1級土木施工管理技士の合格率や過去問から見る難易度

土木工事
施工管理の男性
施工管理の男性
1級土木施工管理技士の試験って難しいのかな…?

合格率はどれくらいなの?

仕事が忙しいから、きちんと勉強できるか不安だなぁ…

勉強のコツも教えてほしい。

こういった疑問や不安に応える記事です。

この記事でわかることは下記のとおり。

  • 1級土木施工管理技士の合格率の推移
  • 第一次検定と第二次検定から見る難易度
  • 過去問例
  • 受験資格から見る難易度
  • 他資格との難易度の比較
  • 合格点から見る難易度
  • 合格に効果的な勉強方法
  • 第二次検定の経験記述の例文
  • 合格発表
  • 1級土木施工管理技士の年収

私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行う会社です。

この記事では、一級土木施工管理技士の合格率や過去問から分析した資格試験の難易度を紹介します。

施工管理技士の資格の中でも需要が多い「土木施工管理技士」ですが、1級の需要は特に高いです。

1級土木施工管理技士に合格することで、あなたの仕事の幅や将来性・年収は大きく上がるでしょう。

あなたの1級土木施工管理技士合格の参考になればうれしいです。

それでは、さっそく見ていきましょう!

SAN-SUKE

目次

1級土木施工管理技士の合格率の推移から見る難易度

髪とペン

1級土木施工管理技士の合格率の推移から資格試験の難易度を見てみましょう。

年度 第一次検定(学科)合格率 第二次検定(実地)合格率
16年度 37.8% 56.4%
17年度 49.2% 56.2%
18年度 51.2% 30.7%
19年度 50.8% 36.7%
20年度 70.5% 25.9%
21年度 50.9% 19.1%
22年度 53% 18.5%
23年度 40.8% 20.8%
24年度 54.8% 34.6%
25年度 60% 35.3%
26年度 58.5% 39.5%
27年度 54.6% 37.3%
28年度 55% 36.7%
29年度 66.2% 30%
30年度 56.5% 34.5%
令和元年 54.7% 45.3%
令和2年 60.1% 31%
令和3年 60.6% 36.6%

参考:株式会社東北技術検定研修協会

近年の合格率は下記のとおり。

  • 第一次検定(学科試験):約60%
  • 第二次検定(実地試験):約35%

つまり「第一次検定(学科)は合格するけど、第二次検定(実地)でなかなか合格できない」という人が多いようです。

第一次検定は4つから1つを選ぶマークシート方式ですが、第二次検定は記述式です。

第二次検定では文章表現力も必要です。

「マークシートはできるけど、文章を書くのは苦手」という人も多いため、第二次検定の難易度が高くなっています。

第一次検定は過去問・参考書・講習会・通信講座などで対策がしやすいため、合格率が高くなっています。

第一次検定は一発合格する人も多いです。

1級土木施工管理技士の試験内容から見る難易度

テスト

1級土木施工管理技士の試験内容は前述のとおり、第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)があります。

