未経験だけど施工管理に転職を考えてて、仕事内容を知りたいんだよね。
ググったら「4大管理」って出てきて、工程管理のイメージができない…
具体的にどんなことするの?
こういった疑問や不安に応える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 施工管理の工程管理が何かわかる
- 工程管理が必要な理由がわかる
- 工程管理の手順ややり方がわかる
- 工程管理で使うツールがわかる
- 工程管理に必要なスキルや資格がわかる
- 工程管理ができるようになるまでのステップがわかる
私たちワット・コンサルティングは、施工管理の技術者派遣の会社です。
未経験で施工管理になりたい人を募集しています。
この記事では、施工管理の工程管理について詳しく解説します。
施工管理の仕事内容がより詳しくわかるため、仕事選びの参考になるはずです。
工程管理に必要なスキルも紹介するので、あなたにできそうかもチェックしてみましょう。
今回の転職活動に失敗したくない人は、最後まで読んでみてください!
この記事の監修者
施工管理の技術者派遣を行う会社。これまで1500名以上の未経験者を施工管理として育成した実績あり。
- 労働者派遣事業許可番号 派13-304593
- 有料職業紹介事業許可番号 13- ユ-304267
- 特定建設業 東京都知事許可 (特-1) 第150734号
目次
施工管理の工程管理とは:工事現場のスケジュール管理のこと
施工管理の工程管理とは、工事のスケジュールを決めて管理しつつ、期限内に完成を目指す仕事のことです。
施工管理の仕事の「4大管理」の1つと言われています。
- 安全管理:現場の安全を守る
- 品質管理:建設物の品質を高める
- 原価管理:利益が出るように工事する
- 工程管理:工事のスケジュール管理
施工管理の4大管理については、施工管理の4大管理とは【5大管理もアリ。激務×ブラックを避けるコツ】に詳しくまとめています。
また、4大管理以外の施工管理の仕事内容は、施工管理(現場監督)の13の仕事内容をわかりやすく解説【未経験者向け】を参考にどうぞ。
施工管理の工程管理が必要な9つの理由
理由は下記の9つです。
- 納期を守るため
- 施工ミスを防ぐため
- トラブルに対応するため
- ムダな時間を削減するため
- 過剰なコストを削減するため
- 工事の品質を維持するため
- 生産性を高めて効率化するため
- 工事現場での事故を防ぐため
- 急な仕様変更に対応するため
1つずつ解説します。
【理由1】納期を守るため
無計画に工事を進めると納期に間に合いません。
工事では、基本的に納期を守らないといけないため工程管理が必須です。
【理由2】施工ミスを防ぐため
余裕をもったスケジュールを組むことで、焦って施工ミスするのを防ぐことができます。
施工ミスが発生すると戻り作業が発生してしまうため、大きなロスです。
【理由3】トラブルに対応するため
工事ではトラブルがつきものです。
例えば、天候不良が続いて工事ができないなど。
余裕をもったスケジュールを組んでおかないと、1つのトラブルが起きるだけで納期に間に合わないでしょう。
トラブルに対応するためにも工程管理が必要です。
【理由4】ムダな時間を削減するため
スケジュールが甘いと、下記のようにムダな時間ができてしまいます。
- 発注が遅れて「資材を待つ時間」ができてしまう
- 工事のスケジュールミスで職人さんに待ち時間ができてしまう
工事において「何もしないムダな時間」は大きなロスです。
こうしたミスを防ぐためにも工程管理が重要です。
【理由5】過剰なコストを削減するため
工程管理が甘いと、過剰にコストがかかってしまいます。
- 作業員さんの手が空いてしまう
- 作業員さんを増員することで人件費がかかるなど
結果、会社の利益を減らしてしまうことになります。
きちんと工程管理することで「いつ・何人必要なのか」が見えるため、過剰なコストがかかるのを防げます。
【理由6】工事の品質を維持するため
工程管理がしっかりとしていると、各工程で必要な作業が計画通りに進行するため、手抜きや急造が起きにくくなります。
さらに、工程管理を通じて進捗を随時確認することで、問題点や品質低下のリスクを早期に発見して、必要な対策を講じることもできます。
結果、最終的な出来栄えが計画どおり、またはそれ以上の品質で仕上がるため、工程管理が必要です。
【理由7】生産性を高めて効率化するため
工程管理は、工事の生産性と効率化を高めるためにも欠かせません。
- 各作業の順序とタイミングがわかる
