空港工事施工管理技術者認定試験を解説【勉強方法もわかります】

空港と飛行機
考える男性
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空港工事施工管理技術者ってどんな資格なの?

試験は難しいのかな?

どうやって勉強すればいいの?

あと、他にも取得しておいた方がいい資格ってある?

こういった疑問に答える記事です。

この記事でわかることは下記のとおり。

  • 空港工事施工管理技術者がどんな資格かわかる
  • 空港工事施工管理技術者認定試験の内容がわかる
  • 空港工事施工管理技術者の勉強方法がわかる
  • 空港工事施工管理技術者と併せておすすめの資格がわかる

私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行う会社です。

この記事では、空港工事施工管理技術者について解説します。

空港工事の施工管理の知識・スキルを証明できる資格です。

キャリアアップにも有益な資格なので、取得しておくと良いでしょう。

また、併せて取得しておきたいおすすめの資格もまとめたので、最後まで読んでみてください!

空港工事施工管理技術者とは

空港

空港工事施工管理技術者とは、空港工事の指導的な役割を果たす資格です。

平成23年度に創設された資格で、一般財団法人港湾空港総合技術センターが主宰しています。

空港工事では、下記のような特有の制約条件があります。

  • 制限区域
  • 制限表面
  • 航空管制

こうした空港工事特有の技術・知識を証明できる資格です。

空港工事の施工管理に携わる人は、ぜひとも取得しておきましょう。

試験の合格率【平均30%台】

空港工事施工管理技術者の合格率は下記のとおりです。

年度合格率
2011年35.4%
2012年29.4%
2013年44.2%
2014年44.6%
2015年33.8%
2016年32.5%
2017年39.5%
2018年21.6%
2019年41%
2020年46.2%
2021年34.4%
2022年34.2%
合計36.4%

港湾空港総合技術センターのサイトを参考に計算(小数点は四捨五入)

おおよそ30%台の合格率なので、決して簡単な試験ではありません。

勉強のコツは後述するので、このまま読み進めてみてください。

空港工事施工管理技術者の受験資格

空港工事施工管理技術者認定試験を受験するには、下記の受験要件AかBを満たす必要があります。

受験要件内容
A一級土木施工管理技士か建設部門の技術士の資格をもっている
B空港土木工事で3ヶ月以上の実務経験がある

受験要件Bでは、細かく条件が決められています。

まず、実務経験に該当するのは、施工に直接従事した経験のみです。

設計や施工計画の作成のみは実務経験に含みません。

受験資格に該当する飛行場は下記のとおりです。

  • 空港法の空港
  • 共有空港
  • 自衛隊及び米軍用飛行場
  • 海外の飛行場

ヘリポート、非公共用飛行場、農道場外離着陸場は含まれません。

また、受験資格に該当する施設は下記のとおりです。

施設の種類施設の詳細
基本施設等基本施設(滑走路、着陸帯、誘導路及びエプロン)、過走帯、滑走路端安全区域、誘導路帯、GSE通行帯、飛行場標識施設
付帯施設道路・駐車場、排水施設、共同溝、消防水利施設、場周柵、ブラストフェンスなど
空港用地基本施設等用地、航空保安施設用地、その他の空港施設用地(道路・駐車場、排水施設、場周柵など)

そして、受験資格を証明するために、下記を記載した「実務経歴書」の提出が必要です。

  • 勤務先所在地
  • 工事名称
  • コリンズまたはテクリス登録番号
  • 従事期間工事内容(主要な工種、概算数量等)
  • 工事場所(制限区域内、制限表面の範囲、空港内(供用中、未供用))
  • 従事した立場など

詳しくは、港湾空港総合技術センターのサイトで確認しましょう。

空港工事施工管理技術者認定試験の内容

試験

空港工事施工管理技術者認定試験の内容を下記の項目で解説していきます。

  • 試験問題の内容
  • 試験の合格基準
  • 試験の免除制度
  • 試験のスケジュール
  • 受験料と登録料
  • 更新制度

試験問題の内容【択一式と記述式あり】

試験問題は「択一式」と「記述式」に分かれています。

択一式の概要は下記のとおり。

  • 出題数:25問程度
  • 試験時間:90分
  • 出題分野:空港土木工事の施工に関する専門知識

出題される問題の種類は下記のとおりです。

種類具体的な内容
空港関連(15問程度)空港一般、空港の管理、航空機及びその運航特性、諸機材、制限区域、制限表面、空港の施設、関係法規、空港工事の諸手続、制限区域内の工事など
工事関連(10問程度)空港工事の設計図書・契約、施工管理、安全管理、基本施設等 の舗装、空港一般土木施設の施工、空港施設の維持管理など

