会社から取るように言われたんだけど、けっこう難しい試験なのかな?
勉強のコツとかも知りたいな。
あと、もっとキャリアアップしていきたいから、他にも取得した方がいい資格とかあれば教えてほしい。
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- コンクリート技士の基礎がわかる
- コンクリート技士試験の難易度がわかる
- コンクリート技士の勉強方法がわかる
- コンクリート技士と併せて取得した方がいい資格がわかる
コンクリート技士は、コンクリートの製造・施工・検査・管理などの技術を証明する民間資格です。
取得しておくことで生コンの取り扱いもできるので、社内でのキャリアアップや転職に有効といえるでしょう。
コンクリートを扱う仕事をしている人なら、必ず取得しておきたい資格です。
また、一級建築士や施工管理技士の人がスキルアップのために取得するのもおすすめ。
コンクリート技士の難易度や勉強方法を解説するので、参考にしてみてください。
併せて取得した方がいい資格も紹介するので、キャリアアップのイメージになると思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
そもそもコンクリート技士とは【生コンを扱う資格】
コンクリート技士とは、コンクリートの製造・施工・検査・管理などの技術を証明する民間資格です。
簡単にいうと、生コンを扱うなら取得しておいた方が良いかと。
発注者もコンクリート技士がいることで安心して頼みやすいので、会社の売上にも貢献できるでしょう。
また、コンクリートメーカーでは、配合設計・製造管理・運搬管理・品質検査などの業務にも役立ちます。
公益社団法人日本コンクリート工学協会が主催しており、下記の2つの資格があります。
- コンクリート技士
- コンクリート主任技士
「コンクリート主任技士」はコンクリート技士の上位資格で、製造・施工・研究・計画・管理・指導などを行います。
コンクリート技士の就職先【転職にもメリットあり】
コンクリート技士があると、下記のような会社に就職できる可能性が広がります。
- ゼネコン
- 建設会社
- プラント
- メーカー
- 建設コンサルタント
- 調査・診断会社
- 公務員
転職にも有利なので、今後のキャリアアップのためにも取得しておきましょう。
コンクリート技士試験の難易度【そこまで高くない】
結論、試験の難易度はそこまで高くないです。
理由は下記のとおり。
- 過去問と似た出題が多いから
- 暗記問題が多いから
- 選択問題が多いから
きちんと勉強すれば普通に合格できる試験です。
ここでは、コンクリート技士の難易度を下記の項目で深掘りして解説します。
- 合格率
- 合格ライン
- 受験資格
- 試験問題
1つずつ解説します。
コンクリート技士の合格率からみる難易度
近年のコンクリート技士の合格率は下記のとおりです。
コンクリート技士 | コンクリート主任技士 | |
平成28年 | 28.9% | 13% |
平成29年 | 28.5% | 13% |
平成30年 | 29.6% | 13.2% |
令和元年 | 29.5% | 12.9% |
令和2年 | 30.7% | 13.7% |
コンクリート主任技士は難関ですが、コンクリート技士は30%前後の合格率で推移しています。
「合格率30%」というと難しい試験に見えますが、まったく勉強しないで受験する人も多いため合格率が低めになっています。
きちんと勉強すれば十分に合格できる試験であるため、合格率の低さはあまり気にしない方がいいかと。
合格ラインからみるコンクリート技士の難易度
コンクリート技士の合格ライン(合格点)は公表されていませんが、65~70%の正答で合格できる年が多いです。
合格ラインが変動する理由は、コンクリート技士が相対評価の試験だから。
年によって合格ラインが変わるため、高得点を取らないと安心できないのが「ちょっと難易度が高いかな」と感じるところです。
受験資格からみるコンクリート技士の難易度【実務経験が必要】
コンクリート技士には受験資格があります。
誰でも受験できるわけではない点では、難易度が高い資格といえるでしょう。
まず、コンクリート技士の受験資格は下記のとおりです。
- コンクリート診断士
- 一級建築士
- 技術士(建設部門、農業部門の農業土木)
