大工が独立する方法【必要な手続きや開業資金、失敗を防ぐ方法も解説】

大工が独立する方法【必要な手続きや開業資金、失敗を防ぐ方法も解説】
考える男性
考える男性
大工で独立したいな。

でも、どうやって起業すればいいの?

 

開業資金とか、あった方がいい資格とか、手続きとか、実はよくわからん。

独立すると、どれくらい稼げるもんなのかな?

 

あと、仕事はどうやってもらえばいいんだろう?

独立はしてみたいけど、失敗するのは嫌だな…

こういった疑問や不安に応える記事です。

本記事でわかることは下記のとおり。

  • 大工で独立する方法がわかる
  • 独立後に仕事をもらう方法がわかる
  • 独立して失敗を防ぐ方法がわかる

 

大工を数年やったら、やはり独立も考えますよね。

この記事では、大工の独立方法を解説します。

独立準備の参考にしてみてください。

また、仕事をもらう方法や独立失敗を防ぐ方法も解説するので、独立する前に読んでおくと無難です。

大工が独立する方法【一人親方→工務店が一般的】

大工が独立する方法【一人親方→工務店が一般的】

大工の独立は、まず一人親方になって、その後うまくいけば工務店を開業する人が多いです。

この順序だと、リスクが低いから。

  1. 一人親方=個人事業主(1人で仕事)
  2. 工務店=会社経営(従業員を雇用)

 

という感じで、責任の重さが違います。

なので、まずは一人親方で仕事をこなし、安定して稼げるようになったら工務店を開業すればOKです。

 

大工の一人親方はフリーランス

ようは「フリーランスの大工」ですね。

会社に所属せず、個人事業主として仕事を請け負います。

 

メリットデメリットは下記のとおり。

メリット デメリット
自由気まま 大きい工事を請けにくい

そもそも1人なので、「家を建てる」みたいな大きい工事を請けにくいです。

結論、同業の人脈を作っておくことがおすすめ。

いざというとき、チームで仕事ができるようにしておきましょう。

ちなみに個人事業主でも、年間100日くらいまでなら、一時的に他の人を雇用してもいいことになっています。

 

工務店(法人化)

会社経営者として、工務店を運営していくイメージです。

メリットデメリットは下記のとおり。

メリット デメリット
うまくいけば稼げる 責任が重い

従業員を雇用する必要もあるので、かなり責任が重くなります。

売上がなくても、給料は絶対に払わないといけないですからね。

 

ちょっと整理すると、一人親方or工務店に向く人の違いは下記かなと。

  1. 一人親方:そんなに稼げなくていいから、自由に働きたい
  2. 工務店:たくさん稼ぎたい

 

ちなみに工務店開業については、下記のYoutubeも参考になると思います。

出典:Youtube「【24歳女性経営者】リフォーム業で独立した経緯お話しします!!【建築業】

 

大工の独立に必要な年数

5~10年修行して、独立する人が一般的です。

ただし、中には1年で独立する人もいますよ。

ようは、仕事を請けられて、仕事をこなせる技術があればいいだけだから。

若手の中にはすぐに独立する人もいます。

この辺は、本人次第という感じですね。

 

大工が独立するときの手続き

基本的な開業手続きは、下記のとおりです。

  • 税務署に開業届を出す
  • 税務署に青色申告の申請を出す
  • 都道府県に事業開始等申告書を出す
  • 都道府県に建設業許可を申請(20万~30万円くらい)
  • 一人親方保険に加入(一人親方のみ)
  • 法人登記(工務店のみ、20万円くらい)
  • 社会保険、労災保険の手続き(工務店)
  • 顧問税理士をつける(クラウド会計可)

 

ちなみに一人親方の場合は、最初に建設業許可を取らない人が多いです。

なぜなら、建設業許可が必要なのは「500万円以上の工事を請ける場合」なので。

最初は小さな工事から始める人が多いため、建設業許可は後で取得する人が多いのが現実。

 

ただし、稼ぎたいなら建設業許可は取った方がいいですよ。

元請けになれるので、仕事をもらいやすいし、融資も請けやすいから。

 

また、「一人親方保険」とは、一人親方の労災保険です。

一人親方保険に加入してないと入れない現場も多いので、必ず加入してください。

 

税理士も必要ですが、近年はクラウド会計が一般的。

費用が安いので、最初はクラウドにしておきましょう。

大工が独立するときの開業資金

開業資金は下記のとおり。

  • 一人親方:500万円くらい
  • 工務店:2000万円くらい

 

結論、一人親方で独立するときは、貯金しておきましょう。

なぜなら、一人親方は信用がないので、融資を受けにくいから。

  • 足りない道具を買う
  • 移動車を買う

 