- 作業員さんや機械がムダなく活用される
- 結果、ムダな時間が減る
必要な資材の準備や、次の作業の前準備ができているかなどを確認できて、スムーズに作業が進みます。
また、工程管理を行うことで、各工程での作業スピードや品質をチェックできるので、問題や遅延にすぐに対処して、生産性や効率を高めることができます。
【理由8】工事現場での事故を防ぐため
工程管理は、現場の事故防止にも役立ちます。
- 作業が計画どおりに遂行する
- 想定外のトラブルが起きにくい
- 焦りがなくなり事故を防ぎやすい
作業員さんが混乱することで、事故は起きやすくなります。
それを防ぐためにも工程管理が必要です。
【理由9】急な仕様変更に対応するため
特に急な仕様変更に対応するためにも、工程管理が重要です。
工程管理がしっかりと行われていると、現場の進捗状況が常に明確で、どの工程がどれだけの時間とリソースを必要とするのかが計測されています。
そのため、急な仕様変更が発生した場合でも、その影響を早急に評価して、適切な対応策を練ることが可能です。
工程管理を行うことでスケジュールに余裕をもてるため、急な仕様変更にも対応できます。
これにより、急な仕様変更があっても期限内に工事を完了できる可能性が上がります。
施工管理の工程管理の手順や手法|PDCAの流れ
工程管理の手順は「PDCAを回す」といわれます。
PDCAとは下記のとおり。
- P(Plan):計画を立てる
- D(Do):実施
- C(Check):確認
- A(Action):改善
1つずつ解説するので、工程管理の手順や方法を知りましょう。
P(Plan):計画を立てる
設計書に基づいて、各作業の順序や日程を決めていきます。
全体の工程表をもとに各工事の詳細な工程を決めたり、各業者に渡す工程表も作成します。
工程表を作るときは単にスケジュールを組むだけでなく、下記の配慮も必要です。
- 原価の確認
- 効率的な工数の計画
- 最適な作業員数を計算
- 天気予報などを見て悪天候を想定する
- 不測の事態でも対応できるスケジュールを組む
- 品質を維持できるようムリのないスケジュールを組む
D(Do):実施
工程表どおりに工事を開始します。
また、重機や資材の発注業務も行います。
C(Check):確認
現場を回って、工程表と工事の進み具合に差がないかチェックしていきます。
遅れている部分があればメモしておきましょう。
A(Action):改善
スケジュールが遅れた場合は、遅れた部分と問題点を洗い出して工程表を修正していきます。
工事全体に関わる修正もあるため、慎重に行う必要があります。
施工管理の工程管理表の種類
主な種類は以下のとおりです。
- 横線式工程表(バーチャート)
- 横線式工程表(ガントチャート)
- 座標式(斜線式)工程表
- 曲線式工程表(バナナ曲線)
- ネットワーク式工程表
1つずつ紹介していきます。
横線式工程表(バーチャート)
縦軸は作業、横軸は日時を記入します。
横線式工程表(ガントチャート)
縦軸は作業、横軸は進捗を記入します。
座標式(斜線式)工程表
トンネルや道路工事に向きます。
縦軸が日数、横軸が距離を表します。
曲線式工程表(バナナ曲線)
縦軸が工事の進捗、横軸が時間の進捗をしています。
ネットワーク式工程表
複雑な工程管理に向きます。
各工事の関連性が視覚的にわかります。
出典:農林水産省『土木工事施工管理基準の手引き「工程管理」』
工程表は期間ごとに作成する
ちなみに工程管理表を作るときは、下記のように期間ごとに工程を決めていきます。
- 工事全体
- 1ヶ月ごと
- 2週間ごと
- 1週間ごと
施工管理の工程管理の失敗例
以下のように工程管理を怠ると、どんどん工事が遅れていきます。
- 工程表が更新されていない
- 現場の進捗がわかっていない
- 業者間での工程のすり合わせができていない
イメージのために1つずつ解説します。
工程表が更新されていない
工程に変更があったにも関わらず、工程表が更新されていないと以下のトラブルが起こります。
- 古い工程表のまま工事が進んでしまう
- 戻し作業が発生してしまう
- 工事が遅れ、余計に人件費がかかる
工程に変更があったら、すぐに更新して情報共有しなければいけません。
現場の進捗がわかっていない
現場の進捗がわかっていないと、正確な工程を組むことができません。
実際の現場と違う認識でスケジュールを立ててしまうと、ずっと工程がズレてしまいます。
結果、工程管理業務のやり直しになり、大きなロスです。
業者間での工程のすり合わせができていない