- 特別上級・上級・1級土木技術者
- RCCM
- コンクリート構造診断士
- 1級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
- コンクリートに関する科目を大学・短大・高専・高校で履修:実務経験2年以上
- その他:実務経験3年以上
続いて、コンクリート主任技士の受験資格は下記のとおりです。
- コンクリート診断士
- 一級建築士
- 技術士(建設部門、農業部門の農業土木)
- 特別上級・上級・1級土木技術者
- RCCM
- コンクリート構造診断士
- 1級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
- コンクリート技士合格後2年以上
- コンクリートに関する科目を大学・短大・高専で履修:実務経験4年以上
- コンクリートに関する科目を高校で履修:実務経験5年以上
- その他:実務経験7年以上
けっこうレベルの高い資格が並ぶため、「受験したくてでもできない」という人も多いです。
まずは、あなたが受験資格を満たしているか確かめましょう。
試験問題からみるコンクリート技士の難易度
コンクリート技士とコンクリート主任技士の試験問題は下記のとおりです。
コンクリート技士 | 四肢択一式:約40問、1問2点(80点満点)◯×問題:約20問、1問1点(20点満点)
試験時間:2時間 |
コンクリート主任技士 | 四肢択一式:約30問小論文を含む記述式問題
試験時間:3時間 |
コンクリート技士は選択問題だけなので、難易度は低いです。
◯×問題は50%の確率で正解できて簡単ですが、配点が20点満点しかないため、四肢択一式問題で点数を稼ぐイメージです。
1問あたり2分しかないので、スピーディーに問題を解いていかないと時間がなくなります。
過去問で問題に慣れておくのが絶対条件と言えるでしょう。
また、コンクリート主任技士は記述問題があるため、難易度が上がります。
小論文の文字数は年度にもよりますが、600~1000文字くらいです。
ちなみに、試験科目は下記のとおり。
コンクリート技士 | コンクリート用材料の品質、試験や管理コンクリート配合設計・調合設計
コンクリートの試験 プラントの計画管理 コンクリートの製造・品質管理 コンクリートの施工 関係法規 |
コンクリート主任技士 | コンクリート用材料の品質、試験や管理コンクリート配合設計・調合設計
コンクリートの試験 プラントの計画管理 コンクリートの製造・品質管理 コンクリートの施工 関係法規 小論文 |
コンクリート技士は試験範囲が広いのが特徴。
コンクリートに関する幅広い知識を求められるため、しっかりと勉強して暗記する必要があります。
計算問題もあるため、計算式は必ず頭に入れておきましょう。
他の資格と比較すると、試験問題の難易度は下記のとおり。
- 二級建築士よりは難易度が低い
- 1級建築施工管理技士と同レベル
- 1級土木施工管理技士より難しい
それでも、似たような問題が毎年出題されるので、過去問を重点的に勉強しましょう。
特によく出題されるのは、下記の問題です。
- セメント(レディーミクストコンクリート・寒中/暑中コンクリート・マスコンクリート・水中コンクリート・高流動コンクリート)
- 鉄筋コンクリート構造の設計
- 混和材料
- 鋼材
- 材料や配合・調合フレッシュコンクリート
- 施工方法や劣化の補修・補強
- 硬化コンクリート製造
- 耐久性
- 品質管理や検査手法
- 工場製品
コンクリート技士の試験内容【申し込みに遅れないように】
コンクリート技士の試験内容は下記のとおりです。
- 願書販売:7~9月(願書代1000円)
- 受験申込:8~9月
- 試験日:11月
- 試験地:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇
- 受験料:コンクリート技士8800円・コンクリート主任技士11000円
- 合格発表:1月
- 合格後の登録料:5500円
ちなみに資格の有効期限は4年で、継続する場合は更新講習の受講が必要です。
※更新講習は8800円
詳しくは、公益社団法人日本コンクリート工学会のホームページで確認しましょう。
コンクリート技士の勉強方法【参考書や過去問題集でOK】
独学でも合格できるの?
