施工管理(現場監督)の平均年収や給料を徹底分析|資格で収入アップ

札束

施工管理(現場監督)の平均年収・給料をご紹介します。

世代別の平均年収や、最終学歴別、企業規模別、役職別、都道府県別などで年収データもまとめてみました。

この記事では、

  • 施工管理(現場監督)の年収について
  • 施工管理・現場監督の仕事内容
  • 施工管理の需要
  • 施工管理職に求められる能力
  • 施工管理の資格

などについてご紹介します。

あなたの就職・転職の参考になればうれしいです。

それでは、さっそく見ていきましょう!

この記事の監修者

株式会社ワット・コンサルティング

施工管理の技術者派遣を行う会社。これまで1500名以上の未経験者を施工管理として育成した実績あり。

  • 労働者派遣事業許可番号 派13-304593
  • 有料職業紹介事業許可番号 13- ユ-304267
  • 特定建設業 東京都知事許可 (特-1) 第150734号

施工管理(現場監督)の平均年収・給料を計算しようとして困ったこと…

電卓とお金

この記事を書くにあたり施工管理の平均年収情報を調べたのですが、国が発表している施工管理の平均年収データは実はないのです

一般的には厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」に職業別の平均年収情報があるのですが、施工管理職の平均年収については調査結果がありませんでした。

そのため「独自の調査をして平均年収をするしかない!」と思い、次のような考え方・計算方法で施工管理の平均年収を計算しました。

  • 施工管理を含む技術職の初任給を公表している建設会社140社の初任給を調べる(ゼネコン・ハウスメーカー・プラント・工務店など)
  • 140社の技術職の初任給の平均値を出す
  • 140社の技術職の初任給の平均値を、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に当てはめる
  • 小数点第3位を小数点第2位に四捨五入

というルールで平均年収を計算しています。

少々悔しいのが、あくまでも「技術職の初任給」ですので、正確に「施工管理職だけの初任給ではない」ということです。

ですが、施工管理職の平均年収の参考になると思います。

ちなみに、残業代は計算に含めていません。

残業代を含めていない理由は、会社によって残業時間・残業代が違うからです。

残業代を算入すると下記の年収データよりも年収が上がりますが、統計がとりにくいので今回は残業代なしの計算結果です。

また本当は、

  • 建築施工管理
  • 土木施工管理
  • 電気工事施工管理
  • 管工事施工管理
  • 造園施工管理

ごとの平均年収を計算したかったのですが、国の調査結果がなかったため割愛しています。

それでは、施工管理の平均年収情報についてご紹介します!

参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査

施工管理職(現場監督)の全国平均年収

給料袋

独自調査の施工管理職の全国の平均年収は455万円です。

近年は首都圏を中心に施工管理職の需要が高まっているため、他の職業と比べて平均年収が高いのが特徴です。

それでは、さらに詳しい平均年収情報を見ていきましょう。

世代別の平均年収

施工管理の世代別の平均年収を計算しました。

平均月給・平均ボーナスもご紹介します。

※百円単位以下は切り捨て。

年齢月給年間ボーナス年収
19歳まで176,000円89,000円2,205,000円
20~24歳217,000円668,000円2,970,000円
25~29歳261,000円668,000円3,802,000円
30~34歳295,000円720,000円4,261,000円
35~39歳312,000円822,000円4,576,000円
40~44歳340,000円992,000円5,084,000円
45~49歳368,000円1,200,000円5,619,000円
50~54歳386,000円1,264,000円5,904,000円
55~59歳371,000円1,202,000円5,657,000円
60~64歳296,000円647,000円4,211,000円
65~69歳261,000円365,000円3,501,000円
70歳以上216,000円225,000円2,828,000円

年収のピークは50~54歳のあたりですね。

最終学歴別の平均年収

最終学歴別の施工管理の平均年収をご紹介します。

大卒、短大・高専卒、高卒の3つの平均値を調べました。

※百円単位以下は切り捨て。

 月給年間ボーナス年収
大卒372,000円1,160,000円5,631,000円
短大・高専卒305,000円733,000円4,402,000円
高卒292,000円521,000円4,036,000円

大卒と高卒では平均年収が160万円も違いますね。

学歴は年収に影響があるようです。

ただし、施工管理は技術職ですので、1級の施工管理技士の資格をもっていたり、経験値が高ければ高卒でも稼げます。

学歴がなくても本人の実力次第という感じですね。

従業員数別(企業規模別)の平均年収

従業員数別の施工管理の平均年収をご紹介します。

従業員数が多い企業=大企業ということです。

従業員数が1000人以上、100~999人、10~99人の3パターンで計算してみました。

※百円単位以下は切り捨て。

 月給年間ボーナス年収
1000人以上410,000円1,484,000円6,413,000円
100~999人331,000円822,000円4,796,000円
10~99人277,000円404,000円3,728,000円