工事現場には多くの業者が出入りします。
その業者すべてに正しい工程が伝わっていないと、トラブルが発生します。
- まだしてはいけない工事が始まってしまう
- 戻し作業が発生して時間を大幅にロスする
- 部材や作業員さんなどのコストが余計に発生する
このように、工程管理を怠るとトラブルが連鎖していきます。
きちんと工程管理を進めていく必要があります。
施工管理の工程管理に使うツール【工事を見える化する】
工事の全体像を見える化するためにもツールは必須です。
工程管理で使われるツールは下記などがあります。
- 紙・ホワイトボード
- エクセル・スプレッドシート
- 工事ソフトやアプリ
会社によって使うツールが違いますが、念のため知っておきましょう。
1つずつ解説します。
紙・ホワイトボードで工程管理
工程表を印刷して使うorホワイトボードで情報共有します。
ネット環境がなくても使えますが、修正と情報共有が難しいのがデメリットです。
近年は紙・ホワイトボードを使わない会社が増えています。
エクセル・スプレッドシートを使った工程管理
エクセルを使っている会社は多いです。
特にGoogleスプレッドシートだと、リアルタイムで修正内容を共有できます。
導入費用はかからないですが、エクセルを使えない人は苦戦するかもしれません。
工事ソフトやアプリを使った工程管理
近年は施工管理向けの工事ソフトやアプリが次々に登場しており、多くの現場の工程管理に使われています。
クラウド型のソフトやアプリなら、修正内容をリアルタイムで全員と共有できます。
ソフトやアプリを導入するのは企業側なのであまり知らなくてもいいですが、念のため知っておきましょう。
ソフトやアプリに投資できる会社は資金力があり、働きやすさを重視していることもあるので、転職先を選ぶ基準になります。
施工管理向けのソフト・アプリは、【無料あり】施工管理におすすめアプリ9選【比較表あり、厳選した】にまとめています。
工程管理に必要なスキルや資格
あと、資格はいるの?
結論、工程管理に必要なスキルは下記の4つです。
- 逆算して考えるスキル
- 臨機応変に対応するスキル
- 冷静に考えるスキル
- コミュニケーションスキル
こちらも1つずつ解説します。
①逆算して考えるスキル
工事は納期が決められています。
納期に間に合うように逆算して考える力が必要です。
旅行の計画を立てたり、段取り良く料理できる人などは向いているでしょう。
②臨機応変に対応するスキル
どんなに完璧なスケジュールを組んでも、工事現場では必ずトラブルが起こります。
- 悪天候が続いて工事が進まない
- 職人さんとのトラブルで現場が進まないなど
こうしたトラブルに臨機応変に対応する力が求められます。
③冷静に考えるスキル
トラブルが起きたときに、冷静でいることが必要です。
パニックになると、さらにトラブルが増えることも…
慌てず冷静でいられる人は向いています。
④コミュニケーションスキル
スケジュールがズレると、職人さんに協力してもらう必要があります。
そのとき、丁寧にお願いしないと「前はこう言ったじゃないか!」と怒り出す職人さんもいるでしょう。
「なぜ変更が必要なのか」をきちんと説明して、快くひきうけてもらうコミュニケーションスキルが必要です。
ちなみに、施工管理に必要なコミュニケーションスキルについては、施工管理が職人さんとうまくコミュニケーションを取る13のコツにまとめています。
工程管理に必要な資格は施工管理技士【ただしなくてもOK】
ちなみに、工程管理に必要な資格は「施工管理技士」です。
施工管理技士は、工程管理を含む施工管理のスキルを証明する国家資格のこと。
そもそも施工管理技士を受験するには実務経験が必要です。
まずは実務経験を積んで、いずれ取得しましょう。
施工管理技士の詳細は、施工管理技士の資格の種類や試験の難易度【各試験の難易度順も解説】にまとめています。
施工管理の工程管理の基本ができるようになるコツ7ステップ
大まかに分けると、下記の7ステップで学んでいく感じです。
- 新人研修で工程管理の基礎を学ぶ
- 先輩の工程管理を見る
- 工程と現場の進み具合をみる
- 工程管理をやらせてもらう
- ある程度は失敗する
- 予想外の事態を経験する
- 短い工期の工程表を作成する
1ステップずつ解説します。
【ステップ1】新人研修で工程管理の基礎を学ぶ
まずは会社の新人研修で工程管理の基礎を学びましょう。
ここでしっかり学ばずに現場にでるとパニックになります。
未経験から施工管理に転職するなら、新人研修がしっかりしている会社を選びましょう。
