試験問題とか合格率はどんな感じなの?
あと、どうやって勉強すればいいの?
他にもキャリアアップにおすすめの資格があれば教えてほしい。
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 海上工事施工管理技術者とはどんな資格かわかる
- 海上工事施工管理技術者の試験内容がわかる
- 海上工事施工管理技術者の勉強方法がわかる
- 海上工事施工管理技術者と併せておすすめの資格がわかる
私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行う会社です。
この記事では、海上工事施工管理技術者について解説します。
海上工事施工管理技術者は海洋土木の施工管理に有益な資格なので、ぜひとも取得しておきましょう。
合格率も紹介するので、参考にしてみてください。
また、キャリアアップ・収入アップに有益な他の資格も紹介するので、海上工事施工管理技術者と併せて取得していきましょう!
目次
海上工事施工管理技術者とは
海上工事施工管理技術者とは、海上工事の施工管理のスキルを証明する資格です。
海上工事は一般の土木工事技術に加えて、水面下での施工の専門知識・技術が求められるため、海上工事施工管理技術者を取得しておきましょう。
一般財団法人港湾空港総合技術センターが主宰しています。
海上工事施工管理技術者の分類
海上工事施工管理技術者は、下記の3つに分類されます。
- Ⅰ類:浚渫(しゅんせつ)
- Ⅱ類:コンクリート構造物
- Ⅲ類:鋼構造物
試験も分かれているため、複数を取得する場合はそれぞれ合格が必要です。
海上工事施工管理技術者の合格率
海上工事施工管理技術者のⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類の合格率は下記のとおりです。
※港湾空港総合技術センターのサイトの情報から算出しました。
Ⅰ類 | 一次試験 | 二次試験 |
平成29年 | 56.3% | 97.4% |
平成30年 | 57.6% | 100% |
令和元年 | 62.1% | 100% |
令和2年 | 61.2% | 100% |
令和3年 | 59.3% | 100% |
Ⅱ類 | 一次試験 | 二次試験 |
平成29年 | 60.1% | 99% |
平成30年 | 55.6% | 97.7% |
令和元年 | 50.6% | 100% |
令和2年 | 47.8% | 100% |
令和3年 | 55.7% | 98.7% |
Ⅲ類 | 一次試験 | 二次試験 |
平成29年 | 57.6% | 86.6% |
平成30年 | 73% | 94.4% |
令和元年 | 53.8% | 100% |
令和2年 | 62.5% | 100% |
令和3年 | 57.1% | 100% |
Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類ともに、二次試験は高確率で合格できます。
後述しますが、二次試験は論文と面接です。
不合格になる人は一次試験(筆記)で落ちることが多いため、特に一次試験を重点的に対策する必要があるでしょう。
参考:一般財団法人港湾空港総合技術センター「海上工事施工管理技術者認定試験 受験申込者数・受験者数・合格者数一覧表」
海上工事施工管理技術者認定試験の内容
海上工事施工管理技術者認定試験を下記の項目で解説していきます。
- 受験資格
- 試験問題
- 試験の概要
- 更新制度
受験資格【1級土木施工管理技士や技術士など】
下記のどれかに該当する人は、海上工事施工管理技術者認定試験を受験できます。
- 1級土木施工管理技士
- 建設部門の技術士
- 海上工事の実務経験が24ヶ月以上
- 受験する資格分類の海上工事で技術管理業務の実務経験が12ヶ月以上
- 受験する資格分類の海上工事で監理技術者or主任技術者の実務経験が2回以上
