試験は難しいのかな?
どれくらい前から勉強すればいいのかな?
あと、どう勉強すれば合格できるかな?
資格をとって、キャリアアップしたいな。
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- CAD利用技術者とは
- CAD利用技術者試験の難易度を合格率や過去問から分析
- CAD利用技術者試験に合格するための勉強方法
- CAD利用技術者試験の概要
会社から言われてCAD利用技術者試験を受ける人もいるでしょう。
どうせ受験するなら、合格したいですよね。
なので、CAD利用技術者試験の難易度を解説します。
合格率、過去問、合格基準から難易度を分析しました。
また、合格するための勉強方法もまとめています。
あなたの勉強の参考になればうれしいです!
目次
【そもそも】CAD利用技術者とは
CAD利用技術者とは、CADソフトの操作スキルや、CADオペレーターとしての知識や技術を証明できる民間資格です。
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主宰しています。
CAD利用技術者試験に合格して資格を取得すると、下記のようなメリットがあります。
- 給料アップする会社もある
- 転職が有利になる
試験は「2次元」と「3次元」があり、下記の級があります。
- 2次元:基礎・2級・1級
- 3次元:2級・準1級・1級
※各級の解説は後述します。
CAD利用技術者の年収【経験やスキルによる】
結論、年収は本人の経験やスキルに大きく左右されます。
年収の幅は300万~600万円くらい。
経験が浅いCADオペレーターだと年収300万円くらいですが、ベテランになると年収600万円ほど稼ぐ人もいます。
この辺は、CADオペレーターの平均年収・給料【年収を上げる方法も解説】も参考にどうぞ。
CAD利用技術者試験に合格した人の就職先
主な就職先は下記のとおりです。
- メーカー
- 建設会社
- 設計事務所
- ハウスメーカー
- アパレル系
- インテリア系
ただし、大手になるほど倍率が高いので、CAD利用技術者があっても就職できないこともあります。
CAD利用技術者試験の難易度を合格率や過去問から分析
CAD利用技術者試験の難易度を解説します。
結論、極端に難しい試験ではありません。
下記のジャンルで難易度を解説していきますね。
- 合格率
- 過去問
- 合格基準
CAD利用技術者試験の合格率から見る難易度
CAD利用技術者試験の近年の合格率を試験ごとに解説します。
CAD利用技術者試験には、下記の区分があります。
- 2次元CAD利用技術者試験基礎
- 2次元CAD利用技術者試験2級
- 2次元CAD利用技術者試験1級
- 3次元CAD利用技術者試験2級
- 3次元CAD利用技術者試験準1級
- 3次元CAD利用技術者試験1級
あなたが受験する試験の参考にしてみてください。
参考:一般社団法人コンピュータ教育振興協会「CAD利用技術者試験」
2次元CAD利用技術者試験基礎の合格率
年度 | 合格率 |
2017年 | 58.7% |
2018年 | 79.6% |
2019年 | 65.7% |
2020年 | 77% |
2021年 | 82% |
過去5年の平均合格率 | 72.6% |
10人中7人以上は合格できるので、難易度は低めです。
2次元CAD利用技術者試験2級の合格率
年度 | 合格率 |
2017年 | 54.1% |
2018年 | 50.2% |
2019年 | 49.2% |
2020年 | 55.7% |
2021年 | 52.2% |
過去5年の平均合格率 | 52.3% |
2人に1人は合格できますね。
きちんと勉強すれば大丈夫。
2次元CAD利用技術者試験1級
年度 | 機械の合格率 | 建築の合格率 | トレースの合格率 |
2017年前期 | 52.5% | 22.4% | 59.5% |
2017年後期 | 41.2% | 60.8% | 73.7% |
2018年前期 | 74.7% | 38.8% | 64.2% |
2018年後期 | 62.1% | 62.2% | 60% |
2019年前期 | 48% | 41% | 62.9% |
2019年後期 | 27% | 34.6% | 58% |
2020年後期 | 44.5% | 53.4% | 60.2% |
2021年前期 | 49.7% | 15% | 67.5% |
2021年後期 | 42.6% | 39.6% | 59% |
過去5年の平均合格率 | 49.1% | 40.8% | 62.7% |