しっかり基礎を教えてくれるので、スムーズに施工管理の仕事を始められます。
できれば2ヶ月くらいの新人研修がある会社が良いでしょう。
ちなみに、冒頭でもお伝えしましたが、私たちワット・コンサルティングでも未経験から施工管理に転職したい人を募集しています。
60日の新人研修があるため、しっかりと基礎を学んでから施工管理を始められます。
他にもワット・コンサルティングの強みは下記のとおり。
- 1500名以上の未経験者を研修してきた実績あり
- 研修期間中もお給料をもらえる
- 定着率83.2%なので施工管理の転職に失敗しにくい(定着率も業界トップクラス)
転職活動の情報収集に活用してみてください。
【ステップ2】先輩の工程管理を見る
まずは先輩の横について、工程管理の感覚から見ていきましょう。
工程管理表の書き方も勉強になります。
先輩の工程管理表を、自分でも同じように書いてみるのも良い練習です。
まずは見て慣れましょう。
【ステップ3】工程と現場の進み具合をみる
工程管理表と実際の現場を見比べてみましょう。
立てたスケジュールと現場との感覚をつかむためです。
- どの工事にどれくらい時間がかかるのか
- どの工事にどれくらい人が必要なのか
- どの工事にどういう資材や重機が必要なのか
などなど、工程管理表と現場を見比べながら覚えていくと頭に入ります。
工事は現場がすべてなので、現場感も見て覚えていく感じです。
【ステップ4】工程管理をやらせてもらう
慣れてきたら、実際に工程管理をやらせてもらいます。
なんでもそうですが、実際にやってみないと身につかないですからね。
よく「わかるとできるは違う」と言われますが、勉強してきた割に、実際には手が動かないモノです。
そういう壁にぶつかりつつも、実際に工程管理をやってみることで覚えていきます。
【ステップ5】ある程度は失敗する
工程管理は、ある程度の失敗も重要。
これもなんでもそうですが、失敗しないとできるようにならないから。
先輩に見てもらいつつ、失敗しながら仕事を覚えていく感じですね。
ベテランになってから失敗するのは少し恥ずかしいので、最初にたくさん失敗するのがコツです。
※もちろん先輩に報連相は必須です。取り返しのつかない失敗は不要なので。
【ステップ6】予想外の事態を経験する
くりかえしですが、工程管理をしていると必ず予想外の事態が発生します。
現場は生き物だし、何が起きるかわからないから。
ただ、こういった予想外の自体も「トラブルを乗り越える力」を身につけるためには、避けて通れません。
そうしたトラブルを経験することで、経験値が上がっていき、一人前に施工管理になれます。
【ステップ7】短い工期の工程表を作成する
まずは短い工期の工程表から作成してみましょう。
いきなり長い工期の工程表は、少し難易度が高いです。
短い工期の工程表から作り、徐々に長い工期の工程表を作っていくのがおすすめです。
まとめ|施工管理の工程管理は工事のスケジュール管理の仕事
この記事をまとめます。
- 施工管理の工程管理とは、工事のスケジュール管理の仕事
- 工程管理はPDCAで進めていく
- 未経験から施工管理に転職する場合は新人研修がしっかりしている会社を選ぶ
- 先輩の仕事を見つつ、失敗やトラブルを経験して工程管理はできるようになる
- 工程管理には逆算力、コミュニケーション能力、冷静さが必要
施工管理に興味がある人は、さっそく転職活動を始めてみましょう。
行動しないと何も始まらないので。
まずは未経験者向けの求人情報を集めてみればOKです。
転職先の会社を選ぶときは、前述のとおり新人研修がしっかりしている会社が安心です。
工程管理を含む施工管理の基礎をしっかりと学びましょう。
くりかえし、私たちワット・コンサルティングでは60日の新人研修を実施しています。
転職活動の情報収集に活用してみてください。
さらに、未経験から施工管理への転職に失敗しないコツは以下の9つです。
失敗を防ぐコツ
- 新人研修がしっかりしている会社を選ぶ
- 未経験者OKの求人情報に絞る
- 転勤の有無をチェックする
- 給料・休日・福利厚生など条件をチェックする
- 資格取得支援など人材育成に力を入れている会社を選ぶ
- ブラック求人を避けてホワイト企業を探す
- 型に沿って志望動機を作る
- 型に沿って自己PRを作る
- 面接でよく聞かれる質問の答えを用意しておく
詳しくは、未経験でも施工管理に転職できる!転職に失敗しない9ステップにまとめたので、参考にしてみてください。
あなたの転職活動の参考になればうれしいです!