工事の写真担当になったばかりで、どうすればいいかよくわからない。
早く仕事を覚えていきたいな。
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 施工管理の写真の撮り方がわかる
- 施工管理の写真業務に役立つツールがわかる
- 施工管理の写真の撮り方の勉強方法がわかる
私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行う会社です。
施工管理の写真の撮り方を解説します。
工事現場では、工程を記録するための写真撮影が必要です。
具体的な目的は下記のとおり。
- 出来形、品質管理
- 工事の工程の記録
- 使用材料の記録
- 品質管理
- 事故や災害の記録
- 問題の原因特定のための記録
例えば、鉄筋コンクリートの工事であれば、コンクリートを流し込んでしまうと中の様子がわかりません。
問題が発覚したとき、鉄筋コンクリート内部の写真がないと検証ができませんよね。
そうした事態を防ぐためにも、工程ごとに写真撮影が必要です。
この記事では、施工管理の写真撮影で注意すべき8つのポイントを解説します。
仕事で失敗しないためにも、参考になればうれしいです。
参考記事
ちなみに、施工管理の仕事内容の全体像については、施工管理(現場監督)の13の仕事内容をわかりやすく解説にまとめています。
この記事の監修者
施工管理の技術者派遣を行う会社。これまで1500名以上の未経験者を施工管理として育成した実績あり。
- 労働者派遣事業許可番号 派13-304593
- 有料職業紹介事業許可番号 13- ユ-304267
- 特定建設業 東京都知事許可 (特-1) 第150734号
目次
施工管理の写真の撮り方8つの注意点
結論、施工管理の写真の撮り方の注意点は、下記の8つです。
- 撮影計画を作成する
- 5W1Hを意識した写真を撮影する
- 公共工事の写真撮影は仕様書に忠実に
- 撮影後にすぐ写真をチェックする
- 判断がつかない場合はとりあえず撮影しておく
- 画素数は上げすぎない
- 全景の定点写真は完成物がすべて入る位置から撮影
- 写真はバックアップをとっておく
仕事に失敗しないためにも知っておきましょう。
1つずつ解説しますね。
①撮影計画を作成する
最初に撮影計画を作成しましょう。
撮り忘れを防ぐために。
会社でやっているかとは思いますが、撮影計画書を作成することで撮り忘れをなくせます。
行き当たりばったりで撮影すると必ず漏れるので、まずは撮影計画が必須です。
②5W1Hを意識した写真を撮影する
5W1Hを意識した写真を撮影しましょう。
何を目的にした写真かわからないと、見づらいから。
5W1Hとは下記のとおりです。
- Who(誰が):施工者、請負業者、立ち会い者
- When(いつ):施工の時期、施工の前後、施工手順
- Where(どこで):工事箇所
- What(何を):工事の種類、工事名、試験名
- Why(なぜ):工事の目的、規格、寸法
- How(どうやって):施工方法、使用した工事機械
漠然と写真を撮ると、肝心な部分が見えにくいことがあるので要注意。
写真だけで5W1Hが伝わりにくい場合は、補足情報を小黒板に書いて撮影しましょう。
小黒板を使うときは、光が反射しないように注意してください。
また、小黒板の文字はきれいに、読みやすい字・サイズにしましょう。
写真1枚に収まらないときは、下記のような工夫も大切です。
- 遠くから撮る
- 複数枚に分ける
- 向きを変える
③公共工事の写真撮影は仕様書に忠実に
公共工事の写真撮影は、仕様書で細かく決まっているので、指示に忠実に撮影しましょう。
税金を使った工事なので、テキトーな写真ではダメなんです。
公共建築工事標準仕様書には、撮影する項目や撮影方法が記載されています。
※国土交通省の「営繕工事写真作成要領」にも記載されてます。
また、信ぴょう性のために、公共工事の写真は画像編集NGです。
トリミングや明度調整もNGなので、写真撮影の段階から的確な撮影が求められます。
例えば、下記のような写真が必要ですね。
- 工事前と工事後の比較写真
- 工程を記録した写真
- 仮設工事の写真
- 建設副産物・廃棄物・産業廃棄物の写真
- 安全管理の写真
- 使用材料の写真
- 使用機材の写真
- 品質管理の写真
- 出来形管理の写真
- 災害写真
- 環境対策の写真
- 事故写真
また、下記も指定されているので従いましょう。
- 撮影頻度
- 撮影方法
- 工事名
- 工事種類
- 位置
- 設計の寸法と実寸
見取り図の資料を添付することで、わかりやすくする工夫も必要です。
また、場合によっては動画撮影が必要なこともありますね。
