東京スカイツリーの建設について解説します。
日本一高い建築物である東京スカイツリー。
どのようにして建てられたのか見てみましょう。
また、海外にはどのような高層建築があるかも紹介します。
目次
東京スカイツリーの建設について
東京スカイツリーの建設の全体像を見てみましょう。
スカイツリーの建設費は約650億円
東京スカイツリーの建設費は、合計で約650億円でした。
東武タワースカイツリー株式会社が建築主です。
建設には、約58万5000人が関わりました。
日本を代表する、壮大な工事ですね。
スカイツリーの建設会社は大林組
東京スカイツリーの施工は、大林組が行いました。
日本を代表するスーパーゼネコンです。
ちなみに、設計は日建設計で、設計者は吉野繁氏でした。
スカイツリー建設前の設計は困難を極めた
東京スカイツリーは建設予定地が狭く、東京タワーのように4本足の設計ができなかったそうです。
東京タワーは、一辺が95mの正方形の敷地に建てられています。
東京スカイツリーの建設予定地では、正方形の敷地で計算すると一辺45mしかとれませんでした。
東京タワーの倍近い高さの建造物なのに、足場の一辺は半分以下。
そのため、三角形・3本足が採用されました。
三角形にすることで、一辺を約70mとることができるようになり、狭いスペースでも建設可能になりました。
スカイツリーの建設期間は約3年半
東京スカイツリーの建設期間は、2008年7月14日~2012年2月29日の約3年半です。
わずか3年半で、超高層の建築物を造ったわけです。
驚異的なスピードといっていいですよね。
スカイツリーの建設方法
東京スカイツリーは、特殊な建設方法が採用されました。
代表的なものをいくつか紹介します。
心柱を使った制振装置
東京スカイツリーの中心部には、
- 長さ375m
- 直径8m
- 重さ11000トン
の柱があります。
地震発生の際に、鉄筋コンクリートの心柱と周囲の鉄骨が別の動きをすることで、地震の揺れを軽減できる構造になっています。
五重塔の心柱に似てるとして、当時話題になりました。
地震大国の日本でのならではの、制振構造ですね。
地下50mの基礎工事
東京スカイツリーの基礎工事は、地下50mまで掘削されています。
50mの穴には「ナックルウォール」という杭が入っており、地震の揺れを防ぐ効果があります。
上記の心柱を使った制振装置やナックルウォールのおかげで、工事中におきた東日本大地震でも、特に問題が起きませんでした。
東京スカイツリーは、地震に強い構造になっていることが証明されたのです。
厚さ10cm・25000本の鉄骨
スカイツリーは、網目のように組まれた鉄骨でできています。
厚さ10cmの鉄板を円柱状に丸めて作られた鉄骨です。
スカイツリーは、足元は三角形なのに、途中から円形になっています。
そのため、かなり緻密に計算された鉄骨が造られました。
鉄骨の角度を完璧にするために、人の手で溶接も行われています。
頂部制振装置
スカイツリーの最上部には「頂部制振装置」が取り付けられています。
電波塔の揺れを防ぐ装置です。
風や地震で電波塔が揺れると、電波が乱れてしまいます。
それを防ぐために、頂部制振装置が最上部に設置されています。
東京スカイツリーは電波塔というそもそもの役割があるため、電波が乱れない構造になっています。
スカイツリーの建設中に死亡事故は起きていない
素晴らしいことに、東京スカイツリーの工事で死亡事故は起きていません。
ちなみに、東京タワーは昭和33年に、鳶職人が強風にあおられて転落死しています。
当時は命綱もつけずに工事していたそうなので、やはり危険は多かったでしょう。
スカイツリーの建設費の回収
東京スカイツリーの主な収入源は、
- 放送局からの電波料収入
- 展望台への入場料
などです。
前述のとおり、スカイツリーの建設費は650億円と高額なので、入場料は高めに設定されています。
下記は大人の休日料金です。
- 展望デッキ(下部)+展望回廊(上部):3400円
- 展望デッキ:2300円
- 展望回廊:1100円
ちなみに、東京タワーの入場料と比較すると、少々高めなのがわかります。
※下記は大人料金。
- メインデッキ:1200円
- メインデッキとトップデッキ(当日券):3000円
ちなみに、東京スカイツリーにある、
- 東京ソラマチ(商業施設)
- 東京スカイツリーイーストタワー(オフィス)
- スカイツリータウン(街区)
は、別で780億円の費用をかけて造られており、テナント料や賃料は別計算。
東京スカイツリーは、電波料収入と入場料で650億円を回収していくイメージです。
海外の高層建築
海外には、東京スカイツリーより高い建築物が存在します。
しかも、電波塔ではなくビルとして存在します。
ドバイにあるブルジュ・ハリファです。
高さはなんと828m。
東京スカイツリーより、194mも高いです。
2021年に1008mの超超高層ビルが建つ
2021年には、サウジアラビアで1008mの「ジッダ・タワー」が建設予定です。
1000mを超えるビルは世界初で、1000m超えのビルを「ハイパービルディング」というそうです。
また、2045年には東京湾に1700mのビル計画があります。
1700mというと、東京スカイツリーの倍以上。
1000m超のハイパービルディングについては、
世界一高いビルになる予定で建設中のビルは1008m【2400m計画あり】にまとめたので、興味あれば読んでみてください。
まとめ【スカイツリーの建設について】
この記事をまとめます。
- スカイツリーの建設費は約650億円
- 建設会社は大林組
- 建設期間は約3年半
- スカイツリーは、心柱を使った制振構造になっている
- ナックルウォールという杭が地震の揺れを防ぐ
- 頂部制振装置が電波塔の揺れを防いでいる
東京スカイツリー建設についてまとめてみました。
参考になればうれしいです。