受験に必要な実務経験の詳細は、港湾空港総合技術センターのサイトで必ずチェックしましょう。
海上工事施工管理技術者の一次試験の問題
一次試験は選択式の筆記試験です。
共通分野と専門分野があり、詳細は下記のとおり。
- 共通分野(海上工事の施工全般の知識):筆記(選択式)/30問程度
- 専門分野(受験する資格分類の知識):筆記(選択式)/20問程度(25問のうち20問を選択)
共通分野の試験範囲は下記のとおりです。
一般 | 港湾概論、気象海象、測量調査、積算、契約関係(入札・契約制度・契約図書等)、基本的設計知識、維持管理、技術者倫理など |
法規 | 建設業法、労働安全衛生法、港湾法、港則法、海洋汚染及び海上火災の防止に関する法律、海上交通安全法など海上工事の関連法規 |
施工管理 | 施工管理(施工計画、工程管理、品質管理、安全管理、船舶・機械など)、材料、施工技術、関係調整など |
そして、専門分野の試験範囲はⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類で違います。
Ⅰ類:浚渫 | 浚渫一般(浚渫工法、積算、施工管理、基本的設計知識等)、関係法令、測量調査、浚渫工(ポンプ浚渫、グラブ浚渫、砕岩浚渫、その他の浚渫)、土運船運搬工、埋立・揚土工、関連施工技術など |
Ⅱ類:コンクリート構造物 | 構造物一般(構造形式、積算、施工管理、基本的設計知識等)、 材料(石材、コンクリート等)、基礎工、被覆・根固・消波工、本体工(ケーソン式、ブロック式、場所打式)、上部工、裏込・裏埋工、付属工、地盤改良工、沈埋トンネル、関連施工技術など |
Ⅲ類:鋼構造物 | 構造物一般(構造形式、積算、施工管理、基本的設計知識等)、 材料(鋼材、防食材等)、本体工(鋼矢板式、鋼杭式、その他の 構造型式)、上部工、控え工、溶接・切断工、防食工、付属工、 地盤改良工、関連施工技術など |
参考:一般財団法人港湾空港総合技術センター「海上工事施工管理技術者資格認定試験」
海上工事施工管理技術者の二次試験の内容
二次試験は論文試験と面接です。
論文試験は、あなたの施工経験を1600~3000文字で書いて提出します。
※施工管理技士試験の第二次検定の経験記述問題のようなイメージ。
論文試験で記述する内容は下記のとおりです。
- 工事件名
- 発注者名
- 工期
- 工事概要(工事概要、主要工種、数量、使用した船舶機械など300文字程度)
- 工事に関わったときの肩書き・立場・役割
- 工事であなたが取り組んだ3件以上の技術上の課題を箇条書きで記載
- 技術上の課題から2項目を選び、課題の詳細内容、具体的な解決方策、解決策を実施した結果、現時点の評価を記述
そして、面接では経歴、施工経験、技術倫理などを聞かれます。
面接の時間は20~30分程度です。
参考:一般財団法人港湾空港総合技術センター「海上工事施工管理技術者資格認定試験」
海上工事施工管理技術者認定試験の概要
試験のスケジュールは下記のとおりです。
- 一次試験の申込:6月頃
- 一次試験:9月頃
- 一次試験の合格発表:10月頃
- 二次試験の申込:10月頃
- 二次試験の論文提出:10月頃
- 二次試験の面接:12月頃
- 二次試験の合格発表:1月頃
- 資格登録申請:2月頃
- 資格の発効:4月頃
試験地は下記のとおり。
- 一次試験の試験地:札幌、東京、大阪、福岡、那覇
- 二次試験(面接)の試験地:東京、大阪、福岡
受験料は下記のとおりです。
- 一次試験:11000円(税込)
- 二次試験:11000円(税込)
ちなみに、試験に合格後は資格の登録が必要です。
資格の登録料は11000円(税込)です。
参考:一般財団法人港湾空港総合技術センター「海上工事施工管理技術者資格認定試験」
更新制度【実務経験や講習会への参加が必要】
海上工事施工管理技術者の有効期間は5年です。
資格を継続する場合は、更新申請が必要です。