次に、記述式の概要は下記のとおりです。

 経験論文(必須)専門論文(選択)
出題数1問1問
文字数1500文字以内1200文字以内
試験時間90分90分
記述する小論文経験した空港土木工事に関する小論文供用中の空港における基本施設等舗装または空港土木施設の施工、維持管理および空港土木工事等専門技術に関する小論文

近年の小論文の出題傾向は、港湾空港総合技術センターのサイトに掲載されているので、必ずチェックしておきましょう。

試験の合格基準

試験の合格基準は下記のとおりです。

  • 択一式:70点以上/100点満点
  • 記述式:60点以上/100点満点

もちろん、択一式と記述式の両方に合格することが必要です。

試験の免除制度

択一式に合格、記述式が不合格だった場合は、翌年の択一式試験が免除されます。

免除されるのは1年だけなので、翌年は必ず合格を目指しましょう。

試験のスケジュール

空港工事施工管理技術者の試験のスケジュールは下記のとおりです。

  • 試験申込期間:6月
  • 試験時期:9月
  • 合格発表:12月

また、試験地は札幌、東京、大阪、福岡、那覇の5カ所です。

詳細は港湾空港総合技術センターのサイトで発表されるので、必ず確認しましょう。

受験料と登録料

空港工事施工管理技術者の受験料は16500円です。

また、合格後は資格の登録に11000円が必要です。

更新制度【継続学習でポイント取得が必要】

空港工事施工管理技術者の資格の有効期限は5年です。

資格を継続するには、継続学習で単位を取得しなければいけません。

継続学習として3つの活動が推奨されています。

  1. 空港工事に関する施工経験
  2. 施工技術の報告の実施、継続学習の実績
  3. 港湾空港総合技術センターの技術講習会への参加

これらの継続学習で、5年間で合計200ポイント以上の単位を取得する必要があります。

「空港工事に関する施工経験」は下記のような配点になっています。

区分ポイント
1年未満の工事
  • 3ヶ月未満:30ポイント
  • 3ヶ月以上~12ヶ月未満:60ポイント
1年以上の工事
  • 1年目:60ポイント
  • 以後12ヶ月未満:15ポイント
  • 以後12ヶ月ごと:30ポイント

「施工技術の報告の実施、継続学習の実績」は下記のような配点です。

  • 施工した工事の報告書の提出:1件につき20ポイント
  • 優れた報告は施工技術報告会で発表:30ポイント
  • 施工技術報告会の聴講:10ポイント
  • 関連団体の講習会・研修会に参加:受講ごとに10ポイント、講師50ポイント
  • 土木関連団体の継続教育制度に参加して資格を更新した場合:10ポイント
  • 土木工事関連誌や各団体の情報誌・論文誌に技術論文の掲載:30ポイント

「港湾空港総合技術センターの技術講習会への参加」の配点は下記のとおりです。

  • 港湾空港総合技術センターの技術講習会への参加:60ポイント
  • 受講報告書を作成して内容が適切と判断された場合:40ポイント

ちなみに、更新手数料は11000円です。

また、5年の更新期間を過ぎてしまうと資格を失効します。

資格失効後1年間であれば、条件を満たすと資格を回復できます。

資格を回復する条件は下記のとおり。

  • 資格の有効期間内+失効後1年以内の継続学習ポイントが200ポイント以上
  • 技術報告書を提出して適切と判断されること

参考:港湾空港総合技術センター

空港工事施工管理技術者の勉強方法

パソコンと勉強
考える男性
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空港工事施工管理技術者って、どうやって勉強すればいいの?

おすすめの勉強方法は下記の2つです。

  1. 空港工事共通仕様書など参考図書で勉強する
  2. 空港工事施工管理技術者の過去問をチェックする

2つとも実践すると良いでしょう。

詳しく解説していきます。

空港工事共通仕様書など参考図書で勉強する

空港工事施工管理技術者は試験対策用のテキストがないため、下記の参考図書で勉強しましょう。

空港工事施工管理技術者の過去問をチェックする

港湾空港総合技術センターのサイトに過去問が掲載されているので、必ず目を通しておきましょう。

択一式・記述式(経験と専門)の過去問がわかります。

実際に時間を計測しながら、試験本番のように問題を解いてみるのもおすすめです。

市販の過去問集がないため、港湾空港総合技術センターのサイトに掲載されている過去問をくりかえし解いてみてください。

空港工事施工管理技術者と併せて取得しておきたい3つの資格

空港の工事現場
考える男性
考える男性
空港工事施工管理技術者と併せて取得した方がいい資格ってあるの?

