施工管理の工程管理とは【工程管理の手法や工程表の種類も解説】

施工管理の工程管理とは【あなたが工程管理に向いてるかも診断できる】
考える男性
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施工管理の工程管理って何?

未経験だけど施工管理に転職を考えてて、仕事内容を知りたいんだよね。

 

ググったら「4大管理」って出てきて、工程管理のイメージができない…

具体的にどんなことするの?

こういった疑問や不安に応える記事です。

この記事でわかることは下記のとおり。

  • 施工管理の工程管理が何かわかる
  • 工程管理が必要な理由がわかる
  • 工程管理の手順ややり方がわかる
  • 工程管理で使うツールがわかる
  • 工程管理に必要なスキルや資格がわかる
  • 工程管理ができるようになるまでのステップがわかる

 

私たちワット・コンサルティングは、施工管理の技術者派遣の会社です。

未経験で施工管理になりたい人を募集しています。

この記事では、施工管理の工程管理について詳しく解説します。

施工管理の仕事内容がより詳しくわかるため、仕事選びの参考になるはずです。

工程管理に必要なスキルも紹介するので、あなたにできそうかもチェックしてみましょう。

今回の転職活動に失敗したくない人は、最後まで読んでみてください!

目次

工程管理とは:工事のスケジュール管理のこと

施工管理の工程管理とは【スケジュール管理です】

施工管理の工程管理とは、工事のスケジュールを決めて管理しつつ、期限内に完成を目指す仕事のことです。

施工管理の仕事の「4大管理」の1つと言われています。

  1. 安全管理:現場の安全を守る
  2. 品質管理:建設物の品質を高める
  3. 原価管理:利益が出るように工事する
  4. 工程管理:工事のスケジュール管理

 

施工管理の4大管理については、施工管理の4大管理とは【5大管理もアリ。激務×ブラックを避けるコツ】に詳しくまとめています。

また、4大管理以外の施工管理の仕事内容は、施工管理(現場監督)の13の仕事内容をわかりやすく解説【未経験者向け】を参考にどうぞ。

 

施工管理の工程管理が必要な5つの理由

施工管理

考える男性
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どうして工程管理が必要なの?

理由は下記の5つです。

  1. 納期を守るため
  2. 施工ミスを防ぐため
  3. トラブルに対応するため
  4. ムダな時間を削減するため
  5. 過剰な人件費を削減するため

 

1つずつ解説します。

 

【理由1】納期を守るため

無計画に工事を進めると納期に間に合いません。

工事では、基本的に納期を守らないといけないため工程管理が必須です。

 

【理由2】施工ミスを防ぐため

余裕をもったスケジュールを組むことで、焦って施工ミスするのを防ぐことができます。

施工ミスが発生すると戻り作業が発生してしまうため、大きなロスです。

 

【理由3】トラブルに対応するため

工事ではトラブルがつきものです。

例えば、天候不良が続いて工事ができないなど。

余裕をもったスケジュールを組んでおかないと、1つのトラブルが起きるだけで納期に間に合わないでしょう。

トラブルに対応するためにも工程管理が必要です。

 

【理由4】ムダな時間を削減するため

スケジュールが甘いと、下記のようにムダな時間ができてしまいます。

  • 発注が遅れて「資材を待つ時間」ができてしまう
  • 工事のスケジュールミスで職人さんに待ち時間ができてしまう

 

工事において「何もしないムダな時間」は大きなロスです。

こうしたミスを防ぐためにも工程管理が重要です。

 

【理由5】過剰な人件費を削減するため

工程管理が甘いと、手が空いてしまう作業員さんが出てしまいます。

その分も人件費は発生するため、会社の利益を減らしてしまうことに。

きちんと工程管理することで「いつ・何人必要なのか」が見えるため、過剰な人件費がかかるのを防げます。

 

施工管理の工程管理の手順や方法【PDCAを回す】

施工管理の工程管理で具体的にやること

考える男性
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工程管理ってどうやってやるの?

工程管理の手順は「PDCAを回す」といわれます。

PDCAとは下記のとおり。

  1. P(Plan):計画を立てる
  2. D(Do):実施
  3. C(Check):確認
  4. A(Action):改善

 

1つずつ解説するので、工程管理の手順や方法を知りましょう。

 

P(Plan):計画を立てる

設計書に基づいて、各作業の順序や日程を決めていきます。

全体の工程表をもとに各工事の詳細な工程を決めたり、各業者に渡す工程表も作成します。

工程表を作るときは単にスケジュールを組むだけでなく、下記の配慮も必要です。

  • 原価の確認
  • 効率的な工数の計画
  • 最適な作業員数を計算
  • 天気予報などを見て悪天候を想定する
  • 不測の事態でも対応できるスケジュールを組む
  • 品質を維持できるようムリのないスケジュールを組む

 

D(Do):実施

工程表どおりに工事を開始します。

また、重機や資材の発注業務も行います。

 