難しく感じるかもしれませんが、今は公共工事用のアプリもあるので仕事はやりやすくなってます。※アプリは後述します。
④撮影後にすぐ写真をチェックする
写真を撮影したら、すぐに写真をチェックしましょう。
撮影ミスを防ぐためです。
撮影後にチェックをしないで、写真整理のときにわかりにくい写真だと判明しても後の祭りです。
必ず、撮影した写真はその場で確認しましょう。
変なものが写り込んでいないかチェックするのも大切です。
例えば、下記が写っていると後で問題になりますよ。
- 半袖の人が写っている
- あごひもが緩んでいる人が写っている
- タバコをくわえて作業してる人が写っている
⑤判断がつかない場合はとりあえず撮影しておく
撮影すべきか迷う場合は、とりあえず撮影しておきましょう。
撮り忘れるよりはマシだから。
余計な写真は後で削除すればいいだけです。
余計な写真を撮りながら「あ、この写真はいらないのか」と勉強していけばOK。
でも、撮り忘れだけはどうしようもありません。
迷ったらとりあえず撮っておきましょう。
⑥画素数は上げすぎない
写真の画素数は上げすぎない方がいいですよ。
データが重くなるから。
工事写真は膨大に必要なので、すべてを高画質で撮影すると容量が足りなくなります。
上司と相談し、100万画素など画素数を落とすことも検討しましょう。
ただし、公共工事は画素数が決められてることもあるので、仕様書に従いましょう。
※200万画素数以上など
⑦全景の定点写真は完成物がすべて入る位置から撮影
全景の定点写真は、完成物がすべて入ることを想定して、位置を考えて撮影しましょう。
完成物がすべて入らない位置から撮影すると、定点を移動しないといけないから。
そもそも、定点を移動したら定点写真にならないですよね。
完成物が1枚の写真に入る位置から撮影しましょう。
⑧写真はバックアップをとっておく
撮影した写真は、必ずバックアップをとっておきましょう。
万が一、写真データが消えても大丈夫なように。
何かのトラブルで写真データが消えたら、取り返しがつきません。
施工管理の写真撮影に役立つツール3選
結論、下記の3つが便利でおすすめですよ。
- 施工管理向けのデジカメ
- 施工管理向けの写真アプリ
- オンラインストレージ
1つずつ解説しますね。
施工管理向けのデジカメ
施工管理向けのデジカメが発売されてるのでおすすめですよ。
例えば、下記のような機能があります。
- 防水性が高い
- 衝撃に強い
- 防塵性が高い
- 広角レンズ
- 公共工事用の写真サイズで撮影できる
- 撮影した写真をすぐにパソコンに転送できる
施工管理向けのデジカメは、現場監督におすすめのデジカメ5選【写真アプリも紹介】にまとめたので参考にどうぞ。
施工管理向けの写真アプリ
近年は、施工管理向けの写真アプリが増えてるのでおすすめです。
具体的には下記が良いですよ。
アプリを使う=スマホやタブレットで撮影できるので、手軽に撮影できますよ。
施工管理向けの写真アプリも、現場監督におすすめのデジカメ5選【写真アプリも紹介】にまとめてます。
オンラインストレージ
オンラインストレージ(クラウド)を使うのもおすすめです。
撮影した写真を、パソコンに取り込む作業がなくなるから。
具体的には下記が有名ですね。
- Dropbox
- Google Drive
スマホやタブレットで撮影すれば、撮影した瞬間にオンラインストレージに写真を共有できるので、作業を大幅に削減できます。
いちいちパソコンに写真データを取り込む時代じゃないので、使いましょう。
施工管理の写真の撮り方の勉強方法
施工管理の写真撮影の、なんか良い勉強方法はないの?
結論、施工管理の写真撮影は本で勉強できます。
具体的には下記の本がおすすめ。
Amazonで買えるので勉強のために購入してみましょう。
まとめ:施工管理の写真の撮り方はコツがある
最後にもう一度、施工管理の写真撮影の注意点をまとめておきます。
- 撮影計画を作成する
- 5W1Hを意識した写真を撮影する
- 公共工事の写真撮影は仕様書に忠実に
- 撮影後にすぐ写真をチェックする
- 判断がつかない場合はとりあえず撮影しておく
- 画素数は上げすぎない
- 全景の定点写真は完成物がすべて入る位置から撮影
- 写真はバックアップをとっておく
仕事で失敗しないためにも、チェックしておきましょう。
施工管理の写真撮影の便利ツールは下記の3つです。
- 施工管理向けのデジカメ
- 施工管理向けの写真アプリ
- オンラインストレージ
写真撮影で勉強になる本は下記の3冊です。
また、施工管理の仕事の覚え方については、現場監督の仕事の覚え方7選【仕事に目標をもつと早く覚えられる】に詳しくまとめています。
あなたの仕事の参考になればうれしいです!