第一次検定と第二次検定で試験内容や難易度が違うので、ポイントを見ていきましょう。

また、過去問もご紹介します。

第一次検定(学科試験)の内容と難易度

第一次検定(学科試験)の科目は、下記の3つです。

  1. 土木工学等
  2. 施工管理法
  3. 法規

第一次検定は午前の試験が土木一般・専門土木・法規で、試験時間は2時間30分。

午後の試験が共通工学・施工管理法で、試験時間は2時間です。

午前中の土木一般・専門土木・法規は選択問題のため、回答する問題を選ぶことができます。

  • 土木一般:15問中12問を選んで回答
  • 専門土木:34問中10問を選んで回答
  • 法規:12問中8問を選んで回答

午後の共通工学・施工管理法は全問に回答しなければいけない必須問題です。

  • 共通工学・施工管理(知識):20問中20問に回答
  • 施工管理法(応用能力):15問中15問に回答

第一次検定は全部で96問あり、96問中65問に回答する必要があります。

また、合格ラインは「正答率60%」ですので、65問回答したうち39問以上に正解すると第一次検定試験合格です。

※ただし、施工管理法(応用能力)で15問中9問以上に正答する必要あり。

午前中の土木一般・専門土木・法規は選択問題のため、自分の得意分野だけを答える戦法もアリです。

ですが、午後の共通工学と施工管理法は全問に答えなければいけないので、しっかりと勉強が必要です。

第一次検定はほとんどが暗記問題です。

一部計算問題もありますが、マークシートなので「どう計算したか」までは問われません。

試験範囲が広く、2級土木施工管理技士の試験よりも専門性が高いため、勉強しないで合格するほど甘くはありません。

ですが、暗記が多いのできちんと勉強すれば1回で合格できるレベルです。

第一次検定(学科試験)の過去問

第一次検定(学科試験)の過去問をご紹介します。

これを見て「わからない!」という人は、しっかり勉強しましょう。

コンクリート用混和材に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。

⑴ フライアッシュを適切に用いると,コンクリートのワーカビリティーを改善し単位水量を減らすことができることや初期強度の増進などの効果がある。

⑵ 膨張材を適切に用いると,コンクリートの乾燥収縮や硬化収縮に起因するひび割れの発生を低減するなどの効果がある。

⑶ 高炉スラグ微粉末を適切に用いると,コンクリートの湿潤養生期間を短くすることができることや,コンクリートの長期強度の増進などの効果がある。

⑷ 石灰石微粉末を適切に用いると,ブリーディングの抑制やアルカリシリカ反応を抑制するなどの効果がある。

港則法上,工事に関わる港長への次の手続きのうち,誤っているものはどれか。

⑴ 特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業しようとする者は,港長の許可を受けなければならない。

⑵ 船舶は,特定港に入港したとき又は特定港を出港しようとするときは,国土交通省令の定めるところにより,港長の許可を受けなければならない。

⑶ 船舶は,特定港内又は特定港の境界附近において危険物を運搬しようとするときは,港長の許可を受けなければならない。

⑷ 船舶は,特定港内において危険物の積込,積替又は荷卸をするには,港長の許可を受けなければならない。

引用元:一般財団法人全国建設研修センター「平成30年度1級土木施工管理技術検定学科試験問題A(選択問題)」

盛土の締固めの品質管理に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。

⑴ TS(トータルステーション)・GNSS(衛星測位システム)を用いて,締固め機械の走行記録をもとに管理する方法は,品質規定方式の1つである。

⑵ RI 計器により密度を測定する方法は,品質規定方式の1つである。

⑶ 砂置換法により密度を測定する方法は,工法規定方式の1つである。

⑷ プルーフローリングを用いて変形量を測定する方法は,工法規定方式の1つである。

鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリート中の鉄筋位置を推定する次の試験方法のうち,適当でないものはどれか。

⑴ 電磁波レーダー法

⑵ 分極抵抗法

⑶ X 線法

⑷ 電磁誘導法

引用元:一般財団法人全国建設研修センター「平成30年度1級土木施工管理技術検定学科試験問題B(必須問題)」

第二次検定(実地試験)の内容と難易度

第二次検定(実地試験)の内容は、必須問題と選択問題があります。

必須問題の内容は自身の施工経験を書く「経験記述」です。

記述内容は、安全管理・工程管理・品質管理などで、下記などを記述する試験です。

  • 工事名
  • 工事の内容
  • 発注者名
  • 工事場所
  • 工期
  • 主な工種
  • 施工量
  • 工事現場における施工管理上のあなたの立場
  • 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
  • 現場で実施した対応処置

簡潔でわかりやすい日本語で書ける文章力が必要です。

どんなに現場経験が優れていても、わかりにくい文章だったり誤字脱字があると減点対象になりますので注意してください。

第二次検定の経験記述の例文は、1級土木施工管理技士の実地試験の経験記述の例文にまとめてます。

選択問題は、下記などのジャンルから出題されます。

  • 土木
  • コンクリート
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 施工管理
  • 建築廃棄物

