トンネル工事の施工管理ってどんな仕事なんだろう?
未経験でもなれるのかな?
できれば、メリットやデメリットも知りたいな。
こういった疑問や不安に応える記事です。
この記事でわかること
- トンネル工事における施工管理の特徴5選
- トンネルの施工方法
- トンネル施工管理のメリット・デメリット
私たちワット・コンサルティングは、施工管理の技術者派遣の会社です。
未経験から施工管理に転職したい人を募集しています。
トンネル工事の施工管理は、専門性が高くハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、トンネル工事の理解が深まれば、自分に合った仕事かどうかの判断がつきやすくなります。
最後まで読んでみて興味が沸いたら、さっそく転職活動を始めてみましょう。
この記事の監修者
施工管理の技術者派遣を行う会社。これまで1500名以上の未経験者を施工管理として育成した実績あり。
- 労働者派遣事業許可番号 派13-304593
- 有料職業紹介事業許可番号 13- ユ-304267
- 特定建設業 東京都知事許可 (特-1) 第150734号
トンネル工事における施工管理の特徴5選
トンネル工事の施工管理の特徴は?
トンネル工事の特徴をタスクごとに分けると、以下のとおりです。
トンネル工事の特徴
- 施工管理|他の土木工事と変わらない
- 施工環境|日中でも照明付きの作業
- 日常業務|電子納品物が多い
- 必要な資格や経験|原則必要なし
- 工事期間|長くて10年以上
それぞれの特徴について、詳しく解説します。
施工管理|他の土木工事と変わらない
トンネル工事の施工管理は、他の土木工事の施工管理と大きく変わりません。
施工管理の仕事内容
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 原価管理
- 出来形管理
- 行政への申請書類の作成
- 設計など事務作業
- 現場の写真撮影
- 近隣への挨拶
- 現場の清掃
- その他トラブル対応や緊急対応
詳しい施工管理の仕事内容は、施工管理(現場監督)の13の仕事内容をわかりやすく解説にまとめています。
施工環境|日中でも照明付きの作業
トンネル工事では、日中も照明を使います。
当然ですが、トンネル内は暗いため、照明がないと作業できないからです。
違い
一般的な土木工事は太陽光があるため、照明を使わない工事が多いです。
他にも、工事の環境には以下の特徴があります。
特徴
- 現場がせまいので小回りの聞く重機が必要
- トンネル内は高温多湿なので熱中症に注意
- 掘削による粉じんがあるため換気が必要
日常業務|電子納品物が多い
トンネル工事は、国や自治体からの発注が多いです。
そのため、紙でのやり取りは少なく、基本的には情報共有システムを使った電子納品となります。
納品物以外にも、図面や参考資料なども電子で行うケースが高いので、取り扱いに慣れておく必要があります。
必要な資格や経験|原則必要なし
結論、絶対に必要な資格はありません。
しいていえば「土木施工管理技士」の資格があると優遇されます。
土木施工管理技士とは、トンネル工事を含む土木施工管理の知識・スキルを証明できる国家資格です。
ポイント
ただし、未経験者が取得できるのは「土木施工管理技士補」のみです。
土木施工管理技士補とは、土木施工管理技士をサポートする資格です。
土木施工管理技士補については、令和6年度から施工管理技士試験の受験資格が改正される|3つの注意点も解説に詳しくまとめています。
工事期間|長くて10年以上
トンネルは掘削に時間がかかるため、工事期間が長めです。
もちろん、トンネルの長さや施工方法によって異なりますが、10年以上かかる工事もあります。
じゃあ、長いと10年間もトンネル施工管理に携わらなくちゃいけないの?
必ずしも全期間に携わるわけではありません。
理由は以下のとおりです。
トンネル工事から外れる理由
- 担当する工事区間が決まっているから
- 自己申告によって外してもらえるから
- 他の社員にトンネル工事のキャリアを積ませたいから
- 会社は他の工事を経験させてキャリアアップしてほしいから
トンネルの施工方法
ちなみに、トンネル工事ってどうやるの?