キャリアアップしていきたいんだよね。

結論、下記の3つがおすすめです。

  1. 土木施工管理技士
  2. 建設部門の技術士
  3. 海上工事施工管理技術者

1つずつ解説するので、キャリアアップの参考にしてみてください。

①土木施工管理技士

土木施工管理技士がおすすめの理由は、年収アップできたり、転職が有利になるから。

※年収アップ・転職が有利になる理由は後述します。

一級土木施工管理技士は空港工事施工管理技術者の受験資格にも該当しており、親和性が高いためおすすめです。

土木施工管理技士を取得するとできることは下記のとおり。

  • 監理技術者(1級のみ)と主任技術者になれる
  • 公共工事を受注するときの評価点である経営事項審査で加点される(1級は5点、2級は2点)

監理技術者と主任技術者の違いは下記のとおりです。

  • 監理技術者:下請に出す工事の総額が4500万円以上、建築一式工事の総額が7000万円以上の現場を担当できる
  • 主任技術者:上記の監理技術者が担当する規模未満の工事を担当できる

土木施工管理技士を取得すると監理技術者・主任技術者になれたり、経営事項審査で加点されるため、会社にとっては貴重な存在になれます。

そのため、昇給で年収アップしたり、転職が有利になる傾向です。

土木施工管理技士を取得するコツは下記の記事にまとめています。

②建設部門の技術士

技術士とは「科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者」を証明できる国家資格です。

空港工事施工管理技術者の受験資格にも該当しているため、こちらも親和性が高くおすすめです。

建設部門の技術士を取得するとできることは下記のとおり。

  • 経営事項審査で5点が加点される
  • 監理技術者・専任技術者になれる

監理技術者・専任技術者の違いは下記のとおりです。

  • 監理技術者:下請に出す工事の総額が4500万円以上、建築一式工事の総額が7000万円以上の現場を担当できる
  • 専任技術者:請負金額4000万円以上、建築一式工事は8000万円以上の現場を担当できる

結論、建設部門の技術士を取得するメリットはこんなにあります。

  • 建設部門の技術士は知名度がある
  • 入札が有利になる
  • 監理技術者・専任技術者になれる
  • 業務知識が増える
  • スキルや専門性を証明できる
  • キャリアアップしやすい
  • 安定して稼げる
  • 年収アップしやすい
  • 転職が有利になる
  • 独立しやすくなる
  • 人脈が広がる
  • 他の資格の受験資格が緩和される

この辺のメリットの詳細は、「技術士は役に立たない」と言われる5つの理由【12個のメリットあり】を参考にどうぞ。

また、技術士を取得するコツは、建設部門の技術士の合格率や難易度【おすすめの勉強方法も紹介します】にまとめています。

③海上工事施工管理技術者

海上工事施工管理技術者とは、海上工事の施工管理のスキルを証明する資格です。

空港工事は海上工事も多いため、併せて取得しておくと良いでしょう。

※海上工事施工管理技術者も港湾空港総合技術センターが主宰しています。

試験の内容は、海上工事施工管理技術者認定試験を解説【合格率や試験問題も紹介】を参考にどうぞ。

まとめ:空港工事施工管理技術者を取得してキャリアアップしよう

夕焼けの空港と飛行機

この記事をまとめます。

  • 空港工事施工管理技術者とは、空港工事の指導的な役割を果たす資格
  • 試験の合格率は平均30%台
  • 試験問題は「択一式」と「記述式」に分かれている
  • 合格基準は択一式が70点以上、記述式が60点以上
  • 試験対策用のテキストがないため、参考図書や過去問で勉強する

さっそく港湾空港総合技術センターのサイトで詳細をチェックして、勉強を始めてみてください。

また、空港工事施工管理技術者と併せておすすめの資格は下記の3つです。

  1. 土木施工管理技士
  2. 建設部門の技術士
  3. 海上工事施工管理技術者

資格の詳細は下記の記事にまとめたので参考にどうぞ。

あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!

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