4つの選択問題が2つ(計8問)あり、4つの選択問題中2問に回答する必要があります。

なお、選択問題もマークシートではなく記述式です。

第一次検定同様、第二次検定も計算問題は少ないです。

ですが、難関は必須問題の「経験記述」でしょう。

過去問を見て、ある程度文章の型を作っておかないと本番で良い文章が書けません。

前述のとおり、第二次検定は合格率が低いため難易度が高いといえます。

試験時間は2時間45分あり余裕があるため、1問1問しっかり解いていくのが大切です。

第二次検定(実地試験)の過去問

第二次検定(実地試験)の過去問をご紹介します。(選択問題より)

これを見て「わからない!」という人は、しっかり勉強しましょう。

盛土材料の改良に用いる固化材に関する次の2項目について,それぞれ1つずつ特徴又は施工上の留意事項を解答欄に記述しなさい。

ただし,⑴と⑵の解答はそれぞれ異なるものとする。

⑴ 石灰・石灰系固化材

⑵ セメント・セメント系固化材

建設工事現場における作業のうち,次の⑴又は⑵のいずれか1つの番号を選び,番号欄に記入した上で,記入した番号の作業に関して労働者の危険を防止するために,労働安全衛生規則の定めにより事業者が実施すべき安全対策について解答欄に5つ記述しなさい。

⑴ 明り掘削作業(土止め支保工に関するものは除く)

⑵ 型わく支保工の組立て又は解体の作業

引用元:一般財団法人全国建設研修センター「平成30年度1級土木施工管理技術検定実地試験問題」

1級土木施工管理技士の受験資格から見る難易度

現場監督

1級土木施工管理技士の受験資格をご紹介します。

※スマホを横にすると見やすいです。

最終学歴or資格 土木施工の実務経験年数
指定学科 指定学科以外
大卒、専門卒(高度専門士) 卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
短大卒、高専卒、専門卒(専門士) 卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後10年以上 卒業後11年6ヶ月以上
その他 15年以上
高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後8年以上の実務経験に指導監督的実務経験を含み、かつ、5年以上の実務経験後に専任の監理技術者に2年以上の指導を受けている者
専任の主任技術者の実務経験1年以上 高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後8年以上 卒業後9年6ヶ月以上
その他 13年以上
2級合格者

続いて、第二次検定試験の受験資格は下記のとおり。

最終学歴or資格 土木施工の実務経験年数
指定学科 指定学科以外
2級合格後3年以上 合格後1年以上の指導監督的実務経験および専任の監理技術者に2年以上の指導を受けた実務経験が3年以上
2級合格後5年以上 合格後5年以上
2級合格後5年未満 高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後9年以上 卒業後10年6ヶ月以上
その他 14年以上
専任の主任技術者の実務経験が1年以上の2級合格者 合格後3年以上 合格後1年以上、専任の主任技術者実務経験を含む3年以上
合格後3年未満の短大卒、高専卒、専門卒(専門士) 卒業後7年以上
合格後3年未満の高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後7年以上 卒業後8年6ヶ月以上
合格後3年未満のその他 12年以上