トレースは難易度が低めです。
機械と建築は、年度によって大きく合格率が動きます。
3次元CAD利用技術者試験2級
年度 | 合格率 |
2017年前期 | 57.1% |
2017年後期 | 56.3% |
2018年前期 | 35.7% |
2018年後期 | 47.3% |
2019年前期 | 68% |
2019年後期 | 55% |
2020年前期 | 73.7% |
2020年後期 | 58.9% |
2021年 | 44.6% |
過去5年の平均合格率 | 55.1% |
2人に1人は合格できますね。
ただし、業務で3DCADを使っていないとかなり難しいです。
3次元CAD利用技術者試験準1級
年度 | 合格率 |
2017年前期 | 46% |
2017年後期 | 44.7% |
2018年前期 | 42.1% |
2018年後期 | 52.4% |
2019年前期 | 47.6% |
2019年後期 | 30.6% |
2020年前期 | 60.1% |
2020年後期 | 59.9% |
2021年前期 | 51.5% |
2021年後期 | 54.6% |
過去5年の平均合格率 | 48.9% |
平均合格率が40%台になるので、けっこう難易度が上がりますね。
きちんと勉強して臨みましょう。
3次元CAD利用技術者試験1級
年度 | 合格率 |
2017年前期 | 42.4% |
2017年後期 | 26.8% |
2018年前期 | 39.7% |
2018年後期 | 24.3% |
2019年前期 | 21% |
2019年後期 | 35.7% |
2020年前期 | 27.2% |
2020年後期 | 36.8% |
2021年前期 | 24.2% |
2021年後期 | 31.6% |
過去5年の平均合格率 | 30.9% |
3次元の1級になると、ついに合格率が30%台になります。
しっかり勉強しないと落ちるので、頑張りましょう。
CAD利用技術者試験の過去問からみる難易度【ダウンロード可】
CAD利用技術者試験の過去問は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会のホームページからダウンロードできます。
過去問から多く出題される傾向なので、過去問を勉強してれば大丈夫です。
2次元CAD利用技術者試験基礎以外は、試験が前期と後期に分かれています。
正直、後期試験の方が難易度が低い傾向ですね。
なぜなら、後期試験は前期試験と同じような問題が出題されやすいからです。
1年おきに出題の傾向が変わるのですが、同じ年の前期と後期の問題の傾向は似ています。
なので、前期の問題も勉強しながら後期に受験すると合格しやすいです。
ちなみに、3次元の試験は日頃から3DCADを使ってないと難しいです。
3DCAD経験がない人は、まず実務から慣れていった方がいいですね。
合格基準からみる難易度
合格基準から見る難易度も、そこまで高くないです。
2次元CAD利用技術者試験基礎は、全体の7割以上正答で合格。
下記の5つは、各試験分野で5割以上、かつ全体で7割以上正答で合格です。
- 2次元CAD利用技術者試験2級
- 2次元CAD利用技術者試験1級
- 3次元CAD利用技術者試験2級
- 3次元CAD利用技術者試験準1級
- 3次元CAD利用技術者試験1級
つまり、平均すると6割くらい解けてればOKなイメージですね。
10問中3~4問間違っても大丈夫なので、合格基準からみる難易度はそこまで高くありません。
過去問を中心にきちんと勉強すれば、合格できる試験レベルです。
CAD利用技術者試験に合格するための勉強方法【参考書やテキストで対策】
CAD利用技術者試験に合格するためには、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が発売している公式ガイドブックを購入しましょう。
- 2次元2級・基礎公式ガイドブック
- 2次元1級(建築)公式ガイドブック
- 2次元1級(機械)公式ガイドブック
- 3次元公式ガイドブック
ガイドブックを3~4回解けば、合格できるイメージです。
ほとんどが過去問から出題されるので、ガイドブックできちんと勉強すれば合格できます。
また、過去問の丸暗記だけにならないよう、意味も理解するよう勉強しましょう。
ガイドブックだけだと不安な人は、市販の参考書やテキストも購入してください。
ちなみに、2次元CAD利用技術者試験基礎は実技試験がないので、過去問を暗記するような勉強方法でもOKです。