C(Check):確認

現場を回って、工程表と工事の進み具合に差がないかチェックしていきます。

遅れている部分があればメモしておきましょう。

 

A(Action):改善

スケジュールが遅れた場合は、遅れた部分と問題点を洗い出して工程表を修正していきます。

工事全体に関わる修正もあるため、慎重に行う必要があります。

 

施工管理の工程表の種類【横線式工程表・ネットワーク工程表など】

ちなみに、工程表には下記の種類があります。

横線式工程表(バーチャート):縦軸は作業/横軸は日時

横線式工程表(バーチャート)

横線式工程表(ガントチャート):縦軸は作業/横軸は進捗

横線式工程表(ガントチャート)

座標式(斜線式)工程表:トンネルや道路工事に向く。縦軸が日数/横軸が距離

座標式(斜線式)工程表

曲線式工程表(バナナ曲線):縦軸が工事の進捗/横軸が時間の進捗

曲線式工程表(バナナ曲線)

ネットワーク式工程表:複雑な工程管理に向く。各工事の関連性が視覚的にわかる

ネットワーク式工程表

出典:農林水産省『土木工事施工管理基準の手引き「工程管理」

ちなみに工程管理表を作るときは、下記のように期間ごとに工程を決めていきます。

  • 工事全体
  • 1ヶ月ごと
  • 2週間ごと
  • 1週間ごと

 

施工管理の工程管理に使うツール【工事を見える化する】

アプリ

工事の全体像を見える化するためにもツールは必須です。

工程管理で使われるツールは下記などがあります。

  • エクセル
  • システムやアプリ

 

会社によって使うツールが違いますが、念のため知っておきましょう。

1つずつ解説します。

 

紙で工程管理

工程表を印刷して使います。

印刷した工程表を現場に持ってくるイメージ。

ネット環境がなくても使えますが、修正と情報共有が難しいのがデメリットです。

※近年は紙を使わない会社が増えています。

 

エクセルを使った工程管理

エクセルを使っている会社は多いです。

特にGoogleスプレッドシートだと、リアルタイムで修正内容を共有できます。

導入費用はかからないですが、エクセルを使えない人は苦戦するかもしれません。

 

システムやアプリを使った工程管理

近年は施工管理向けのシステムやアプリが次々に登場しており、多くの現場の工程管理に使われています。

クラウド型のシステムやアプリなら、修正内容をリアルタイムで全員と共有できます。

システムやアプリを導入するのは企業側なのであまり知らなくてもいいですが、念のため知っておきましょう。

システムやアプリに投資できる会社は資金力があり、働きやすさを重視していることもあるので、転職先を選ぶ基準になるでしょう。

施工管理向けのシステム・アプリは、【無料あり】施工管理におすすめアプリ9選【比較表あり、厳選した】にまとめています。

 

工程管理に必要なスキルや資格

工事現場と施工管理たち

考える男性
考える男性
工程管理ってどんなスキルが必要なの?

あと、資格はいるの?

結論、工程管理に必要なスキルは下記の4つです。

  1. 逆算して考えるスキル
  2. 臨機応変に対応するスキル
  3. 冷静に考えるスキル
  4. コミュニケーションスキル

 

こちらも1つずつ解説します。

 

①逆算して考えるスキル

工事は納期が決められています。

納期に間に合うように逆算して考える力が必要です。

旅行の計画を立てたり、段取り良く料理できる人などは向いているでしょう。

 

②臨機応変に対応するスキル

どんなに完璧なスケジュールを組んでも、工事現場では必ずトラブルが起こります。

  • 悪天候が続いて工事が進まない
  • 職人さんとのトラブルで現場が進まないなど

 

こうしたトラブルに臨機応変に対応する力が求められます。

 

③冷静に考えるスキル

トラブルが起きたときに、冷静でいることが必要です。

パニックになると、さらにトラブルが増えることも…

慌てず冷静でいられる人は向いています。

 

④コミュニケーションスキル

スケジュールがズレると、職人さんに協力してもらう必要があります。

そのとき、丁寧にお願いしないと「前はこう言ったじゃないか!」と怒り出す職人さんもいるでしょう。

「なぜ変更が必要なのか」をきちんと説明して、快くひきうけてもらうコミュニケーションスキルが必要です。

ちなみに、施工管理に必要なコミュニケーションスキルについては、施工管理が職人さんとうまくコミュニケーションを取る13のコツにまとめています。

 

工程管理に必要な資格は施工管理技士【ただしなくてもOK】

ちなみに、工程管理に必要な資格は「施工管理技士」です。

施工管理技士は、工程管理を含む施工管理のスキルを証明する国家資格のこと。

ただし、施工管理技士がなくても工程管理はできます。

資格なしで施工管理をやっている人も多いです。

参考:現場監督(施工管理)は資格なしでも働ける【ブラックを避ける方法】

 

そもそも施工管理技士を受験するには実務経験が必要です。

まずは実務経験を積んで、いずれ取得しましょう。

施工管理技士の詳細は、施工管理技士の資格の種類や試験の難易度【各試験の難易度順も解説】にまとめています。

 

施工管理の工程管理ができるようになる6ステップ

施工管理の工程管理ができるようになる5ステップ

考える男性
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なんとなくのイメージはわかったけど、実際に工程管理ができるようになるまでは、どんなステップを踏んでいくの?