参考:一般財団法人全国建設研修センター

いずれにしても実務経験が必要ですので、未経験者は受験自体ができません。

日本にある資格の中で「実務経験がないと受験できない」という資格は少ないため、受験する難易度が高い資格といえるでしょう。

1級土木施工管理技士と他の資格の難易度の比較

ショベルカー

1級土木施工管理技士と他の建設系資格の難易度の比較をしてみましょう。

「どの資格から受験するか」を悩む人も多いはずです。

「合格しやすい資格からとる」というのも大切な考え方ですので、1級土木施工管理技士と他の資格の難易度を比較してみましょう。

1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の難易度の比較

受験資格があれば、2級土木施工管理技士を飛ばして1級土木施工管理技士から受験することも可能です。

近年の1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の合格率はこちら。

第一次検定合格率 第二次検定合格率
1級土木施工管理技士 60.6% 36.6%
2級土木施工管理技士 73.6% 35.7%

第一次検定×第二次検定の合格率は下記です。

  • 1級土木施工管理技士:22.1%
  • 2級土木施工管理技士:26.2%

1級土木施工管理技士の方が合格率が低く、難易度も高いといえるでしょう。

実際の試験問題を見るとわかりますが、1級土木施工管理技士の試験問題は2級よりも専門的な問題が多いです。

1級の勉強をせずに合格できるほど甘い試験ではありません。

また、第二次検定の経験記述は2級と1級では採点基準が違います。

2級は「初めての土木施工管理技士試験」ということもあり、甘めに採点されます。

ですが、1級はベテランとして見られるため、経験記述の内容に矛盾があったり、論点がずれていたり、わかりにくい文章だと辛めに採点されます。

もちろん、現場では2級よりも1級土木施工管理技士の方が重宝されますから、1級を目指す方が良いでしょう。

1級土木施工管理技士と1級建築施工管理技士の難易度の比較

1級土木施工管理技士と1級建築施工管理技士を比較すると、1級建築施工管理技士の方が難易度が高いです。

理由は出題範囲です。

1級土木施工管理技士は実務経験の延長で理解できる問題も多いですが、1級建築施工管理技士は経験のない分野の問題も多いです。

1級建築施工管理技士の方が勉強時間も多く必要です。

1級土木施工管理技士と一級建築士の難易度の比較

1級土木施工管理技士と一級建築士では、圧倒的に一級建築士の方が難易度が高いです。

一級建築士は学歴も必要で受験資格が厳しいため難易度が高いです。

1級土木施工管理技士は数年チャレンジすれば合格できる人が多いですが、一級建築士は何年チャレンジしても合格できない人もいます。

一級建築士の難易度については、一級建築士試験の合格率や受験資格からみる難易度に詳しくまとめてます。

1級土木施工管理技士と測量士の難易度の比較

1級土木施工管理技士と測量士なら、1級土木施工管理技士の方が難易度が高いです。

測量士は実務経験1年で登録できるため難易度は低めです。

また、試験問題も1級土木施工管理技士の方が難しいですね。

測量士の詳細は、測量士の難易度は高い【合格率は10%くらい。独学は1年前から対策】にまとめてます。

1級土木施工管理技士の合格点から見る難易度

紙とペン

1級土木施工管理技士の合格点は下記のとおりです。

  • 第一次検定:60%以上の正答
  • 第二次検定:60%以上の正答

反対にいえば、40%は間違えてもいいということです。

前述のとおり、第一次検定・第二次検定ともに選択問題があるため、自分の得意分野を伸ばす勉強法も良いでしょう。

※選択問題の中の不得意分野は初めから捨てる人もいます。

また、第一次検定に合格した人だけが第二次検定を受けられるため、まずは第一次検定の勉強に集中すれば良いのです。

第一次検定に合格してから第二次検定の勉強を始めても間に合うので、勉強しやすい試験といえます。

また、第一次検定に合格した人は翌年の学科試験が免除されます。

なので、「1年目で第一次検定に合格、2年目で第二次検定に合格」というスケジュールもありです。

合格点や学科試験免除があることから、落とす試験よりも「合格させる試験」ともいえます。

近年は土木施工管理技士の不足が問題になっていますから、国としても土木施工管理技士を増やしたいのでしょう。

1級土木施工管理技士の勉強方法

勉強

1級土木施工管理技士に合格するための勉強方法は、大きく分けると下記の3つがあります。

  1. 独学
  2. 通信講座
  3. 講習会

あなたに合う勉強方法を選びましょう。

また、下記のように組み合わせの勉強方法も有効です。

  • 独学+通信講座
  • 独学+講習会

それぞれの勉強方法のメリットやデメリット、コツなどを見ていきましょう。

独学で勉強する場合

独学で勉強する方法は、参考書・問題集などを買って勉強します。

土木施工管理技士は受験する人が多いため、良い参考書や問題集が多いです。

独学のメリットは下記の3つ。

  1. 自分の好きなタイミングで勉強できる
  2. 自分のペースで勉強できる
  3. 講習会や通信講座よりお金がかからない

一方、独学のデメリットは下記の3つです。

  1. わからないことが出てきても聞けない、自分で調べるしかない
  2. モチベーションが上がらないときがある
  3. 自己管理ができないとなかなか合格できない