CAD利用技術者試験の模擬試験も受けてみよう
は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会のサイトには、模擬試験である「サンプル問題」をダウンロードできます。
本試験に近い問題を見れるので、ぜひとも挑戦してみてください。
パソコンにCADソフトをインストール
ノートパソコンにCADソフトもインストールしておきましょう。
試験によっては、実技試験があるからです。
試験当日に試験会場にパソコンを持ち込む関係上、ノートパソコンが良いでしょう。
また、マウスも用意しておくがおすすめです。
CADソフトは、とりあえず無料ソフトでもOKです。
無料ソフトでも機能は問題ないし、有料ソフトは高いからです。
下記のような無料ソフトで十分。
- 2DCAD:Jw_cad
- 3DCAD:FreeCAD
勉強を始める前にインストールしておきましょう。
CAD利用技術者試験の勉強期間や勉強時間
勉強期間は2~3ヶ月みておけば大丈夫です。
心配なら勉強に3ヶ月かけてください。
平日2時間、土日4時間勉強したとして、下記くらいは勉強できます。
- 1ヶ月:約70時間
- 2ヶ月:約140時間
- 3ヶ月:約210時間
3ヶ月くらいきちんと勉強すれば、合格しやすいです。
独学が不安ならスクールや通信講座を受講する
独学だけだと不安なら、必要に応じてスクールや通信講座を受けましょう。
試験のポイントや点数を稼ぐコツも教えてくれます。
ただし、費用がかかるのでお金に余裕がないと難しいです。
CAD利用技術者試験は、きちんと勉強できるなら独学でも合格できるので、勉強方法は予算と相談しながら決めましょう。
CAD利用技術者試験の概要【問題も解説】
CAD利用技術者試験には、下記の種類があります。
※試験の難易度が低い順に並べてみました。
- 2次元CAD利用技術者試験基礎:初心者向け、難易度は低い
- 2次元CAD利用技術者試験2級:中級者向け
- 2次元CAD利用技術者試験1級(建築・機械・トレース):上級者向け
- 3次元CAD利用技術者試験2級:3DCAD初心者向け
- 3次元CAD利用技術者試験準1級:3DCAD中級者向け
- 3次元CAD利用技術者試験1級:3DCAD上級者向け
詳しくは、一般社団法人コンピュータ教育振興協会のホームページを確認しましょう。
インターネット上から受験申し込みが可能です。
それでは、各試験ごとに詳細を解説します。
2次元CAD利用技術者試験基礎
受験資格 | 特になし |
試験内容 |
|
出題形式 | 筆記試験○×問題と選択問題 |
試験日 | いつでも(IBTシステム)インターネット上で受験可能 |
試験時間 | 50分 |
問題数 | 50問 |
合格発表 | 試験が終わるとすぐ発表 |
合格基準 | 全体の7割以上 |
受験料 | 4400円(税込) |
2次元CAD利用技術者試験2級
受験資格 | 特になし |
試験内容 | CADシステム、製図※出題比率:CADシステム60%、製図40% |
出題形式 | 筆記試験、選択問題 |
試験日 | 6月、11月 |
試験地 | 全国にあるCBT試験会場 |
試験時間 | 60分 |
出題数 | 60問 |
合格発表 | 試験が終わるとすぐ発表 |
合格基準 | CADシステムと製図で5割以上、全体の7割以上 |
受験料 | 6050円(税込) |
2次元CAD利用技術者試験1級(建築・機械・トレース)
受験資格 | 2級合格者か1級合格者 |
試験内容 | 筆記と実技 |
試験問題 | 【機械】実技:機構部品の作図、適切な数値、投影図からの作図筆記:機械製図の知識 |
【建築】実技:RC図、木造、筆記:建築製図の基礎知識、建築生産の電子情報 | |
【トレース】実技:編集・レイヤ設定能力、トレース能力、投影能力筆記:製図の知識 | |
試験日 | 6月、11月 |
試験時間 | 80分 |
出題数 | 25問 |
試験方法 | 筆記試験と、CADシステムを使った実技試験 |
合格発表 | 8月、1月 |
合格基準 | 筆記と実技がそれぞれ5割以上、全体の7割以上 |
受験料 | 16500円(税込) |
3次元CAD利用技術者試験2級
受験資格 | 特になし |
試験内容 | 3次元CADの概念3次元CADの機能と実用的モデリング手法3次元CADデータの管理と周辺知識
3次元CADデータの活用 |
試験日 | 7月、12月 |
試験時間 | 60分 |
出題数 | 60問 |
試験方法 | 筆記試験 |
試験地 | 全国にあるCBT試験会場 |
合格発表 | 8月、1月 |
