東京駅舎のレンガ造りを解説【大正時代の東京のシンボルを再現】

考える男性
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東京駅舎のレンガについて知りたいな。

どんな造り方や積み方をしてるんだろう?

復元前と復元後で、何か違うのかな?

こういった疑問に答える記事です。

本記事でわかることは下記のとおり。

  • 2012年の復元後の東京駅のレンガ造りがわかる
  • 1914年の初期の東京駅のレンガ造りがわかる
  • 日本を代表するレンガの建造物がわかる

 

2012年に、大正時代の初期の東京駅が復元されました。

きれいなレンガ造りですよね。

この記事では、東京駅のレンガ造りについて深掘りしていきます。

 

また、1914年の初期の東京駅のレンガも解説。

マニアックな記事ですが、東京駅のレンガにスポットを当てて見ていきましょう。

東京駅舎のレンガ造りを解説【2012年に復元されました】

東京駅舎のレンガ造りを解説【2012年に復元されました】

東京駅舎は、2012年に大正時代の東京駅に復元されました。

レンガは国産が使われています。

 

東京駅舎のレンガの積み方

東京駅のレンガの積み方は2種類です。

  • 内部のレンガ→イギリス積み(経済的で丈夫)
  • 表面のレンガ→小口積み(見た目が綺麗)

 

イギリス積み


小口積み

南口構内の近くに内部の古いレンガが残っていて、イギリス積みを見ることができますよ。

 

3階の駅舎表面のレンガタイルは、愛知県常滑市のアカイタイルのレンガが使われています。

あえて少し色が違うレンガタイルを造り、もともとあった1・2階のレンガの色と調和をとっていて見事ですよ。

 

東京駅のレンガ目地は「覆輪目地」

覆輪目地

東京駅のレンガ目地は、今では珍しい「覆輪目地」です。

特徴は、目地部分が半円型に盛り上がっていることですね。

 

レンガの復元はリクシルが担当しましたが、覆輪目地は当時の技法なので、職人さんが3ヶ月いろいろと試したそうです。

特殊なコテを使って再現することに成功しました。

覆輪目地が使われている建築物は、なかなか珍しいです。

 

【ちなみに】東京駅は免震構造

なんと東京駅は、免震構造でできています。

もともとあった東京駅舎の下に、コンクリートの杭を打ち込み、その上に鉄筋コンクリートの地下室を設置。

その地下室の上に駅舎が乗っかっているイメージです。

 

オイルダンバーとアイソレータ(免震装置)も採用されている免震構造です。

地震が発生すると、上に乗っかっているだけの駅舎が動いて、揺れを受け流す仕組みです。

 

東京駅の復元工事は3階と屋根が大きく変わった

2007年の復元工事以前の東京駅は、2階建てでした。

2012年に復元工事後は、3階建てになっています。

 

また、南北の屋根は、八角屋根→ドームに変更されました。

言われないとわからない人も多いですが、実はかなり外見が変わっています。

増設された3階部分の躯体は、鉄筋コンクリートでできていて、表面にレンガが貼られています。

 

ちなみに、1階と2階の多くは既存の建物を使っています。

※施工は鹿島建設、清水建設、鉄建建設が共同でした。

 

南北のドームのスレート屋根は震災復興の象徴

東京駅舎の南北のドームのスレートは、宮城県石巻市で造られました。

復元工事が始まった頃、旧東京駅の屋根材のスレートを宮城県石巻市に送って、補修してもらっていたところ、2011年の東日本大震災が起こり、スレートが津波で流れてしまいました。

 

不足分の多くをスペイン産のスレートで代用する案も出ましたが、石巻で流されたスレートを回収・洗浄して、無事に東京に戻されたのです。

従業員さんやボランティアの人たちが回収・洗浄に当たったそうです。

※一部にスペイン産のスレートが使われています。

 

1914年の東京駅のレンガは埼玉県深谷産

1914年の東京駅のレンガは埼玉県深谷産

最初に東京駅が建設されたのは、1914年のこと。

当時の東京駅舎のレンガは、埼玉県深谷市の日本煉瓦製造で造られていました。

 