学生時代に塾などに行かなくても率先して勉強できた人は独学でもいけるでしょう。

ただし、学生時代と違うのは「仕事をしながら勉強しなければならない」ということです。

仕事をしながら勉強したことがある人はわかると思いますが、なかなか大変ですよね。

仕事でヘトヘトになった後から勉強をするのはきついものです。

仕事をしながら独学で勉強するコツは「勉強時間は短くてもいいから、毎日勉強すること」です。

空き時間や通勤時間の30分程度でもかまわないので「毎日続けること」が大切。

「どんなに疲れていても毎日2時間勉強するぞ!」と意気込むと、すぐに続かなくなってしまいます。

勉強とダイエットは毎日少しずつ継続することが大事ですね。

「短い時間でもいい」と決めておけば心理的な負担が少なくなり、結果、毎日勉強ができるようになります。

休日は少し多めに勉強時間をとるのも良いでしょう。

通信講座で勉強する

通信講座に申し込んで勉強する人も多いです。

土木施工管理技士は優れた通信講座が多いです。

通信講座のメリットは下記の3つ。

  1. わからないことを質問できる
  2. 採点や添削、勉強のアドバイスがもらえるため効率が上がる
  3. 通信講座のとおりに勉強すれば合格できる可能性が高い

一方、通信講座のデメリットは下記の3つです。

  1. 独学よりもお金がかかる
  2. 自分の好きな順序で勉強できない
  3. 通信講座選びに失敗すると勉強の質が下がる

特に、第二次検定の経験記述の添削をしてもらえる通信講座はおすすめです。

講習会に参加する

講習会に参加することで勉強する人もいます。

1級土木施工管理技士の講習会も多くあります。

講習会で勉強するメリットは下記の4つ。

  1. わからないことを先生にすぐ聞ける
  2. プロの講師の授業が聞ける
  3. 仲間ができる、出会いがある
  4. 最新の受験対策情報が手に入る

一方、講習会のデメリットは下記の4つです。

  1. 費用が高い
  2. 忙しい人はスケジュールが合わない、参加できない
  3. 自分の好きな順序で勉強できない
  4. 講習会の内容が悪いと時間の無駄

建設会社によっては講習会を会社で開催してくれるところもあります。

※建設会社も1級土木施工管理技士が増えるとメリットが大きいですからね。

1級土木施工管理技士の勉強期間・勉強時間

仕事をしながら勉強する人はどうしても勉強時間が確保できない日もあるため、半年くらいの勉強期間を想定しておきましょう。

第一次検定は7月頃ですので、1月上旬には勉強を始めましょう。

第二次検定は、第一次検定に合格後すぐに勉強を始めてください。

また、1級土木施工管理技士の合格に必要な勉強時間は約170時間です。

※1級土木施工管理技士に合格した人の勉強時間を参考に算出しました。

1日にどれくらいの時間勉強できるかによって、勉強期間が違ってきます。

  • 1日1時間勉強すると、勉強期間は約170日(約半年)
  • 平日に1時間、土日に3時間勉強すると、勉強期間は約4ヶ月
  • 平日30分、土日に2時間勉強すると、勉強期間は6~7ヶ月
  • 毎日2時間勉強できれば、勉強期間は約3ヶ月

