施工管理の原価管理とは|具体的なやり方や必要な5つのスキルも解説

施工管理の原価管理とは【具体的なやり方や必要な5つのスキルも解説】
考える男性
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施工管理の原価管理って何?

未経験から転職を考えてるんだけど、原価管理がイマイチよくわからない…

転職に失敗したくないから、できるだけ仕事内容を知っておきたいんだよね。

自分にできるのか不安だ…

こういった疑問や不安に応える記事です。

この記事でわかること

  • 施工管理の原価管理とは何かわかる
  • 原価管理のメリットがわかる
  • 施工管理の原価管理のやり方がわかる
  • 施工管理の原価管理に必要なスキルがわかる

私たちワット・コンサルティングは、施工管理の技術者派遣の会社です。

未経験から施工管理になりたい人を募集しています。

施工管理の原価管理とは、工事で利益を出すために計算することです。

会社が工事を受注しても、コストが大きすぎると会社に利益が残りません。

無駄なコストを抑えて、利益が出るように計算しながら工事を進めるのが「原価管理」です。

この記事では、施工管理の原価管理について詳しく解説します。

施工管理の原価管理に必要なスキルもまとめたので、あなたにできそうか参考にしてみてください。

この記事の監修者

株式会社ワット・コンサルティング

施工管理の技術者派遣を行う会社。これまで1500名以上の未経験者を施工管理として育成した実績あり。

  • 労働者派遣事業許可番号 派13-304593
  • 有料職業紹介事業許可番号 13- ユ-304267
  • 特定建設業 東京都知事許可 (特-1) 第150734号
施工管理の原価管理とは【会社が儲かるようにやりくりする仕事】

施工管理の原価管理とは、会社に利益が出るように計算しながら工事を進めることです。

会社に利益が出るかどうかは、以下の計算式で表されます。

計算式

売上(工事の受注金額)ー工事の費用=利益

施工管理が工事の費用を抑えつつ、高品質な建設物を造るために計算するのが原価管理の仕事です。

ちなみに

施工管理の主な仕事には、原価管理・安全管理・工程管理・品質管理があり、これらを合わせて「施工管理の4大管理」といいます。

施工管理の4大管理については、施工管理の4大管理や5大管理とは|仕事に必要な9つのスキルも紹介を参考にどうぞ。

原価管理=家計簿みたいなもの

考える男性
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う~ん、なんか原価管理って難しそう…

と思うかもですが、家計簿と一緒です。

家計の仕組み

給料(売上)ー生活費(費用)=余るお金(儲け)

施工管理の原価管理は、ムダな生活費を抑えて節約するのと似てます。

会社が経営を続けていくには、工事ごとに黒字を出すのが基本です。

黒字を確保するのも施工管理の仕事です。

工事にかかる費用

考える男性
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「工事の費用」って、具体的にどんなのがあるの?

代表的な費用は下記のとおりです。

  • 重機のレンタル
  • 機材の発注
  • 資材の発注
  • 人材の確保
  • その他管理費

必要な費用はかけつつ、ムダが発生しないように考えてお金をつかうのも施工管理の仕事です。

※工事の費用の詳細は後述します。

原価管理の5つのメリット【施工管理は重要な仕事】
考える男性
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原価管理をするメリットって何?

具体的には、下記の6つのメリットがあります。

原価管理のメリット

  1. 効率的な工事計画ができる
  2. 現場の事故が減る
  3. 予定とのズレに気づける
  4. 作業員さんが納得して動いてくれる
  5. 会社の経営に役立つデータになる
  6. 工事の損益分岐点がわかる