日本煉瓦製造を作ったのは、2024年から新1万円札の肖像画になる「渋沢栄一」です。

明治時代、近代的な建物が増えていた背景もあり、創業した会社です。

 

ちなみに現在の深谷駅の外観は、東京駅そっくりです。

この辺は、東京駅舎との関わりがあるのかもしれませんね。

 

東京駅を設計したのは辰野金吾

東京駅を設計したのは、明治を代表する建築家である「辰野金吾」です。

辰野金吾が設計した他の建築物には、下記があります。

  • 日本銀行本店
  • 大阪市中央公会堂
  • 西日本工業倶楽部会館

 

近代日本を代表する建築物を、多く設計しています。

 

当時の東京駅は、地面に松の杭を打ち込み、その上に鉄骨の躯体を組み、間をレンガで埋める造りでした。

日本ではかなり新しい技術で、1923年の関東大震災でもほとんど損壊しなかったそうです。

 

1945年の東京大空襲で大損害→復興

しかし、戦時中の1945年、東京大空襲で3階と屋根部分が損壊。

完全復元する声もあがりましたが、財政難や資材不足で2階建てと鉄板の八角屋根になりました。

※2007年までの旧東京駅の形です。

 

レンガの東京駅を壊して高層ビルを建てる案もありましたが、旧駅舎の復元案が実行された感じですね。

2007年から復元工事が開始され、2012年に完成しました。

引用元:Youtube「東京駅百年の軌跡

 

東京駅以外のレンガの建造物4選

東京駅以外のレンガの建造物4選

日本にあるレンガの建造物は、東京駅だけじゃありません。

代表的なレンガの建造物をいくつか紹介しますね。

 

横浜赤レンガ倉庫

横浜赤レンガ倉庫

けっこう有名ですよね。

横浜港は貿易の拠点として発展したこともあり、大型の倉庫が必要でした。

完成は1911年(2号館)と1913年(1号館)。

倉庫内の荷物を守るために、防火扉やスプリンクラーが当時から設置されていました。

現在はショッピングモールになってます。

 

富岡製糸場

引用元:Youtube「富岡製糸場 Tomioka Silk Mill [4K]

2014年に世界文化遺産に登録された、群馬県の建造物です。

レンガ造りでありながら、屋根には瓦が使われていて珍しいですね。

躯体は木造で造られています。

見学可能なので、興味あればぜひ。

 

北海道庁の旧庁舎

引用元:Youtube「【4K】北海道庁旧本庁舎を散歩【赤レンガ庁舎/北海道庁旧本庁舎/札幌/北海道/日本】

札幌市にシンボルの1つである、旧北海道庁舎。

アメリカのレンガ造りが取り入れられてます。

無料で普通に入れます。

中は資料館みたいになってるので、札幌に行った際はどうぞ。

庭園もきれいですよ。

 

舞鶴赤レンガパーク

引用元:Youtube「舞鶴赤れんがパーク紹介動画

京都府舞鶴市にあるレンガ倉庫です。

旧日本海軍の武器庫として使われてました。

12棟のうち、8棟が重要文化財になっています。

現在は観光地になっており、タイムスリップしたような感覚になれますよ。

 

まとめ【東京駅舎のレンガ造りは当時を忠実に再現している】

まとめ【東京駅舎のレンガ造りは当時を忠実に再現している】

この記事をまとめます。

  • 東京駅舎のレンガは、内部がイギリス積み、表面が小口積み
  • 1・2階のレンガに合わせて3階部分のレンガが造られてる
  • 大型の建造物でありながら免震構造
  • 最初の東京駅のレンガは、埼玉県深谷市で造られた
  • 1945年の空襲で3階と屋根が損壊した
  • 最初の復旧は2階建ての八角屋根だったが、2012年に完全復元された

 

以上、東京駅のレンガについて深掘りしてきました。

参考になればうれしいです。

 

東京駅に行った際は、ぜひともレンガを見てみてください。

100年以上の歴史を感じることができますよ。

 

ちなみに、東京で他にも見てほしいのは、やはり東京スカイツリーと東京タワーかなと。

2つの建造物については、下記の記事にまとめたので興味あればどうぞ。

 

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