あなたの生活スタイルに合う、無理なく続けられる勉強スケジュールを立てましょう。

1級土木施工管理技士の第二次検定(実地試験)の経験記述の例文

紙とペン

1級土木施工管理技士の第二次検定の経験記述の例文を紹介します。

第二次検定の経験記述は、過去問を見ながら自分なりに文章を書いてパターンを作っておきましょう。

パターンがないと試験本番でうまく書くことができません。

通信講座で経験記述の添削をしてもらうのもおすすめです。

設問1の記入例はこんな感じです。

  • 工事名:八王子市営住宅団地造成工事
  • 発注者名:八王子市都市計画局
  • 工事場所:東京都八王子市平岡町1丁目1番地-1
  • 工期:平成26年2月15日~平成26年6月27日
  • 主な工種:土工・擁壁工
  • 施工量:切土・盛土量6410㎥・鉄筋コンクリートL形擁壁工・平均高さ3m
  • 工事現場における施工管理上のあなたの立場:現場監督員

設問2の記入例はこんな感じです。

問1:具体的な現場状況と特に留意した課題

記入例:住宅街に隣接しているため、工事の騒音・振動および粉塵の発生等の環境保全対策を特に重要と考えた。

問2:課題を解決するために現場で実施した対応処置

記入例:

・周辺住民に工事中の環境保全に関する説明を行い協力を求めた。

・低騒音、低振動の機器や工法を採用した。

・工事現場内と進入道路にて、散水や清掃を励行し塵埃の発生を抑えた。

・工事現場内および周辺道路で停車中のアイドリングを禁止した。

経験記述はできるだけ簡潔にわかりやすく書くのがコツです。

さらに詳しい経験記述のコツは、一級土木施工管理技士の経験記述の丸写しはデメリットが大きい【例文も紹介】にまとめています。

1級土木施工管理技士の合格発表

1級土木施工管理技士の合格発表時期は下記のとおりです。

  • 第一次検定:8月中旬
  • 第二次検定:翌年1月

1級土木施工管理技士の年収

給料袋

1級土木施工管理技士の年収は約450万円です。

2級よりは1級の方が年収は高いですし、実務経験が増えていくと年収も上がっていきます。

日本では台風や地震など災害が多いため、土木施工管理技士の需要は高いです。

施工管理技士の年収については、施工管理の平均年収や現場監督の仕事内容に詳しくまとめています。

1級土木施工管理技士とは?

ショベルカー

今さらですが、そもそも1級土木施工管理技士の仕事内容などをご紹介します。

土木施工管理技士は橋梁・道路・トンネル・ダムなどの土木工事で施工管理を行う仕事です。

現場の安全管理、品質管理、工程管理、原価管理などを行い、目標の建設物の完成を目指して現場の指揮をとります。

1級と2級では、建設会社が受けられる工事の規模が違います。

下請け専門業者であれば2級土木施工管理技士でも工事を請けられますが、元請け会社や公共工事の受注をする場合は1級土木施工管理技士が必要です。

1級土木施工管理技士の資格を取得すると、下記の資格も付与されます。

  • 専任技術者
  • 主任技術者
  • 監理技術者
  • 現場代理人(現場監督)

特に、1級土木施工管理技士は「監理技術者」の資格があるため、特定建設業(下請に出す工事の総額が4500万円以上、建築一式工事の総額が7000万円以上の工事)と一般建設業、両方の建設業許可を得ることができます。

簡単にいうと、2級より1級の方が大型の工事を受注できるのです。

建設会社は施工管理技士を何人雇用しているかが重要です。

常勤で雇用している施工管理技士の人数によって、建設会社には点数が与えられます。

この点数は「経営事項審査」といい、下記が加算されます。

  • 2級の施工管理技士:2点
  • 1級の施工管理技士:5点
  • 監理技術者講習を受けたらさらに1点追加

経営事項審査の点数が高い建設会社は公共工事の受注を受けやすくなるなど大きなメリットがあります。

ですので、1級土木施工管理技士は会社からも重宝されます。

詳しくは、施工管理技士の資格の種類や試験の難易度【各試験の難易度順も解説】も参考にどうぞ。

今後も土木施工管理技士の仕事はあるの?