従業員数1000人以上の企業と10~99人の企業では年収が約270万円違います。

やはり、働く企業規模は大きい方が稼げそうですね。

大手の施工管理の中には、年収1000万円以上を稼ぐ人もいます。

詳しくは、年収1000万円の現場監督9つの条件|給料アップする3つのコツにまとめています。

役職別の平均年収

役職別の施工管理の平均年収をご紹介します。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づいた役職で計算していますので、会社によっては違う役職であったり、存在しない役職の可能性もありますのでご了承ください。

※百円単位以下は切り捨て。

 月給年間ボーナス年収
非役職216,000円345,000円2,943,000円
職長級257,000円484,000円3,579,000円
係長級227,000円595,000円3,919,000円
課長級318,000円808,000円4,629,000円
部長級385,000円1,028,000円5,651,000円

稼ぐにはやはり昇進が重要です。

課長以上になるとけっこう稼げますね。

都道府県別の平均年収

47都道府県別の施工管理の平均年収ご紹介します。

意外な都道府県の年収が高かったりしました。

あなたのお住まいの都道府県の施工管理の年収の参考にしてください。

※百円単位以下は切り捨て。

都道府県月給年間ボーナス年収
北海道270,000円470,000円3,718,000円
青森県235,000円323,000円3,150,000円
岩手県254,000円462,000円3,519,000円
宮城県312,000円653,000円4,398,000円
秋田県238,000円352,000円3,218,000円
山形県238,000円426,000円3,291,000円
福島県267,000円602,000円3,182,000円
茨城県331,000円617,000円4,590,000円
栃木県283,000円433,000円3,834,000円
群馬県296,000円727,000円4,280,000円
埼玉県337,000円756,000円4,806,000円
千葉県315,000円492,000円4,275,000円
東京都401,000円1,263,000円6,078,000円
神奈川県347,000円822,000円4,987,000円
新潟県264,000円352,000円3,524,000円
富山県296,000円477,000円4,031,000円
石川県305,000円734,000円4,402,000円
福井県299,000円749,000円4,341,000円
山梨県273,000円631,000円3,917,000円
長野県296,000円580,000円4,133,000円
岐阜県280,000円543,000円3,906,000円
静岡県315,000円595,000円4,377,000円
愛知県347,000円764,000円4,928,000円
三重県315,000円580,000円4,363,000円
滋賀県308,000円697,000円4,404,000円
京都府302,000円514,000円4,144,000円
大阪府356,000円911,000円5,190,000円
兵庫県312,000円639,000円4,383,000円
奈良県315,000円764,000円4,546,000円
和歌山県315,000円661,000円4,443,000円
鳥取県248,000円352,000円3,333,000円
島根県267,000円551,000円3,760,000円
岡山県299,000円609,000円4,201,000円
広島県312,000円859,000円4,604,000円
山口県286,000円639,000円4,078,000円
徳島県264,000円595,000円3,766,000円
香川県347,000円793,000円4,958,000円
愛媛県277,000円668,000円3,992,000円
高知県257,000円396,000円3,491,000円
福岡県318,000円881,000円4,702,000円
佐賀県277,000円734,000円4,058,000円
長崎県267,000円506,000円3,716,000円
熊本県241,000円455,000円3,359,000円
大分県270,000円462,000円3,710,000円
宮崎県248,000円448,000円3,428,000円
鹿児島県241,000円271,000円3,175,000円
沖縄県248,000円353,000円3,333,000円

宮城県、福島県の数字が高いのは、やはりまだ東日本大震災の復旧工事が行われているためと考えられます。

そして、やはり東京と大阪は年収が高いですね。

特に東京は2020年の東京オリンピックに向けての工事が大詰めになってきていることもあり、人件費が高騰しています。

参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査

施工管理の生涯賃金

20~70歳まで施工管理で働いた場合の生涯賃金を計算すると2億3078万円になりました。

生涯賃金が2億円に届かない職業が多いことを考えると、やはり施工管理の生涯賃金は高いようですね。

施工管理はいわゆる「手に職がつく仕事」ですから、スキルをつけていけばくいっぱぐれはありません。

ベテランほど年収が上がる仕事ですし、60歳以降の募集が多いのも特徴です。

一生の仕事にするには良い仕事といえます。

施工管理の仕事内容

施工管理未経験の方向けに、施工管理の仕事内容をご紹介します。

施工管理は別名「現場監督」とも言われます。

建設現場には職人さんや業者さんなど様々な人がいます。

施工管理・現場監督は、現場にいる人たちのリーダーになり、文字通り「監督業」をする仕事です。

主な仕事内容は、

  • 建設物が期限内に完成するように工事のスケジュールを管理する
  • 工事が遅れていればスケジュールを修正して間に合うように指示を出す
  • 人が足りなければ協力会社に依頼して助っ人を呼ぶ
  • 現場作業員の安全が保たれるように安全管理をする
  • 工事が予算内におさまるように工事費を調整する
  • 土地や建物に関する行政への申請作業

