設業経理士2級
- 日商簿記3級
建設業経理士2級の過去問からみる難易度
建設業経理士2級の過去問を見てみましょう。
下記の過去問を見て「わからない…」という人は、きちんと勉強しましょう。
レベルでいうと、前述のとおり日商簿記2級より難易度は下です。
次のような業務に関連する原価計算は、(A)原価計算制度であるか、(B)特殊原価調査であるか、記号(AまたはB) で解答しなさい。
1.自社の作業員が施工している作業を外注したほうが良いかどうかの意思決定資料の作成
2 .複数の工事現場を担当している施工管理者の人件費を、各工事に予定賃率で配賦する工事原価の集計
3.建設機械の買い替えに関する経済計算
4.施工中の工事に関して期末に行う総工事原価の算定
引用元:一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定「第26回建設業経理士検定試験 2級試験問題」
次の支出は、下記の<区分>のいずれに属するものか、記号(A~C)で解答しなさい。
1 .工事用機械を購入するための借入金の利息の支出
2 .入札に応じたが受注できなかった工事の設計料
3.工事現場監督者の人件費
<区分>
A 工事原価として処理する。
B 総原価に含まれるが、ピリオド茜コスト(期間原価)として処理する。
C 非原価として処理する。
引用元:一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定「第25回建設業経理士検定試験 2級試験問題」
試験問題はマークシート
建設業経理士2級の試験は、マークシート方式です。
択一問題と、複数選択問題があります。
記述形式の問題はないので、マークシートでマグレの正解もあり得る点で見ても、そこまで難易度は高くないです。
※1級は記述形式の問題があり、難易度が一気に上がります。
建設業経理士2級の出題範囲
建設業経理士2級の出題範囲は、下記の18項目です。
- 簿記・会計の基礎
- 建設業簿記・会計の基礎
- 完成工事高の計算
- 原価計算の基礎
- 建設工事の原価計算
- 材料費の計算
- 労務費の計算
- 外注費の計算
- 経費の計算
- 工事間接費(現場共通費)の意義と配賦
- 工事原価の部門別計算
- 工事別原価計算
- 取引の処理
- 決算
- 個人の会計
- 会社の会計
- 計算書類と財務諸表
- 本支店会計
わかりやすくいうと、下記のようなイメージ。
- 半分が、日商簿記2級の内容
- 残り半分が、建設業特有の経理知識
参考:一般財団法人建設業振興基金「建設業経理検定」
合格基準からみる難易度
建設業経理士試験の合格基準は「100点満点中70点以上」となっています。
3割は間違えられるので、一般的な資格試験の難易度ですね。
極端に厳しい合格基準ではありません。
受験資格からみる難易度
建設業経理士2級は、誰でも受験できます。
※1級、3級、4級も誰でもOK。
特別な受験資格は不要なので、受験資格からみる難易度は低いです。
建設業経理士2級の試験情報【試験日もチェック】
建設業経理士2級の試験情報は、下記のとおりです。
上期 | 下期 | |
申込期間 | 5~6月 | 11~12月 |
試験時期 | 9月 | 3月 |
合格発表 | 11月 | 5月 |
受験料 | 6590円 | 6280円 |
試験会場 | 47都道府県で受験可能 | 47都道府県で受験可能 |
試験時間 | 2時間 | 2時間 |
参考:一般財団法人建設業振興基金「建設業経理検定」
建設業経理士2級の独学の勉強方法【おすすめのテキストや問題集も紹介】
建設業経理士2級は、独学でも合格できます。
合格のための勉強方法を解説していきます。
まずはテキストと問題集を1冊ずつ購入
まずはテキストと問題集を1冊ずつ買いましょう。
あまりたくさん買うと不効率なので、おすすめしません。
1冊のテキストと問題集を暗記してしまう方が、合格しやすいからです。
たくさん買うと、テキストと問題集をこなすことが目的になりがち。
1つのテキスト・問題集を繰り返し勉強するのが、合格のコツです。
建設業経理士2級は、特に過去問集を繰り返し解けば合格できるレベルです。
簿記レベルによって購入するテキストと問題集は違う
おすすめのテキストと問題集は、下記のとおりです。
簿記の知識がある人 | 建設業経理士のテキストと問題集を1冊ずつ |
簿記の知識がない人 | 日商簿記2級のテキスト1冊建設業経理士のテキストと問題集1冊ずつ |
ようは、簿記の知識がない人は、まず簿記の勉強から始めた方が良いということです。
簿記の知識がない人は、日商簿記2級の勉強から始めて簿記の基礎を勉強しましょう。
簿記の基礎を勉強してから、建設業経理士2級の勉強をする感じです。
おすすめのテキストと問題集
まず建設業経理士2級のテキストは、下記がおすすめ。
Amazonで買ってもいいですが、書店に行って実際にパラパラとページをめくってみるのが大事。
あなたに合いそうな方を購入しましょう。
また、問題集(過去問題集)は下記がおすすめ。
こちらも、書店に行って中身を見てみましょう。
また、簿記の知識がない人は下記もあわせて購入しておくと良いかと。
簿記の基礎知識の勉強に役立ちます。
あと、経理用の電卓を購入しましょう。
小さい電卓だとストレスですよ。
建設業経理士2級の勉強時間
建設業経理士2級の合格に要する時間は、だいたい下記のとおりです。
- 簿記の知識がある人:7~9ヶ月
- 簿記の知識がない人:9~11ヶ月
余裕をもったスケジュールにしていますが、いずれにせよ早めに勉強を始める方が良いです。
特に簿記の知識がない人は、早めに勉強を始めましょう。
まとめ【建設業経理士2級の難易度は、そこまで高くない】
この記事をまとめます。
- 建設業経理士2級の過去5回の平均合格率は37.5%
- 試験問題は日商簿記2級の内容が多いが、問題の難易度は日商簿記2級より下
- 独学でも、過去問を繰り返し解いて勉強すれば合格できる試験
- テキストと問題集は1冊ずつでOK
- 簿記の知識がない人は、日商簿記2級の勉強から
建設業経理士2級の試験勉強の参考になればうれしいです(^^)
ちなみに、建設業経理士1級については、
建設業経理士1級の難易度を合格率などで解説【独学は過去問で勉強】にまとめています。