などで、なんだかんだ500万円くらいあると安心です。

 

工務店の場合は、下記などでなんだかんだ2000万円くらい必要です。

  • 事務所費用
  • 道具類
  • 移動車
  • 建設業許可
  • 運転資金
  • 税理士費用など

 

工務店(法人)はお金がかかりますが、「融資を受けやすい」のがメリット。

  • 銀行
  • 日本政策金融公庫の新創業融資
  • 小規模事業者持続化補助金

 

などで資金調達できる可能性があるので、デメリットばかりではありません。

 

大工が独立するときにあった方が良い資格

大工で独立するとき、正直いって資格は不要です。

別になくてもできるから。

 

ただ、仕事の幅を広げるためにも「あった方が良い資格」は、下記の5つです。

  1. 建築大工技能士
  2. 木造建築物の組み立て等作業主任者
  3. 木造建築士
  4. 二級建築士
  5. 建築施工管理技士

 

ようは、仕事をもらいやすくなったり、大きい工事ができるようになるから。

正直、資格がある方が稼げます。

なので、いずれ取得を目指してみましょう。

大工にあった方が良い資格については、大工に資格はいらない【いずれ取得した方がいい資格一覧も紹介する】にまとめてます。

大工に資格はいらない【いずれ取得した方がいい資格一覧も紹介する】

 

独立した大工の年収はバラバラ

独立した大工の年収は、本当にバラバラです。

なぜなら、サラリーマンじゃないから。

本人の商売センスによって、年収は大きく違います。

  • 年収2000万円以上稼ぐ工務店の社長
  • 年収300万円の一人親方

 

ってくらい開きがありますね。

 

ちなみに、一人親方の日当の相場は、15000~2万円くらいと言われてます。

これだと年収1000万円とかは無理なので、稼ぎたいならやはり工務店(法人化)が必要です。

 

大工が独立して仕事をもらう3つの方法

大工が独立して仕事をもらう3つの方法

考える男性
考える男性
大工で独立する方法はなんとなくわかったけど、仕事はどうやってもらえばいいの?

結論、下記の3つが一般的です。

  1. 同業から仕事の紹介
  2. 建設会社やハウスメーカーの下請け
  3. 個人から直接仕事の依頼を受ける

 

1つずつ解説します。

 

①同業から仕事の紹介

同業の仲間から仕事をもらえることがあります。

大きい仕事を請けたときなどは、人が足りなくなるので。

例えば、下記のようなケースがあります。

  • 一人親方同士で仕事を紹介し合う
  • 工務店の社長から声がかかる
  • 前職の社長から声がかかる

 

結論、同業の人脈を増やしておきましょう。

 

②建設会社やハウスメーカーの下請け

建設会社やハウスメーカーの下請けになって、仕事をもらいましょう。

自分で電話して、仕事をもらってもOKですね。

プレカットの組み立てや、建具の取り付けなどの仕事をするイメージです。

 

ただし、単価は決して高くないので、稼ぎたいなら下請けだけにならないようにしましょう。

仕事ともらえなくなったら終わりなので、次に解説する「③個人から直接仕事の依頼を受ける」の仕組み作りも進めておくと良いです。

 

③個人から直接仕事の依頼を受ける

具体的な方法は、下記があります。

  1. リスティング広告
  2. SNS
  3. ホームページ
  4. チラシ
  5. 紹介

 

ネット系のことはちょっと勉強すればわかるので、独立前に勉強しておくと良いかと。

下記のYoutubeなんかが参考になります。

出典:Youtube「第1回 Webマーケティングの完全ロードマップ【プロが徹底解説】

 

もっとも費用を安く、確実に仕事をもらえるのは「紹介」です。

結論、独立するなら全力で人脈を作るべき。

1つ1つの仕事を丁寧にこなして、口コミを広げていくと紹介だけで仕事が回るようになります。

 

大工が独立して失敗を防ぐ方法【一人親方が不安なら副業から】

大工が独立して失敗を防ぐ方法【一人親方が不安なら副業から】

考える男性
考える男性
仕事をもらう方法はわかったけど、やっぱり独立は不安だなぁ…

今までみたいに給料が保証されてるわけじゃないし、不安定になるだろうなぁ…

結論、独立はリスクがあります。

給料の保証がなくなるから。

 

もしどうしても不安なら、まずは副業から始めてみましょう。

副業=一人親方の体験みたいな感じなので、独立してやっていけるかイメージ湧きますよ。

 

ちょっと大変だけど休日に副業してみる

例えば日曜や祝日を使って、副業してみるのが良いですね。

休日がなくなりますが、独立したら休みがなくなる可能性もあるので、良い練習になるかと。

 