ただし、5年間で下記などを実践して200ポイント以上を貯めないと更新できません。
- 海上工事の施工経験
- 施工技術報告
- 各種団体の講習・研修会への参加
- 港湾空港総合技術センターの技術講習会へ参加
ポイントの内訳は、港湾空港総合技術センターのサイトをチェックしてみてください。
参考:一般財団法人港湾空港総合技術センター「海上工事施工管理技術者の継続学習および資格の更新について」
海上工事施工管理技術者の勉強方法
結論、下記の2つで勉強しましょう。
- 参考図書で勉強する
- 過去問題を参考にする
1つずつ解説します。
参考図書で勉強する
下記の参考図書を購入して勉強しましょう。
基礎的な知識は、これらが参考になります。
海上工事施工管理技術者の過去問題を参考にする
港湾空港総合技術センターのサイトに、過去問題が掲載されています。
試験のイメージになると思うので、実際に解いてみましょう。
先ほど紹介した参考図書で調べながら、勉強してみてください。
海上工事施工管理技術者と併せて取得しておきたい3つの資格
キャリアアップ・収入アップしたいんだよね。
結論、下記の3つがおすすめです。
- 土木施工管理技士
- 建設部門の技術士
- 建設機械施工技士
1つずつ解説します。
①土木施工管理技士
建設部門の技術士で海上工事施工管理技術者を受験する人は、土木施工管理技士も取得しておきましょう。
土木工事全般の施工管理スキルを証明できる資格で、取得すると下記のメリットがあります。
- 監理技術者(1級のみ)・主任技術者になれる
- 経営事項審査で点数がつき公共工事を受注しやすくなる(1級は5点、2級は2点)
- 昇給や資格手当で年収アップしやすい
- 転職も有利になる
キャリアアップ・収入アップしたい人は挑戦してみてください。
詳しくは下記の記事にまとめています。
②建設部門の技術士
1級土木施工管理技士で海上工事施工管理技術者を受験する人は、建設部門の技術士も検討しましょう。
高度な科学技術の知識やスキルを証明できる国家資格です。
建設部門の技術士を取得するメリットは下記のとおり。
- 主任技術者・監理技術者になれる
- 経営事項審査に点数がつき公共工事を受注しやすくなる
- 昇給や資格手当で年収アップしやすい
- 転職も有利になる
- 土木系の公務員や建設コンサルタントなどキャリアの選択肢が広がる
建設部門の技術士については、建設部門の技術士の合格率や難易度【おすすめの勉強方法も紹介します】にまとめてます。
③建設機械施工技士
建設機械を使った工事の施工管理を行う国家資格です。
海洋土木では大型の建設機械がつきものなので、興味があれば挑戦してみても良いでしょう。
建設機械施工技士を取得すると、下記のメリットがあります。
- 監理技術者(1級のみ)・主任技術者になれる
- 経営事項審査で点数がつき公共工事を受注しやすくなる(1級は5点、2級は2点)
- 昇給や資格手当で年収アップしやすい
- 転職も有利になる
事前の講習会があるなど、他の施工管理技士試験より少し難易度は低めです。
建設機械施工技士については、下記の記事を参考にどうぞ。
まとめ【さっそく海上工事施工管理技術者の勉強を始めよう】
結論、海洋土木の施工管理業務において、海上工事施工管理技術者はとても有益な資格です。
キャリアアップしたい人は、必ず取得しておきましょう。
海上工事施工管理技術者を取得したいなら、さっそく勉強を始めてみてください。
試験に合格するコツは、少しでも多くの勉強時間を確保すること。
今日から勉強を始めれば、もっとも勉強時間を確保できます。
まずは、港湾空港総合技術センターのサイトで参考図書を買ってみましょう。
また、海上工事施工管理技術者と併せて取得しておきたい資格は下記の3つです。
- 土木施工管理技士
- 建設部門の技術士
- 建設機械施工技士
詳しくは下記の記事にまとめたので、参考にどうぞ。
あなたのキャリアアップ・収入アップの参考になればうれしいです!