1つずつ解説します。

①効率的な工事計画ができる

原価管理をすると、効率的な工事計画を作ることができます。

コストカットする=無駄な工事を省けるためです。

工事は期限内に終わらせる必要があるため、効率的な工事計画が作りやすい原価管理にはメリットがあります。

ちなみに、工事のスケジュールを考えることを「工程管理」といいます。

施工管理の工程管理については、施工管理の工程管理とは【あなたが工程管理に向いてるかも診断できる】にまとめてます。

②現場の事故が減る

原価管理をすることで、間接的に現場の事故が減る可能性があります。

前述のとおり無駄な工事が減ることで、事故のリスクも下がるからです。

ちなみに、現場の事故を防ぐのも施工管理の仕事で「安全管理」といいます。

施工管理の安全管理については、施工管理の安全管理とは現場の危険を防ぐこと【6つの安全管理を簡単に解説】を参考にどうぞ。

③予定とのズレに気づける

継続的に原価管理をすることで、当初の予定とのズレに気づけます。

どんなに完璧な工事計画を立てても、実際の工事にかかる費用が大きくなることがあります。

早めにズレに気づくことで、工事費用を調整して利益を確保しやすくなるでしょう。

もし原価管理をしないと「工事が終わる頃には赤字だった」となりかねません。

定期的に費用計算して、費用が多いならやりくりするのが施工管理の仕事です。

④作業員さんが納得して動いてくれる

原価管理をすることで、作業員さんが納得して動いてくれる可能性が高まります。

工事にかかる費用を計算しており、数字をもって説明できるからです。

「この工事が全体の利益率を圧迫している。だからこうしてほしい」と数字の根拠があれば、作業員さんたちも納得してくれやすいです。

結果、現場の雰囲気も良くなっていくでしょう。

⑤会社の経営に役立つデータになる

原価管理のデータが会社に貯まってくれば「どうすれば利益が出るのか」がわかります。

工事計画を立てる早期の段階で利益が見えるので、会社の経営は安定しやすいでしょう。

また、原価管理のデータが増えるほど、未来予測も立てやすくなります。

過去の原価管理のデータから、工事金額の修正が必要な場合も根拠をもって計算できます。

原価管理=会社の資産なので、原価管理ができる施工管理は重宝されやすいです。

⑥工事の損益分岐点がわかる

工事の費用計算をしているため、損益分岐点もわかりやすくなります。

「損益分岐点」とは、売上と費用が等しくなり、利益も損失も出ない状態です。

つまり「これ以上コストをかけられないライン」が見えるため、コスト管理や利益計算をしやすくなります。

損益分岐点を知らずに工事を進めると、工事が完了した後に赤字になる恐れがあるため、きちんとした原価管理が重要です。

施工管理の原価管理のやり方【手順で解説】
考える男性
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具体的に、施工管理の原価管理ってどうやるの?

原価管理の主な手順は以下のとおりです。

原価管理の手順

  1. まずは工事の目標利益を決める
  2. 目標利益が出るように工事のスケジュールを決める
  3. 工事を進めながら利益を維持する
  4. 追加費用などで利益が減りそうなら会社と相談する
  5. 最終的な利益を高めていく

1つずつ解説します。

①まずは工事の目標利益を決める

最初に工事の目標利益を決めます。

工事の目標利益を出すまでの流れは以下のとおりです。

工事の目標利益を決める方法

  1. 工事に入札
  2. 工事を受注
  3. 受注した金額から工事費用を計算する
  4. さらにコストカットできるところがないか調べる
  5. 工事の目標利益を決める

わかりやすくまとめると下記のようなイメージです。

工事にかかるコストを計算する流れ

  1. 入札の段階では、ざっくりとした計算(過去の工事などを参考にする)
  2. 工事を受注してから、細かい計算やコストカットを図る

おおまかな工事費用の内訳は以下のとおりです。

おおまかな工事費用の内訳

  • 材料費:数量×単価
  • 労務費:1人あたりの賃金×人数×日数
  • 外注費:業者に外注する金額
  • 機械費:レンタルする重機の費用×台数×日数
  • 現場経費:水道光熱費、保険料、通信費、交通費、事務用品費など