結論、コンクリート技士は独学でも十分に合格できます。
参考書や過去問題集で勉強しましょう。
大まかな勉強の手順は下記のとおり。
- まずは参考書をざっと読む
- 過去問をやってみる
- わからないところを解答や参考書でチェック
- あとはひたすら過去問を解く(過去5年分を5周)
王道の勉強方法ですが、これで合格が見えてきます。
前述のとおり、コンクリート技士は過去問と似た問題が多く出題されるので、過去問中心の勉強でOKです。
1問2分しか時間がないため、試験本番と同じ2時間を計りながら解くのがコツです。
スピーディーに問題を解く練習もしておきましょう。
独学におすすめのテキスト・参考書・過去問題集
コンクリート技士の独学でおすすめのテキスト・参考書・過去問題集は下記です。
まずはこの辺を購入すれば良いと思います。
参考書や過去問題集を買うときは、最初にたくさん買いすぎないのがコツ。
たくさん買うほど「すべての本を勉強すること」が目的になりがちで、勉強効率が落ちます。
合格しやすい勉強法は「1冊を繰り返し勉強する」です。
問題と解答を丸暗記したら、高確率で合格できますよ。
コンクリート技士の過去問アプリも有益
ちなみに、コンクリート技士の過去問アプリ「コンクリート技士・主任技士 合格テキスト&過去問」もあるため、スマホで勉強したい人にはおすすめです。
過去問は過去4年分が収録されているため、なかなか良いと思います。
勉強期間は3~4ヶ月が無難【勉強時間は100~120時間が目安】
個人差はありますが、3~4ヶ月でOKだと思います。
勉強時間は100~120時間が目安なので、スケジュールは下記の感じ。
1日の勉強時間 | 勉強期間 |
1時間 | 3ヶ月 |
45分 | 4ヶ月 |
仕事をしながら勉強するのは大変ですが、空き時間を有効に使えば1日45分~1時間の勉強時間はとれるかと。
あまりに早くから勉強を始めるとモチベーションの維持が大変なので、3~4ヶ月前から勉強するのがおすすめです。
試験が11月末なので、8月くらいから勉強を始めましょう。
コンクリート技士と併せて取得しておきたい資格
できればキャリアアップしていきたいんだよね。
結論、下記の3つの資格がおすすめです。
- 1級建築施工管理技士
- 1級土木施工管理技士
- 一級建築士
1つずつ解説します。
①1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士がおすすめの理由は下記のとおり。
- コンクリート技士と関連性があるから
- コンクリート技士の受験資格を得られるから
- 昇進・昇給・転職が有利になるから
施工管理技士が不足しており、特に1級建築施工管理技士は重宝されるので取得しておきたいところです。
ゼネコンなど大手への転職も見えてくるため、できれば取得しましょう。
また、コンクリート技士と難易度が近いため、この辺の試験に慣れておくのもメリットがあるかと。
1級建築施工管理技士の詳細は、1級建築施工管理技士の合格率や過去問や受験資格から見る難易度にまとめてます。
②1級土木施工管理技士
1級土木施工管理技士がおすすめの理由も、1級建築施工管理技士とほぼ一緒です。
- コンクリート技士と関連性があるから
- コンクリート技士の受験資格を得られるから
- 昇進・昇給・転職が有利になるから
試験の難易度はコンクリート技士の方が上なので、まずは1級土木施工管理技士から段階を踏んでいくのも良いかと思います。
1級土木施工管理技士の詳細は、1級土木施工管理技士の合格率や過去問から見る難易度にまとめてます。
③一級建築士
一級建築士がおすすめの理由は、下記のとおりです。
- 建築系の難関資格なので、転職が有利になるから
- コンクリート技士の受験資格を得られるから
- 平均年収が高いから
一級建築士があると、転職がかなり有利です。
施工管理技士と同様、多くの会社で一級建築士を募集しているため、まさしく「手に職」といった感じです。
一級建築士の平均年収は642万円なので、稼げる資格です。
難易度はコンクリート技士よりはるかに上ですが、いずれは挑戦していきましょう。
一級建築士については、下記の2記事が参考になると思います。
まとめ【コンクリート技士試験の難易度は高くない。勉強を始めよう】
この記事をまとめます。
- コンクリート技士の合格率は30%前後と低めだが、きちんと勉強すれば合格できる
- 合格ラインは65~70%の正答
- 受験資格があり、誰でも受験できる資格ではない点で難易度が高い
- コンクリート技士は試験範囲が広いが、過去問中心で勉強すればOK
- 参考書や過去問題集で独学OK。3~4ヶ月前から勉強を始める
ということで、さっそく勉強を始めましょう。
当たり前ですが、1日も早く勉強を始めた方が合格率が高いからです。
まずは参考書や過去問題集を買ってみてください。
「コンクリート技士・主任技士 合格テキスト&過去問」のアプリも有益です。
申し込みに遅れないよう、公益社団法人日本コンクリート工学会のホームページで試験情報をチェックしてみましょう。
また、コンクリート技士と併せて取得しておきたい資格は下記の3つです。
- 1級建築施工管理技士
- 1級土木施工管理技士
- 一級建築士
それぞれの資格の詳細は下記の記事にまとめたので、参考にしてみてください。
あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!