大まかに分けると、下記の6ステップで学んでいく感じです。

  1. 新人研修で工程管理の基礎を学ぶ
  2. 先輩の工程管理を見る
  3. 工程と現場の進み具合をみる
  4. 工程管理をやらせてもらう
  5. ある程度は失敗する
  6. 予想外の事態を経験する

 

1ステップずつ解説します。

 

【ステップ1】新人研修で工程管理の基礎を学ぶ

まずは会社の新人研修で工程管理の基礎を学びましょう。

ここでしっかり学ばずに現場にでるとパニックになります。

未経験から施工管理に転職するなら、新人研修がしっかりしている会社を選びましょう。

しっかり基礎を教えてくれるので、スムーズに施工管理の仕事を始められます。

 

できれば2ヶ月くらいの新人研修がある会社が良いでしょう。

 

ちなみに、冒頭でもお伝えしましたが、私たちワット・コンサルティングでも未経験から施工管理に転職したい人を募集しています。

60日の新人研修があるため、しっかりと基礎を学んでから施工管理を始められます。

他にもワット・コンサルティングの強みは下記のとおり。

  • 1500名以上の未経験者を研修してきた実績あり
  • 研修期間中もお給料をもらえる
  • 定着率83.2%なので施工管理の転職に失敗しにくい(定着率も業界トップクラス)

 

転職活動の情報収集に活用してみてください。

 

【ステップ2】先輩の工程管理を見る

まずは先輩の横について、工程管理の感覚から見ていきましょう。

工程管理表の書き方も勉強になります。

先輩の工程管理表を、自分でも同じように書いてみるのも良い練習です。

まずは見て慣れましょう。

 

【ステップ3】工程と現場の進み具合をみる

工程管理表と実際の現場を見比べてみましょう。

立てたスケジュールと現場との感覚をつかむためです。

  • どの工事にどれくらい時間がかかるのか
  • どの工事にどれくらい人が必要なのか
  • どの工事にどういう資材や重機が必要なのか

 

などなど、工程管理表と現場を見比べながら覚えていくと頭に入ります。

工事は現場がすべてなので、現場感も見て覚えていく感じです。

 

【ステップ4】工程管理をやらせてもらう

慣れてきたら、実際に工程管理をやらせてもらいます。

なんでもそうですが、実際にやってみないと身につかないですからね。

よく「わかるとできるは違う」と言われますが、勉強してきた割に、実際には手が動かないモノです。

そういう壁にぶつかりつつも、実際に工程管理をやってみることで覚えていきます。

 

【ステップ5】ある程度は失敗する

工程管理は、ある程度の失敗も重要。

これもなんでもそうですが、失敗しないとできるようにならないから。

先輩に見てもらいつつ、失敗しながら仕事を覚えていく感じですね。

ベテランになってから失敗するのは少し恥ずかしいので、最初にたくさん失敗するのがコツです。

※もちろん先輩に報連相は必須です。取り返しのつかない失敗は不要なので。

 

【ステップ6】予想外の事態を経験する

くりかえしですが、工程管理をしていると必ず予想外の事態が発生します。

現場は生き物だし、何が起きるかわからないから。

ただ、こういった予想外の自体も「トラブルを乗り越える力」を身につけるためには、避けて通れません。

そうしたトラブルを経験することで、経験値が上がっていき、一人前に施工管理になれます。

 

まとめ【施工管理の工程管理は工事のスケジュール管理の仕事】

ステップアップする施工管理たち

この記事をまとめます。

  • 施工管理の工程管理とは、工事のスケジュール管理の仕事
  • 工程管理はPDCAで進めていく
  • 未経験から施工管理に転職する場合は新人研修がしっかりしている会社を選ぶ
  • 先輩の仕事を見つつ、失敗やトラブルを経験して工程管理はできるようになる
  • 工程管理には逆算力、コミュニケーション能力、冷静さが必要

 

施工管理に興味がある人は、さっそく転職活動を始めてみましょう。

行動しないと何も始まらないので。

まずは未経験者向けの求人情報を集めてみればOKです。

 

転職先の会社を選ぶときは、前述のとおり新人研修がしっかりしている会社が安心です。

工程管理を含む施工管理の基礎をしっかりと学びましょう。

くりかえし、私たちワット・コンサルティングでは60日の新人研修を実施しています。

転職活動の情報収集に活用してみてください。

 

あなたの転職活動の参考になればうれしいです!

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