工事費用は、取引先と協力して価格を下げる努力も必要です。

また、場合によっては発注者に増額交渉をする必要もあるので、この段階で細かく計算する必要があります。

②目標利益が出るように工事のスケジュールを決める

次に、目標の利益が出るように工事のスケジュールを決めていきます。

こちらは「工程管理」といわれる施工管理の仕事です。

詳しくは、施工管理の工程管理とは|工程管理の手法や工程表の種類も解説にまとめたので参考にしてみてください。

③工事を進めながら利益を維持する

実際に工事をスタートして、予定どおりに利益が出るように調整していきます。

予定より利益が出ていないなら、差を埋めるためにやりくりする必要があります。

また、工事の中間点の予測を立てて、実態と比較するのも重要です。

月報で収支報告をして、利益の維持に努めます。

④追加費用などで利益が減りそうなら会社と相談する

どうしても追加費用が必要になりそうな場合は、会社と相談します。

追加費用を会社に相談するイメージ

  • 必須の費用なら会社に承認をもらう
  • 他の費用を圧縮して追加費用に充当できないか一緒に考えてもらう

施工管理だけでは判断できないこともあるので、会社に相談しながら問題解決していきます。

⑤最終的な利益を高めていく

工事の終了間際には、思わぬ追加費用が発生することがあります。

追加費用を予測しつつ、最終的な利益調整を行います。

また、工事にかかった費用はすべて記録しておきましょう。

次回以降の工事の目安になるからです。

原価管理に便利なアプリが増えている

考える男性
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なんか原価管理って難しそうだなぁ…

と思うかもしれませんが、現代では便利な施工管理アプリが増えているので、原価管理をやりやすくなっています。

便利な施工管理アプリを導入している会社に転職するのがおすすめです。

施工管理のアプリについては、【無料あり】施工管理におすすめアプリ9選【比較表あり、厳選した】を参考にどうぞ。

施工管理の原価管理に必要な5つのスキル
考える男性
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施工管理で原価管理をするには、どんなスキルが必要なの?

以下のスキルがあると良いでしょう。

施工管理の原価管理に必要なスキル

  1. 数字に強い
  2. コミュニケーションスキル
  3. 逆算する力
  4. 冷静さ
  5. マネジメント力

もちろん、最初からすべてのスキルを持ち合わせている必要はありませんが、転職後に少しずつスキルを身につけていきましょう。

1つずつ解説します。

数字に強い

原価管理は計算業務が多いため、数字に強いと良いでしょう。

今までに計算が多い仕事をした経験があったり、学生時代に数学が好きだったりする人は、特に施工管理がおすすめです。

もちろん、数字に強くないという人も、仕事を通して原価管理を覚える努力が必要です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも必要です。

計算したデータを元に、外注業者の交渉や作業員への説明が必要だからです。

難しい計算をわかりやすく伝える力もあると良いでしょう。

コミュニケーション系の仕事の経験があったり「説明がわかりやすい」と言われたりした経験がある人は、原価管理の仕事ができる可能性があります。

逆算する力

原価管理では、逆算する力も求められます。

目標の利益から逆算してコストを計算できると良いからです。

さらに、効率的な工事のスケジュールを作るためにも、逆算する力が役立つでしょう。

期限までに目標を達成したことがある人や、論理的思考が得意な人は原価管理の適性があります。

冷静さ

冷静さがあることも原価管理では必要です。

工事のコストが予定とズレたときに、慌てずに対応しなければならないからです。

工事のコストが予定とズレたときの対処法

  • 上司に相談する
  • 会社に相談する
  • 予算に合うように修正できる点を探す

トラブルが起きてもあまり慌てない人や「冷静だね」とよく言われる人は、原価管理や施工管理の仕事がおすすめです。

マネジメント力

原価管理にはマネジメント力も求められます。

利益が出るように、工事全体を管理する必要があるためです。

原価管理に求められるマネジメント力

  • 工事が予算内で収まるように計算する
  • 予算に合わせて工事の内容を変更する
  • 工事の変更を作業員さん達に伝える

ちなみに、施工管理に求められるマネジメント力は、施工管理に必要な5つのマネジメントスキル|身につける方法も解説にまとめています。

施工管理の原価管理では、以下のような用語を使うので、念のため知っておきましょう。

施工管理の原価管理に使う用語

  • 見積原価
  • 実行予算
  • 発注金額
  • 原価実績

1つずつ解説していきます。

見積原価

見積原価とは、工事を受注する前に、どれくらいの費用がかかるのかを予測して計算した金額のことです。

会社が利益を出せるように、過去の工事実績や材料費、人件費などの情報を元に、見積原価を算出します。

見積原価を算出するときの項目例

  • 必要な材料の費用
  • 作業員の人件費
  • 現場で使う機械のレンタル費用
  • 現場事務所の維持費
  • 会社の運営費の一部

受注競争では、他社よりも安い金額を提示した方が有利ですが、見積原価よりも低い金額で受注してしまうと、工事にかかる費用が収入を上回り、赤字になってしまう可能性があります。