土木施工管理技士の仕事は、下記など今後もたくさんあります。

  • 2027年開業予定のリニア新幹線の関連工事
  • インフラの老朽化対策の公共工事
  • 災害復旧工事

1級土木施工管理技士の資格を取得しておけば仕事に困ることはないでしょう。

詳しくは、施工管理の将来性は明るい【東京オリンピック後も問題ないかと】も参考にどうぞ。

土木施工管理技士に向いている人

土木施工管理技士に向いている人は、下記のような人です。

  • 視野の広い人
  • トラブルに冷静に対処できる人
  • 計画性のある人
  • 目標達成のために逆算して考えられる人
  • 効率的・合理的に考えられる人
  • リーダーシップのある人
  • チームワークを活かせる人

現場監督業が多いですから、上記のようなスキルがないと工事現場全体の監督ができません。

ちなみに、施工管理に向いてる人の特徴は、施工管理に向いてる人の特徴30選【未経験で就職する方法も解説】にもまとめているので参考にどうぞ。

1級土木施工管理技士の就職先

1級土木施工管理技士の主な就職先は、下記のとおりです。

  • ゼネコン
  • 土木系建設会社
  • 海洋土木会社
  • 鉄道会社
  • 土木系の公務員

施工管理技士の中でも土木は活躍の場が広いのがメリットです。

1級土木施工管理技士の第一次検定(学科試験)の免除者

1級土木施工管理技士の第一次検定を免除される人は、下記の人です。

  • 昨年度、1級土木施工管理技士の第一次検定に合格している人
  • 技術士法の第二次試験のうち技術部門を建設部門、上下水道部門、農業部門、森林部門、水産部門、総合技術監理部門に合格して、1級土木施工管理技術検定・第一次検定の受検資格のある人

参考:一般財団法人全国建設研修センター「1級土木施工管理技術検定試験」

1級と2級の間に技士補ができました

2021年から、施工管理技士の1級と2級の間に「技士補」という資格が新設されました。

簡単にいうと「施工管理技士を補佐する人」という意味。

第一次検定に合格したけど、第二次検定が不合格だった人に「技士補」が付与されます。

1級技士補になると、施工管理技士に合格してなくても現場の責任者になれるメリットがあります。

技士補については、技士補はいつから?【答え:2021年から!どんな資格かも解説】にまとめてます。

1級土木施工管理技士の願書受付期間

1級土木施工管理技士の願書受付期間は3月です。

願書の申し込み用紙は1部600円です。

1級土木施工管理技士の試験日

1級土木施工管理技士の試験日は下記のとおりです。

  • 第一次検定:7月
  • 第二次検定:10月

1級土木施工管理技士の試験会場

1級土木施工管理技士の試験会場は、下記の13地区です。

  • 札幌
  • 釧路
  • 青森
  • 仙台
  • 東京
  • 新潟
  • 名古屋
  • 大阪
  • 岡山
  • 広島
  • 高松
  • 福岡
  • 那覇

1級土木施工管理技士の受験料

1級土木施工管理技士の受験料は下記のとおりです。

  • 第一次検定:10500円
  • 第二次検定:10500円

参考:一般財団法人全国建設研修センター「1級土木施工管理技術検定試験」

まとめ【1級土木施工管理技士の難易度は高いけど、きちんと勉強すれば合格率は上がる】

応援する女性

1級土木施工管理技士は、特に第二次検定が難しいです。

試験は1点が合否を分けるため、少しでも合格のコツを知っておくことが勝負の分かれ目。

もし不合格になってしまうと、また勉強のやり直しで辛いですよ。

毎日少しずつでもいいので継続して勉強を始めましょう。

あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!

ちなみに、1級土木施工管理技士を取得して転職したい人は、会社選びに要注意。

ご存知のとおり、建設業界はブラック企業もあるので、転職はリスクもあります。

重要なのは、会社選びです。

施工管理の転職の会社選びのコツを、施工管理(現場監督)の転職先の会社選びのコツ【転職活動方法も解説】にまとめたので参考にどうぞ。

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