施工管理技士を取ろうとしてたけど、
「技士補」ってのができたみたいで興味あるなぁ。
どんな資格で、何ができるの?
こういった疑問に答える記事です。
本記事の内容は下記のとおり。
- 技士補はいつから?【答え:2021年から】
- 技士補ができる理由【深刻な施工管理技士の不足】
- 実地試験の経験記述の例文
2021年から「技士補」という資格が新設されます。
施工管理技士の実地試験に不合格だった人でも、資格が得られるイメージです。
ゆくゆくは1級の施工管理技士を目指すのが良いですが、途中に新資格が設けられる感じですね。
この記事では、2021年から始まる「技士補」について解説します。
目次
技士補はいつから?【答え:2021年から】
技士補という資格が、2021年4月から新設されます。
カンタンにいうと、施工管理技士試験で、下記の人に「技士補」という資格が与えられます。
- 学科試験には合格
- 実地試験で不合格
文字どおり「施工管理技士を補佐する資格」という意味です。
施工管理技士に1級と2級があるように、技士補にも1級と2級があります。
出典:国土交通省「技術検定制度の見直しについて」
従来は学科は合格でも実地で不合格なら、なんの資格ももらえなかったわけです。
でも2021年からは、下記のようになります。
学科 | 実地 | |
2級技士補 | 合格 | 不合格 |
2級施工管理技士 | 合格 | 合格 |
1級技士補 | 合格 | 不合格 |
1級施工管理技士 | 合格 | 合格 |
実地試験に落ちても資格が付与されるので、資格取得のモチベーションが下がりにくいですね。
1級技士補がいると監理技術者の配置義務が緩和される
従来は、元請けが4000万円以上(建築一式工事8000万円以上)で受注した工事は、1現場に1人の監理技術者(1級の施工管理技士)が必要でした。
しかし2020年10月以降は、現場専任の1級技士補がいれば、監理技術者は2つの現場を兼任できます。
つまり、1級技士補が増える=監理技術者が半分でよくなることを意味します。
施工管理の人材は不足しています。
特に監理技術者は貴重なので、1級技士補が増えることで人材不足を解消できる可能性があります。
1級の施工管理技士を取得しないと現場の責任者にはなれませんでしたが、2020年10月以降は1級技士補があれば責任者になれます。
1級の施工管理技士の取得前でも、責任ある仕事ができるようになるんです。
【補足】下請けの主任技術者の配置義務も緩和
2020年10月以降は、請負金額が小さい工事だと、2次下請け以降の主任技術者の配置が不要になります。
従来は工事規模に関わらず主任技術者の配置が必要でしたが、それがなくなります。
下請けの会社も、工事を受注しやすくなるということです。
ただし、2次下請け以降に主任技術者が不要なので、管理しやすい下記に限られます。
- 鉄筋工
- 型枠工
技士補ができる理由【深刻な施工管理技士の不足】
そもそも技士補ができる理由は、深刻な「施工管理技士の不足」です。
国土交通省のデータによると、下記がわかります。
- 若い人が建設業界に入ってこない→人材不足
- 建設人材が高齢化している
出典:国土交通省「技術検定制度の見直しについて」
施工管理技士の受験者数も減少しており、資格を取得する人の年齢も高いです。
平成29年から建築と土木の2級学科試験を年2回にしましたが、極端に受験者が増えたわけではありません。
出典:国土交通省「技術検定制度の見直しについて」
特に若者の受験については深刻です。
工業高校の高校生が在学中に学科試験に落ちると、ほとんどの人がもう試験を受けません。
出典:国土交通省「技術検定制度の見直しについて」
このままいくと、施工管理や建設業界は人材不足・超高齢化になってしまいます。
少しでも人材不足と超高齢化を食い止めるために、技士補ができたという感じです。
2級技士補は、工業高校に在学中に取得できます。
- 若者が建設業界で働く決意をするきっかけになる
- 資格を取得することで、他業界への流出を防ぐ
という効果を狙っているようですね。
ちなみに、施工管理の人材不足については、施工管理が人手不足の3つの理由【ホワイト企業は離職率が高くない】にまとめています。
少しでも人材不足・超高齢化が解消されることを願います。
目的は技士補→施工管理技士になること【実地試験の経験記述のコツ】
技士補ができるのは喜ばしいことですが、あくまで目的は「施工管理技士になること」かなと思います。
重要なのは、実地試験に合格することですよね。
実地試験の「経験記述」の問題は、苦手な人も多いと思います。
経験記述のコツは、試験前に文章のパターンを作っておくこと。
各施工管理技士試験で、経験記述の出題テーマは絞られているので、テーマごとに文章を作ってから試験に臨みましょう。
実地試験の経験記述の例文
イメージになると思うので、経験記述の例文を少し紹介しておきますね。
まず、設問1は下記のようなイメージで書きます。
- 工事名:八王子市営住宅団地造成工事
- 発注者名:八王子市都市計画局
- 工事場所:東京都八王子市平岡町1丁目1番地-1
- 工期:平成26年2月15日~平成26年6月27日
- 主な工種:土工・擁壁工
- 施工量:切土・盛土量6410㎥・鉄筋コンクリートL形擁壁工・平均高さ3m
- 工事現場における施工管理上のあなたの立場:現場監督員
続いて、設問2のの例文は下記のとおり。
問1:具体的な現場状況と特に留意した課題
記入例:住宅街に隣接しているため、工事の騒音・振動および粉塵の発生等の環境保全対策を特に重要と考えた。
問2:課題を解決するために現場で実施した対応処置
周辺住民に工事中の環境保全に関する説明を行い協力を求めた。
低騒音・低振動の機器や工法を採用した。
工事現場内と進入道路にて、散水や清掃を励行し塵埃の発生を抑えた。
工事現場内および周辺道路で停車中のアイドリングを禁止した。
このように、経験記述はできるだけ簡潔にわかりやすく書くのがコツです。
ちなみに弊社メルマガでも、実地試験の経験記述の例文を配信することがあります。
という人は、勉強の参考にメルマガ登録をどうぞ。
まとめ【技士補は2021年から。施工管理技士試験の勉強を始めよう】
この記事をまとめます。
- 技士補は2021年から
- 学科試験に合格、実地試験に不合格だと技士補を取得できる
- 技士補があれば、現場責任者になれる
- 1級技士補がいると監理技術者の配置義務が緩和される
- 技士補ができた理由は人材不足と超高齢化
施工管理技士を取得したいあなたの、キャリアアップの参考になればうれしいです。
もし実地試験に落ちても技士補が与えられるので、一歩ずつ施工管理技士に向けて進んでいきましょう。
本気で施工管理技士を取得したいなら、勉強を始めましょう。
早く勉強を始めるほど合格率が上がるので、動くべきは今日です。
勉強を始めるのが遅くなるほど、不合格の確率が上がってしまいます。
不合格になれば、また勉強のやり直しなので辛いですよ。。。
1日でも早く勉強を始めることが合否を分ける感じ。
結論、できることからでいいので今日から行動しましょう。
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ちなみに、施工管理技士の資格の詳細については、施工管理技士の資格の種類や試験の難易度にまとめているので、こちらも参考にどうぞ。
あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!