そのため、正確な見積原価を計算することは、利益を確保し、会社を安定して経営していく上で重要です。

実行予算

実行予算とは、工事を受注した後、実際に工事を始める前に立てる具体的な予算のことです。

実行予算を作成することで、以下のメリットがあります。

実行予算を作成するメリット

  • 工事の進捗状況を管理しやすくなる
  • どこでお金を使っているのかを把握しやすくなる
  • 予算を超過しそうなときに、早めに気づける

これは、会社が安定して利益を出し続けるために欠かせない作業といえるでしょう。

発注金額

発注金額とは、工事で必要な資材や作業員の方にお願いする費用などを、外部の業者に支払う金額のことです。

発注金額の例

  • コンクリートや鉄骨などの材料費
  • クレーンなどの重機のレンタル費用
  • 作業員の方の人件費

発注金額は、過去の取引実績や、市場の価格などを参考にしながら、業者との交渉で決まります。

業者と協力して、無駄なコストを減らすことも大切です。

工事現場では状況に応じて、その場で業者に直接発注することもあります。

しかし、事前に決めた予算と大きく離れた金額で発注してしまうと、最終的に赤字になってしまう可能性があります。

そのため、定期的に発注金額を見直したり、実際に使ったお金を記録したりして、予算通りに進んでいるかを確認することが大切です。

原価実績

原価実績とは、工事を進める中で実際に使ったお金の合計のことです。

事前に立てた予算と原価実績を比べることで、以下を確認することができます。

原価実績でわかること

  • 工事予算どおりに進んでいるか
  • どこかで経費を使いすぎていないか
  • 節約できている部分はないか

原価実績は現場の担当者だけでなく、会社全体で共有して管理することが大切です。

会社の財産ともいえる貴重な情報を、今後の工事計画や予算管理に役立てることができます。

考える男性
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施工管理の未経験者は、どうやって原価管理を勉強すればいいの?

新人研修がしっかりしている会社に転職して、学ぶのがおすすめです。

その後は、現場で原価管理のスキルをアップさせていきましょう。

できれば、2ヶ月ほどの新人研修があると安心です。

ワット・コンサルティングの新人研修は60日

冒頭でもふれましたが、私たちワット・コンサルティングでも、未経験から施工管理になりたい人を募集しています。

業界トップクラスの60日間の新人研修があるため、原価管理を含め施工管理の基礎をしっかり学んでから働けます。

他にも、ワット・コンサルティングの強みは以下のとおりです。

ワット・コンサルティングの強み

  • 定着率83.2%(業界平均は約70%)
  • 未経験者の採用率80%
  • 累計1500名の未経験者を育成
  • 優良派遣事業者に認定されている
  • 社会保険完備+資格取得奨励金あり

転職先の候補に加えてみてください。

結論、施工管理の原価管理は、会社に利益が出るようにやりくりしながら工事を進める仕事です。

原価管理のメリット

  1. 効率的な工事計画ができる
  2. 現場の事故が減る
  3. 予定とのズレに気づける
  4. 作業員さんが納得して動いてくれる
  5. 会社の経営に役立つデータになる
  6. 工事の損益分岐点がわかる

そして、原価管理の手順は下記のとおりです。

  1. まずは工事の目標利益を決める
  2. 目標利益が出るように工事のスケジュールを決める
  3. 工事を進めながら利益を維持する
  4. 追加費用などで利益が減りそうなら会社と相談する
  5. 最終的な利益を高めていく

また、施工管理の原価管理に必要なスキルは以下の5つです。

  1. 数字に強い
  2. コミュニケーションスキル(外注業者の交渉や作業員への説明)
  3. 逆算する力(効率的な工事スケジュールを作るため)
  4. 冷静さ(予定とズレたときの対応)
  5. マネジメント力(利益が出るように管理するため)

本気で施工管理に転職を考えているなら、あとは行動あるのみです。

まずは求人情報を見てみましょう。

くりかえしですが、私たちワット・コンサルティングでも、未経験から施工管理になりたい人を募集しています。

転職活動の情報収集に活用してみてください。

さらに、未経験から施工管理への転職に失敗しないコツは以下の9つです。

失敗を防ぐコツ

  1. 新人研修がしっかりしている会社を選ぶ
  2. 未経験者OKの求人情報に絞る
  3. 転勤の有無をチェックする
  4. 給料・休日・福利厚生など条件をチェックする
  5. 資格取得支援など人材育成に力を入れている会社を選ぶ
  6. ブラック求人を避けてホワイト企業を探す
  7. 型に沿って志望動機を作る
  8. 型に沿って自己PRを作る
  9. 面接でよく聞かれる質問の答えを用意しておく

詳しくは、未経験でも施工管理に転職できる!転職に失敗しない9ステップにまとめたので、参考にしてみてください。

あとは行動あるのみです。

あなたの転職の参考になればうれしいです!

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