トンネル工事には、さまざまな施工方法があります。
トンネルの施工方法
- シールド工法
- TBM工法
- 山岳工法
- 開削工法
- 沈埋工法
詳しく解説していきます。
シールド工法
シールド工法は、シールドマシンを使って掘削していく工法です。
出典:独立行政法人水資源機構|トンネル施工方法の紹介
地上や地下の構造物に影響を与えにくいため、大規模なトンネル工事ではシールド工法を採用することが多いです。
適用条件
- 都市部の地下
- 河川下といった地下水位が高い場所
TBM(トンネル・ボーリング・マシン)工法
「トンネルボーリングマシン」という筒状の機械を使って掘削していく工法です。
先述したシールド工法のシールドマシンと機械が似ています。
出典:独立行政法人水資源機構|トンネル施工方法の紹介
適用条件
- 長大トンネル
- 地質が均一で硬い地盤を有する山地
他の工法と比べて、圧倒的に掘削速度が速いことも特徴です。
山岳工法
先述した特別な機械を使わずに、人力や重機によって掘削する工法をいいます。
地盤の様子を確認しながら、掘り進めていけるのが特徴です。
適用条件
- 短いトンネル
- 地質条件が複雑
また、重機で掘れないほど堅い岩盤は、ダイナマイトの爆破で掘り進める発破という方法もあります。
開削工法
最初に地面を掘ってからトンネルを造り、埋め戻す工法です。
適用条件
- 都市部の地下
- 比較的浅い地点
深い地点を掘る場合は、シールド工法が用いられます。
沈埋工法
事前に造った沈埋函(トンネルの一部)を海や川底に沈めて、接続しながらトンネルを造る工法です。
メリット
- どんな地質でも強度を保てる
- 施工延長を短くできて経済的
- 現地での工事期間を短縮できる
- 品質が高く保てるので耐用年数が長い
海底や川底でのみ適用される工法なので、抜てきされると貴重な経験が積めます。
トンネル施工管理のデメリット
トンネルの施工管理って、他の工事と比べてデメリットはある?
デメリットは以下の3つです。
デメリット
- 出張が多く家に帰りにくい
- 朝が早い
- 労働災害が多い
1つずつ解説していきます。
参考記事
ちなみに、施工管理全体のきついところは、施工管理(現場監督)がきつい理由30選!あまりキツくない施工管理に転職するコツにまとめています。
出張が多く家に帰りにくい
トンネル工事は、山や峠といった都心部から離れた場所が多いです。
そのため、工事期間中は現場近くの宿舎に泊まり込みとなり、休日以外は家に帰れません。
「毎日家に帰りたい」という人には、少しきつい可能性があります。
朝が早い
施工管理全般にいえることですが、朝が早いです。
8時の朝礼に間に合うように、7時~7時半には現場に出る必要があります。
ただ、宿舎に泊まり込みだと現場が近いので、通勤時間はほとんどありません。
労働災害が多い
トンネルは、他の土木工事と異なり特殊な条件下での作業のため、労災事故が起こりやすいです。
トンネル工事中の労災事故
- 高所作業中の墜落
- 掘削作業中の落盤・飛来
- 狭い箇所での重機との接触
- 換気不足による酸欠・中毒
- 機械や発破による騒音性難聴
- 電気設備の漏電や絶縁不良などによる感電
- 発破作業や粉じんへの引火による火災・爆発
ちなみに、こうした労働災害が起きないようにするのが、土木施工管理の仕事です。
「安全管理」といって、現場で事故が起きないように対策することです。
施工管理の安全管理については、施工管理の安全管理とは現場の危険を防ぐこと|6つの安全管理を簡単に解説にまとめたので参考にどうぞ。
トンネル施工管理のメリット
トンネル施工管理のメリットも教えてほしい。
結論、トンネル施工管理のメリットは以下のとおりです。
メリット
- 専門性が高められる|転職が有利になる
- 社会貢献を感じられる|一生ものの誇りができる
- 手当が付く|高収入が期待できる
詳しく見てみましょう。
参考記事
ちなみに、施工管理全体のメリットは、施工管理(現場監督)のやりがい・魅力16選!やりがいを感じるために必要なことにまとめています。
専門性が高められる|転職が有利になる
先述したとおり、トンネルは他の土木工事とは違って少し特殊です。
加えて、施工箇所も限られてきます。
頻繁に経験できるものでもないので、専門知識や技術が身につきやすいです。
また、転職市場では希少価値が高いからこそ、他の転職者と差別化が図れます。
社会貢献を感じられる|一生ものの誇りができる
土木工事全般にいえますが、やはりトンネル工事が完成したときの喜びはひとしおです。
ポイント
- 交通の利便性が上がった!