などを行います。

工事現場の作業員さんではないため、実際に工事をする仕事ではなく、現場の監督業やデスクワークを行っています。

一口に「施工管理」といっても、施工管理にも種類があります。

  • 建築施工管理
  • 土木施工管理
  • 電気工事施工管理
  • 管工事施工管理
  • 造園施工管理

があり、それぞれの専門分野の施工管理を行います。

ちなみに施工管理の仕事内容については、施工管理(現場監督)の13の仕事内容【あなたに向いてるかも診断】にくわしくまとめています。

施工管理職の需要

東京の街並み

施工管理の仕事はこれからも需要があります。

建設業界は人材不足が問題視されていますが、特に施工管理は人材が足りていません。

スポーツに例えれば、施工管理職は監督、職人さんは選手のようなものです。

施工管理職・監督がいないと指示を出す人がいないわけですから、現場が回りません。

施工管理の技術が身につくことは、今後も長く仕事があり稼げることを意味しています。

施工管理に求められる能力

施工管理職に求められる能力は、下記のとおり。

  1. リスク管理能力の高い人
  2. 計画性のある人
  3. コツコツと努力できる人
  4. コミュニケーション能力の高い人
  5. リーダーシップのある人
  6. マネジメント力のある人
  7. 年上と話すのがうまい人
  8. 対応力のある人
  9. 体力のある人

大切な職人さんや現場作業員さんたちの安全管理を怠ると、死亡事故になってしまう危険性があります。

みんなが安全に働けるように、心配性なくらい安全管理を徹底できる人が求められます。

「これくらいは大丈夫だろう…」という楽観視が、とりかえしのつかない事故につながります。

工事で大切なのは「期限内に完成させること」です。

期限内に工事が完了するように計画性をもって工事スケジュールを管理する能力が必要です。

物事を逆算して考える能力も必要です。

現場の職人さんたちは年上のベテランさんも多いです。

年上のベテラン職人さんの中には「優しいけど気難しい」というタイプの人もいます。

現場監督として信頼されないと、職人さんが言うことを聞いてくれなくなったり、勝手に動いてしまいます。

職人さんたちとうまくやっていくコミュニケーション能力が必要です。

全体をまとめあげるリーダーシップやマネジメント力が必要です。

特に施工管理未経験の人は「前職で後輩をマネジメントしていた」とか「学生時代に部長だった」などの経験が生きるでしょう。

ちなみに施工管理に向いてる人の特徴は、施工管理に向いてる人の特徴30選【未経験で就職する方法も解説】にもまとめています。

施工管理に向いてる人の特徴を30個あげているので、あなたがいくつ当てはまるか数えてみましょう。

10個以上あてはまれば、あなたは施工管理に向いてます。

施工管理技士の資格はとった方が年収が高くなる

施工管理には「施工管理技士」という国家資格があります。

施工管理技士の種類は、

  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士

があり、それぞれに1級と2級があります。

建設業法では「建設現場には施工管理技士を1名以上置くこと」と定められています。

工事現場には必須の資格のため、施工管理技士の資格をとっておいた方が仕事には有利です。

※無資格で施工管理職をすることもできますが、有資格者と一緒に現場を管理するイメージです。

施工管理技士の資格を取得すると資格手当を支給する会社が多いです。

無資格よりは2級施工管理技士の資格があった方が給料が高いですし、2級よりは1級施工管理技士の資格の方が稼げます。

また、施工管理技士の資格を持っていると転職のときに有利です。

資格をもって転職すると給料交渉がしやすいため、前職よりも年収が上がる人が多いです。

前述のとおり、建設業法で「建設現場には施工管理技士を1名以上置くこと」と定められているため、会社側は施工管理技士の数が増えると受注できる工事が増えます。

「受注できる工事の数が増える=売上が上がる」ということですので、会社にとって施工管理技士は超貴重な存在と言えます。

年収1000万円以上稼ぐ施工管理技士もいます。

会社も資格取得を奨励しており、資格取得の費用を出してくれる会社もあるくらいです。

施工管理技士試験を受けるには実務経験が必要です。

無資格者の場合はまず2級を受けて、2級合格後に1級を取得する人が多いです。

施工管理技士の資格については、施工管理技士の資格の種類や試験の難易度にまとめています。

まとめ|施工管理の平均年収は455万円

お金

施工管理の平均年収の参考になればうれしいです!

施工管理は他の職業と比べて年収が高い仕事です。

手に職をつけて一生くいっぱぐれないようにスキルを磨く価値のある仕事です。

実力と資格次第では年収1000万円以上も夢ではありません。

未経験から施工管理に転職する人は、研修がしっかりしている会社を選びましょう。

未経験なので、研修がしっかりしてないと何もわからないからです。

転職の情報収集にチェックしてみてください。

また、研修がしっかりしていて、ブラック企業じゃない会社を選ぶ方法を、施工管理は未経験でも転職できる【研修がしっかりしてる会社を選ぶ】にまとめているので参考にどうぞ。

うっかりブラック企業に転職しないためにも、転職活動の前に確認しておくと安心です。

あなたの就職・転職の参考になればうれしいです!

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