仕事を受けるだけでなく、営業活動もしてみましょう。

副業でやってみて「いけそうかな」と思ったら、一人親方として独立するのも手です。

 

【ただし】結局、独立してみないとわからないことが多い

ただし、副業ですべてはわからないので、そのつもりで。

結局のところ、独立しないと真実は見えてこないので。

 

例えば人を使う方法も、実際に人を雇用しないとわかりません。

なので、副業はあくまで「お試し」であり、本番は独立してからです。

 

不足の事態も起きるでしょう。

お金もなくなるでしょう。

でも、それが「一国一城の主になる」ということです。

この辺は下記のYoutubeが参考になるので、ぜひとも見てみてください。

出典:Youtube「いつか独立?今でしょ!職人さんに絶対聞いて欲しい話です!

 

まとめ【大工が独立開業するには、お金を貯めて各種手続きをすればいいだけ】

まとめ【大工が独立開業するには、お金を貯めて各種手続きをすればいいだけ】

この記事をまとめます。

  • 大工の独立は、一人親方から始める人が多い
  • 自由気ままにやりたいなら一人親方、稼ぎたいなら工務店の開業
  • 開業には各種手続きと、開業資金が必要
  • 仕事をもらう方法は、同業の紹介、建設会社やハウスメーカーの下請けや、個人から直接仕事の依頼を受けるの3つ
  • 独立が不安なら、まずは副業から始めてみればOK

 

ということで、本気で独立したいなら準備を始めましょう。

 

まずやるべきことは下記かなと。

  1. 開業資金を貯める
  2. 人脈を広げる(同業者もお客さんも)
  3. 必要な道具を買い揃える

 

1つずつ準備を進めていきましょう。

 

ちなみに、大工の将来性は明るいと思います。

なぜなら、どんなに時代が進んでも必要な仕事だから。

大工の将来性は、大工の将来性は明るい7つの理由【将来性のある就職先を選ぶ方法】にまとめたので、独立の参考になるかと。

 

あなたが独立して、成功するのを祈っています。

SAN-SUKEバナー

関連記事

  1. 大工の平均年収は415万円【向いてる人の7つの特徴や年収アップ方法】

    大工の平均年収は415万円【向いてる人の7つの特徴や年収アップ方法】

  2. 鳶職にヤンキーが多い5つの理由【あなたが鳶でやっていけるか診断】

    鳶職に元ヤンキーの人が多い5つの理由【あなたが鳶でやっていけるか診断】

  3. 型枠大工のきついところ5選【あなたが向いてるか5つの特徴で診断】

    型枠大工のきついところ5選【あなたが向いてるか5つの特徴で診断】

  4. 鳶の平均給料は年収393万円【きつい部分や向いてる人の特徴も解説】

    鳶の平均給料は年収393万円【きつい部分や向いてる人の特徴も解説】

  5. 左官の5つの由来【どれが本当かわからないけど、ロマンがあります】

    左官の5つの由来【どれが本当かわからないけど、ロマンがあります】

  6. 大工さんの差し入れはお菓子と飲み物が定番【夏と冬のおすすめも紹介】

    大工さんの差し入れはお菓子と飲み物が定番【夏と冬のおすすめも紹介】

施工管理の優良求人を見る

定着率83.2%の施工管理求人を見る

  1. 建築士

    建築士の資格は6種類ある!建築関係の資格11選も紹介

    2023.03.18

  2. ダム

    土木設計技士とは?受験資格や試験の難易度を解説します

    2023.03.12

  3. vr

    建築士の仕事はなくなるのか?AIの台頭で将来性があるのか考察

    2023.03.12

  4. 空港と飛行機

    空港工事施工管理技術者認定試験を解説【勉強方法もわかります】

    2023.02.09

  5. おとなしい施工管理

    おとなしい人も施工管理でやっていける【活躍する5つのコツ】

    2023.02.08

  1. 施工管理とは?をわかりやすく解説【ようは監督です】

    施工管理が転職で失敗しない3つのコツ【進め方5ステップも解説】

    2019.10.19

  2. 工事現場に立つ施工管理たち

    未経験で施工管理に転職するとき失敗しない5つのコツ【不安を減らせ…

    2019.10.18

  3. 現場監督

    施工管理の派遣で働くメリットとデメリット【やめとけと言われる理…

    2018.12.09

  4. 施工管理

    施工管理で激務なブラックではなくホワイトな環境で働く方法17選

    2018.11.19

  5. 札束

    施工管理(現場監督)の平均年収や給料を徹底分析【資格で収入アップ】

    2018.10.24

施工管理に役立つメルマガ

建設業界×ミドル層の転職サイト

建築設備のおすすめサイト