- 〇分も短縮できた!
こういった利用者の声があると「頑張ってよかったな…」と思えます。
開通パレードがテレビで流れたときには、自身が携わった工事として友人や家族に自慢できるでしょう。
手当が付く|高収入が期待できる
トンネル工事だからこその手当が期待できます。
トンネル施工管理の手当
- 特殊勤務手当
- 出張手当
トンネル工事は危険な場所や過酷な条件下での作業なので、特殊勤務手当がつく可能性があります。
また、現場近くの宿舎に泊まり込みなので、出張手当も付く会社が多いです。
各種手当が期待できるため、収入も上がりやすいでしょう。
ちなみに、施工管理の収入アップのイメージは、20代の施工管理・現場監督の平均年収!給料を上げていく4つの方法で解説しています。
未経験からトンネル施工管理に転職するコツ
未経験からトンネル施工管理に転職するには、どうすればいいの?
失敗しないコツがあれば教えてほしい。
未経験からトンネル施工管理へ転職するコツは、以下の9つです。
転職に失敗するリスクも下げられます。
転職のコツ
- 新人研修がしっかりしている会社を選ぶ
- 未経験者OKの求人情報に絞る
- 転勤の有無をチェックする
- 給料・休日・福利厚生など条件をチェックする
- 資格取得支援など人材育成に力を入れている会社を選ぶ
- ブラック求人を避けてホワイト企業を探す
- 型に沿って志望動機を作る
- 型に沿って自己PRを作る
- 面接でよく聞かれる質問の答えを用意しておく
詳しくは、未経験から施工管理に転職するとき失敗しない9ステップ|不安を減らせるにまとめています。
今回の転職に失敗したくない人は、参考にしてみてください。
ワット・コンサルティングでも未経験者さんを募集中
冒頭でもふれましたが、私たちワット・コンサルティングでも未経験から施工管理になりたい人を募集しています。
ワット・コンサルティングは、60日間の新人研修を実施しています。
この研修期間の長さは業界平均の2倍にあたり、業界トップクラスです。
そのため、
未経験から施工管理になるのは不安だ…
という方にも、基礎からしっかり学べるので安心です。
また、他にも以下の強みがあります。
ワット・コンサルティングの強み
- 未経験者の採用率80%
- 累計1500名の未経験者を育成
- 定着率83.2%(業界平均は約70%)
- 社会保険完備+資格取得奨励金あり
- 優良派遣事業者に認定されている(派遣会社のうちわずか0.2%)
あなたの転職先候補に加えてみてください。
まとめ
くりかえしですが、トンネル施工管理には以下のメリットがあります。
メリット
- 専門性が高められる|転職が有利になる
- 社会貢献を感じられる|一生ものの誇りができる
- 手当が付く|高収入が期待できる
トンネル施工管理に興味がある人は、さっそく転職活動を始めてみましょう。
くりかえしですが、私たちワット・コンサルティングでは、未経験から施工管理に転職したい人を募集しています。
早く一人前の施工管理者になって、安定して稼ぎたい人は、転職先の候補に入れてみてください。
あなたの転職活動の参考になればうれしいです!