合格基準 | 各分野5割以上、全体の7割以上 |
受験料 | 7700円(税込) |
3次元CAD利用技術者試験準1級
受験資格 | 2級合格者 |
試験内容 | CADリテラシー形状認識能力2次元図面からのパーツモデリング能力 |
試験方法 | 実技試験※リテラシー試験ではコミュニケーションスキルも見られる |
試験日 | 7月、12月 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 各分野5割以上、総合7割以上 |
受験料 | 11000円(税込) |
リテラシー問題では、手書き図面情報の伝達などコミュニケーションスキルも見られます。
また、正確にコマンドを使用できるかもチェックされます。
3次元CAD利用技術者試験1級
受験資格 | 2級合格者 |
試験内容 | CADリテラシー形状認識能力・アセンブリモデリング能力2次元図面からのパーツモデリング能力 |
試験方法 | 実技試験※リテラシー試験ではコミュニケーションスキルも見られる |
試験日 | 7月、12月 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 各分野5割以上、全体の7割以上 |
受験料 | 16500円(税込) |
アセンブリの問題に時間をかけすぎると時間が足りなくなるので、注意しましょう。
試験会場に持ち込めるもの
試験会場に持ち込めるものは、下記のとおりです。
- 受験票
- 鉛筆かシャープペン
- 消しゴム
- CADソフトがインストールされたノートパソコン
- マウス
- ノートパソコンのACアダプター
- トラックボール
- マウスパッド
- 電卓機能がないテンキーボード
- モバイルWi-fi
ただし、インターネットの利用には注意が必要。
CADソフト以外のインターネット使用が見つかると、失格になります。
CAD利用技術者試験と併せて取得しておきたいCAD系資格8選
結論、下記の8つがおすすめです。
- 建築CAD検定
- オートデスク認定資格プログラム
- Vectorworks操作技能認定試験
- CAD実務キャリア認定制度
- CADデザインマスター
- 3次元設計能力検定試験
- 機械・プラント製図技能士
- テクニカルイラストレーション技能士
各資格の詳細は、CADオペレーター向けのおすすめ資格9選【試験の難易度や勉強方法】にまとめたので、キャリアアップの参考にどうぞ。
CAD利用技術者試験でよくある質問に答えます
最後に、CAD利用技術者試験でよくある質問に答えていきますね。
- CAD利用技術者試験の資格を履歴書に書くと就職が有利になる?
- 2次元と3次元、どっちを受験した方がいい?
- CAD利用技術者試験って意味ないの?
CAD利用技術者試験の資格を履歴書に書くと就職が有利になる?
ないよりは、あった方がいいですね。
同じくらいの応募者と比較された場合、CAD利用技術者があると採用されやすいでしょう。
ただし、応募が殺到するような大手や人気企業だと、他の応募者もCAD利用技術者をもっている可能性が高いです。
経験値や他の資格など、差別化できるポイントを作っておくことが重要です。
2次元と3次元、どっちを受験した方がいい?
どちらかといえば3次元の方がおすすめです。
なぜなら、CADは3次元設計が増えているから。
今後は3次元がメインになると思われるので、可能であれば3次元がおすすめです。
CAD利用技術者試験って意味ないの?
ネット上では一部「CAD利用技術者は意味ない」という声もありますが、意味はありますよ。
具体的には下記のメリットがあります。
- 給料が上がりやすくなる
- 転職が有利になる
- 業務知識が深まる
客観的にCADスキルを証明できるので、CADオペレーターを続けていくなら取得しておきましょう。
まとめ【CAD利用技術者試験の難易度はそこまで高くない】
この記事をまとめます。
- CAD利用技術者試験は、きちんと勉強すればそこまで難易度は高くない
- 合格率もある程度高いので、勉強すれば合格できる
- 独学で勉強するなら、公式ガイドブックを買う
- 過去問を繰り返し解いて勉強するのがおすすめ
- 2~3ヶ月、きちんと勉強すれば合格できる
CAD利用技術者試験の難易度を知りたいあなたの、参考になればうれしいです!
資格取得に向けて、勉強を始めてみましょう。
くりかえしですが、CAD利用技術者と併せておすすめのCAD資格は、CADオペレーター向けのおすすめ資格9選【試験の難易度や勉強方法】を参考にどうぞ。
あなたの合格を祈っています!